見えない階 心療内科医・本宮慶太郎の事件カルテ 2 (潮文庫)

  • 潮出版社 (2022年6月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (416ページ) / ISBN・EAN: 9784267023484

作品紹介・あらすじ

人は誰しも、人生という「階(きざはし)」を歩いている。上っているのか、それとも下っているのか。そして、その先に待っているものは――。
江戸川乱歩賞作家・鏑木蓮が描く、京都を舞台にした純文学ミステリーのシリーズ第2弾。「苦しんでいる人に寄り添う医師でありたい」という心療内科医・本宮慶太郎が、傷ついた人たちの心を癒しながら、事件を解決に導いていく。
京都・東山にある神社の階段下で、一人の男性の遺体が発見された。同じころ、京都で心療内科クリニックを開院している本宮慶太郎のもとに、あるセールスマンがやってくる。彼には家に引きこもって出てこない5歳上の姉がいた。近頃は会話も成り立たない姉のことを、意を決して慶太郎に相談するところから、運命の歯車が動き始める。悲しすぎる現実の中にも、どこか希望と温もりを感じさせるミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • シリーズもの。

    ここまで患者に寄り添う心療内科医はいないと思いますが、もしいたら心強いだろうなと思いました。

    いくつもの人生が交差し凍結していたものをカウンセリング等と解き、それぞれのこれからの幸せを支えようとする姿に感銘しました。

  • 鏑木蓮『見えない階 心療内科医・本宮慶太郎の事件カルテ2』潮文庫。

    京都という古く落ち着いたしっとりした土地を舞台にした心療内科医が探偵役という異色のミステリーシリーズ第2弾。タイトルにある『階』は『きざはし』と読むようだ。

    患者を第一に考えながら、複雑に絡み合った糸を丹念に解きほぐすかのように難事件を解決に導いていく過程が面白い。スピーディなアクション、サスペンスも好みであるが、このくらいのゆっくりした調子のミステリーも面白いものだ。

    そして、素晴らしい結末。この世もまだまだ捨てたものではない。

    物語は『第一章 現在』と『第二章 過去』と『第三章 未来』の三つの章に加え、『プロローグ』と『エピローグ』で構成される。

    『プロローグ』に描かれた殺人の描写。犯人は女性と思われるが、主人公に相談を持ち掛けるセールスマンの姉が犯人なのか……

    相変わらず訪れる患者が少なく、厳しい経営を余儀無くされている本宮慶太郎は友人で経営コンサルタントの沢渡恭一から京都の町屋へのクリニックの移転を提案される。

    ある日、町屋に移転した慶太郎の元に空気清浄機のセールスマンという古堀孝昭がやって来る。古堀には引きこもりの5歳上の友美という姉がおり、近頃は会話も成立しない姉のことを慶太郎に相談する。

    そんな中、東山にある神社の階段下で男性の遺体が発見される。遺体は弁護士で大学の教授とテレビのコメンテーターを務める44歳の島崎靖一という男性だった。島崎が握りしめていた証拠から古堀の姉に事件との関連が疑われる。

    本体価格800円
    ★★★★★

  • なかなかシンドイ。

  • 主人公の人柄が良いのでシリーズ2作目
    ダメダメ設定と思いきや、心療内科医として
    滅茶苦茶優秀だと思うし、親友の無理なプロ
    デュースでTV出演したら誠実さが伝わり、
    京町屋に設けた分院は大繁盛・・・推理も患
    者ファーストを貫きつつも偶々知り合った記
    者や警察官と駆け引きしつつ成果を勝ち取る
    有能ぶり!ラストの新展開も無理なく患者心
    理にも適合し謎が創られた経緯もなぞれる2
    時間スペシャルにちょうど良い(´・ω・`)

  • 03月-05。3.5点。
    本宮慶太郎シリーズ。京都の神社で、コメンテーターとして活躍する弁護士が階段から落ちて死亡。事件の可能性が。
    慶太郎に空気清浄機を売り込む営業担当の姉が、引きこもりで慶太郎に相談して。。。

    面白い。犯人だと思わせといて、いい意味で裏切られた。

  • 1人にこれだけ時間を費やすのは大変、患者側としてはありがたいけど。

  • 最近このシリーズを知って
    次が楽しみだと思っていましたが
    作者さんがご逝去されたとのことで
    とても残念です。

  • なんでも引き受けてしまう本宮先生が好印象
    しっかりとした治療方針が示され、こういう医師と巡り逢いたい

    事件は無事解決するのですが、伏線の弟さんと歯科医師の恋路は?とか気になってしまいました

  • 心療内科医が患者の治療に関わる事が事件の真相を知ることに繋がるという仕組み(関係する刑事や記者もいい人達でそこに摩擦がないのはうまくいきすぎじゃないかと思うが)は面白かった。

  • プロローグ/
    現在/過去/未来/
    エピローグ

    友美さんの病んだ心を少しずつ少しずつノックして開こうとする本宮先生。見えないし触れない心、間違った言葉を使えば今以上に閉じてしまう。その緊張感が読むことに集中させてくれる。
    開いてくれた心を感じるのは嬉しいですね

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著者プロフィール

鏑木 蓮(かぶらき・れん)
1961年京都府生まれ。広告代理店などを経て、92年にコピーライターとして独立する。2004年に短編ミステリー「黒い鶴」で第1回立教・池袋ふくろう文芸賞を、06年に『東京ダモイ』で第52回江戸川乱歩賞を受賞。『時限』『炎罪』と続く「片岡真子」シリーズや『思い出探偵』『ねじれた過去』『沈黙の詩』と続く「京都思い出探偵ファイル」シリーズ、『ながれたりげにながれたり』『山ねこ裁判』と続く「イーハトーブ探偵 賢治の推理手帳」シリーズ、『見えない轍』『見えない階』と続く「診療内科医・本宮慶太郎の事件カルテ」シリーズの他、『白砂』『残心』『疑薬』『水葬』など著書多数。

「2022年 『見習医ワトソンの追究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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