災祥 (潮文庫)

  • 潮出版社 (2022年6月3日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784267023453

作品紹介・あらすじ

舞台の中心は中国・北京の紫禁城。泰昌元年(1620年)、皇帝の息子である朱由検(しゅ・ゆうけん)はある日、何者かに井戸へ突き落とされ生死を彷徨う。目を覚ました時、そこには見たことがない一人の女性が立っていた。しかし、初めて見るその女性は、この世の者ではないという。朱由検は、彼にしか見えず、敵か味方かもわからない謎の美女・懐允(かいいん)に次第に惹かれてゆく。
時は経ち、皇帝・崇禎帝(すうていてい)となった朱由検は政務に行き詰まっていた。弩爾哈赤(ヌルハチ)率いる後金軍からの攻撃、臣下の裏切り、国内で蔓延する疫病など、手の打ちようが無い状態が続くが、いつも心の支えとなっていたのは、懐允の存在だった。
この手で触れ、温もりを感じることの出来る妃と、触れることは出来ないが唯一心を許すことのできる懐允の狭間で揺れる恋の葛藤。刻一刻と迫りくる明代絶滅の危機。
──孤独な皇帝が最期に放った言葉は、ある女性への愛、そして民衆への愛だった。
第9回小説現代長編新人賞を受賞した新進気鋭の作家による、史実とファンタジーが織り交ざった切なくも美しい明代末期の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 傾国となりつつある明。
    その最後の皇帝の物語。

    鄭和の時代は既に遠く、傾きある明。その中で良い政をしていこうとあがく朱由検。

    ですが、腐敗しきった国を立て直すには、敵は多く、時間もない。

    彼しか見ることが出来ず、会うことができない懐充の存在が救いなのか、苦渋なのか、読みながら考えてしまった。

    為政者は孤独ということを絵に描いたような物語でした。

  • 中国明朝最後の皇帝、崇禎帝(朱由検)の幼少期から最期まで
    そして他の人には全く見えない謎の美女 懐允とのファンタジー物語。
    なんだか人の上に立つ人間とは如何に孤独で、誰にも何も言えず
    最後の最後まで、信頼できる人が幻である懐允しかいないって残酷
    戦争や疫病や、信頼していいのか分からない家臣に疑心暗鬼になっていく様が
    救いがないというか、なんというか。
    懐允って一体何者だったんだろうか

  • 明王朝最後の皇帝を主人公に歴史を辿るファンタジー

    真面目に夢を追い続け名君であろうと理想を持ちつつも、様々な要因が絡み合い、夢と現実との落差を見せつけられて苦悩し破滅する様が切ない

    李自成や袁崇煥側の物語は読んだ事ありますが、崇禎帝目線は初めてだったので、そこも楽しく一気読みでした

    皇帝の側に有り続けた彼女は一体なんだったのか……想像を掻き立てられます

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著者プロフィール

1985年生まれ。愛知県立大学外国語学部中国学科卒業。2014年、「三皇の琴 天地を鳴動さす」で第9回小説現代長編新人賞を受賞。同作を改題した『小旋風の夢絃』でデビュー。著書に『囚われの盤』(講談社)、『泣き娘』(集英社)などがある。最新作は『星の落ちる島』(二見書房)。

「2022年 『唐国の検屍乙女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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