小説 紫式部 (潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784267024092

作品紹介・あらすじ

2024年大河ドラマは紫式部!
名作『源氏物語』の作者が直木賞作家の手によって等身大の女性として鮮やかに蘇る。

時は平安時代――。藤原家に生まれた香子は、一人の女性として悩みながら、物書きの才能を開花させていく。
彼女はいかにして「紫式部」となったのか。そして『源氏物語』の執筆の陰にある彼女自身の物語とは……。
時の権力者道長との関わりなど、小説ならではの展開の中に実像を追う。

作中に登場する人物たちが織りなす和歌にも注目!

「紫式部は歴史に残る大作『源氏物語』の作者である。わが国物書きの最高峰の先達と考えていた。いつかは始祖紫式部の生まれ育ち、生き方について書きたい、と思うようになっていたのである」(「あとがき」より)

解説に、中山義秀文学賞や新田次郎文学賞などで注目の作家・奥山景布子氏が特別寄稿!

感想・レビュー・書評

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  • 紫式部といえば「源氏物語」。源氏物語といえば「紫式部」。「源氏物語」は学生の頃、国語の授業でも学んだこともある言わずもがなの古典作品。じゃあ、その著者である紫式部ってどんな人?どんな人生を歩んで、何をきっかけに「源氏物語」を書き始めたの?となるとサッパリ(しっかり勉強して知っている人はいると思うけれど)。
    ちょうど林望さんの『謹訳 源氏物語』を読み始めたところだったので紫式部を扱った小説を一緒にひも解くと理解が深まった(ような気がする)。
    来年の大河ドラマの主人公でもあるし、予習を兼ねて、でもがっつり重厚な専門書でもなく小説なので手にとりやすく、読み進めやすかった。

  • 大河ドラマ「光る君へ」を観て(途中からだけど)興味が湧いて購入。
    作者の三好京三は直木賞作家です。

    「源氏物語」を執筆した紫式部の半生が内容となっいます。当時の歌と共に話しが進み、源氏物語が完成するまでが描かれています。

    紫式部の恋愛や、男性に翻弄される姿がリアルで、作者が男性だからこんな暴力的な描き方だと嫌な気分になる箇所もありました。

    解説を読むと、「目を背けたいほど」とあり。けれども「紫式部の心底に、こうした人には言えぬ深い傷があったというのは、肯ける考察である」と続き、経験なくして小説は書けないのも事実かもと納得。

    背景や歴史を噛み砕いて説明しているため、とても読みやすいです。いつかは源氏物語を手に取りたいと思わせる一冊でした。

  • 「源氏物語」は数々の書籍が並ぶが、作者紫式部ってどんな人?と今年の大河ドラマを見ながらふと気になり、手に取って一気に読了。
    藤原道長との関係性に注目が集まるドラマとは少し違って、どんな環境で源氏物語を創作していったのかがよくわかる内容だった。
    当時これほどの超大作を書き続けることができたのは、藤原道長はじめ有力者の庇護もあったが、清少納言や和泉式部など同業者としての有名人が周りにごろごろいて、それぞれが刺激を与えあう環境にいたことも大きな要因だったんだと知った。

    大河ドラマではわからないかもしれない紫式部の一部を知った気がする。

  • 2024/3/15読了。大河ドラマ『光る君へ』をより
    楽しむために当時の王朝貴族社会と源氏物語の作者紫式部を知ることで手掛かりになる小説。この時代や紫式部の史実は余り残っていないらしい。本作は和歌をもとに紫式部像を上手く表現しょうとした作家の意欲作。文章プラス和歌を織り交ぜながら出仕していた内裏の生活(中宮彰子との関係やその間に清少納言、和泉式部、伊勢大輔の登場人間模様も面白い)男女の情愛の交換(平安貴族の赤裸々な恋愛事情)を和歌を通して交歓する姿には優雅さも感じられて読んでいて楽しかった。(但し、道長と紫式部の間に情交があったかどうかは議論のあるところらしいが)もう二、三紫式部とその時代の小説、資料を読んでから『源氏物語』(源氏物語の執筆の背景や内裏での人気を博していた様子)へ進めたらより一層理解が深められそうだ。

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