裁判官 三淵嘉子の生涯 (潮文庫)

  • 潮出版社 (2024年3月5日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784267024153

作品紹介・あらすじ

嘉子は、明治大学専門部女子部で学び、日本初の女性弁護士の一人となる。世間からも注目をされていたが、戦争に突入する時代に弁護士となった嘉子は、活躍の場を得られないまま終戦を迎える。戦争で全てを失った彼女に残されたのは、かつて学んだ法律の知識だけだった。多くの困難を乗り越え、念願の裁判官に就任した嘉子と彼女を慕う仲間たちは、苦境から抜け出せない人々を救うために、政治の力だけでは解決できない問題に向き合っていく。

感想・レビュー・書評

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  • 「虎に翼」のネタバレになるとは思いつつ、ついつい読んでしまった笑
    これから、再婚先の子どもたちとのバトルがあるのね、などと。

    実名で書かれているのだが、ノンフィクションというよりは小説。かなりここで書かれていることは差し引いてから実像を思い浮かべた方がよさそう。

  • 朝ドラをあまり見ることができなかったので読んだが、すごく面白かった。割とドラマと違うところもあるため、朝ドラを見た人にもぜひ読んでほしい。個人的に麻雀話がたくさんでてくるので、共感できた。

    父貞雄「仕事を持ち、結婚しても続けなさい。専門職がいい。誰かの補佐をするのではなく、自分の足で立ち、責任を引き受ける仕事につくんだ。政治や経済のわかる大人になって、男と肩を並べて働くのは面白いぞ。」
    「社会が矛盾を許しても、簡単に諦めないことだ。」

  • 日本人初の女性弁護士さんのお話でした。
    ドラマとかになりそうーって思ってたら もうドラマ化されていたのですね。

    アメリカのルース・ベイダー・ギンズバーグさんのように 最初の女性というのは 大変な苦労されたのですね。

    でも このように 努力してくださった 多くの女性たちのおかげで 私たちの地位が向上したのですよね。

    引き続き 女性の地位向上の為にも 頑張って生きたいと 思いました。

  • 連続テレビ小説
    虎に翼
    を家族がみており、私は所々しか見てないため
    三淵嘉子がどのような人が気になり読みました
    女性弁護士、女性裁判長と歴史を切り拓いた
    凄い熱量の人だなと

    裕福な家庭で育ったももちろんあるけど
    父の貞雄、母信子の影響も大きかったのでしょうね
    旦那さんの芳夫、乾太郎(後夫)も
    よく出来た夫です(見習いたい)

    学生時代に(明治の法学校)とまに学んだ女性弁護士で、法律家の団体をつくるとか(アメリカのイースタリングのアドバイス)、GHQの印象も少しかわりました。日本がいかに遅れていたか、そこから日本がどうあるべきかを説くきっかけになり、せんとうだって学ぶ、取組む姿勢は素晴らしいし
    こういう人が文化をつくっていくんですね
    女性という冠で差別されることに納得できない
    (法の元に平等である)
    今とはなっては、空気のように存在してる概念が
    まぁ、浸透してない、理解も追いつかない、偏見もある、そんな空気感は今の我々では想像できないところ、導いていたと思うと素晴らしい功績でたり、生きた証になってるのも納得です

    家庭裁判所では5000人ほどの少年(少女も含んで少年と言うらしい)をみてきて、過去にみた新潟の少女が嘱託社員として、応募してきたところとかは、本当に嬉しかったんだでしょうね

    こういった人の功績を我々は忘れずに
    考えて、理解して、伝えていかないといけませんね勉強になりました

    伊藤沙莉さんの力強さとか
    ぴったりだとも思いました

  • 朝ドラ、虎と翼の原作。本当はテレビドラマを見たかったです。きっとドラマの方が細かく面白かっただろうと思うから。主人公の諦めない、堂々とした
    熱心さ、戦争で夫を亡くし、子供を育てながら立派さにはすごいなと感じます。男社会の中を生き抜く力。彼女がいたから今の法曹界にも女性がいるんだな。

  • これは物語仕立ての本。

    名古屋裁判所に行くときに雇ったお手伝いさんのことがけっこう書いてある。物語なので、どこまでフィクションがあるのかわからないが、お茶の水高女時代の同級生の親戚の娘の郁子という20代の女性である。郁子さんは名古屋はもちろん、東京に戻ってからもずっといた。しかも、乾太郎と結婚後も三淵家に郁子を連れて行った、とあるのだが、本当なのだろうか。 さらに家政婦でいえば、嘉子が独身時代、実家にいたころにも家政婦がいた、ともあった。

    名古屋も東京も官舎ぐらし。東京に戻ってからすぐに原爆裁判に取り組むことになりとても忙しかったとある。さらにそのころ、嘉子の判決に不服の老女に襲われ、それは自らが裁判官として至らないから、と同僚の内藤頼博に相談に行く。

    その一件を経て、三淵乾太郎の求婚を受け入れた。と続く。その後の三淵家でのあれこれは、主にお嫁にいった長女那珂とのいさかいが小説なので臨場感をもって描かれている。那珂は裁判官と結婚していて近くの官舎に住んでいる。次女の奈都は21、三女の麻都は18、長男の力は14で芳武の一つ上。

    嘉子に乾太郎を引き合わせたのは、裁判官の先輩の内藤頼博だが、彼は(乾太郎の母の)静に頼まれたらしい、とあり「三淵嘉子」(神野潔著)の本と同じだ。昭和25年に嘉子はアメリカ視察から戻った直後、乾太郎の父忠彦が亡くなり、忠彦の本の再版を手伝ったので、嘉子は同僚と弔問に行っている。

    2024.3.20初版 2024.5.5第3刷 図書館

  • 日本初女性弁護士となった三淵嘉子の生涯。女だから無理と言い続けられて、男ばかりの法曹界に飛び込んだが、持ち前の負けん気でその壁を乗り越えていく。男女平等の憲法になったことで戦前は男しか受験資格がなかった裁判官を志す。仕事人間だったが、きっと人間味のある人だったのだろう。あっという間に読み終えた。

  • 朝ドラがかなり娯楽志向なのがよくわかった。

    「女性初」が本当に珍しい時代。その先頭を切って走り続けられた大先輩のおかげで、出産・子育てしながら働き続けられる環境ができつつある現代。
    先輩に心から感謝です。

  • 面白かったし、読みやすかった。
    次の朝ドラ「虎に翼」の主人公をモデルにした小説なだけに、読みながら映像が浮かんだように思う。ただし、脳内配役は違う。
    ちょっと展開が駆け足気味に感じて、深く掘り下げたエピソードのようなものがなかった?ので、三淵嘉子っていう人を知るにはいいけど、小説としては物足りない部分もあったかなと。

  • だいぶドラマは変えてきたんだな〜と思った。女性の話だから、ドラマの方が女が出てくる頻度が多かった気する。やはりここまでのし上がる人って意志と我の強さが相当ないと無理。でも所々都合よく女の権利を行使するシーンもあってそこは理解できなかったかな。あと割と事象を並べてるだけな場面もあって、もう少しドラチックに書いて欲しかったな。

  • NHKの朝ドラを 余り見たことが無かったのに、「寅に翼」を見て、女性初の裁判官 三淵嘉子さんの物語に嵌まってしまった。

    母の過ごした時代にも重なる事に、共感を覚えたからかもしれないが、その当時の日本人の思いが含まれている。

    何もない途方もない所に、自ら、道を開拓していく力強さに!

    テレビドラマと違って、家族関係など違うが、ドラマの背景がわかる。

    当時の嘉子さんの両親の考え方が、一般の者達との違い。
    やはり、海外での生活を体験して来たからかも……

    日本人の謙遜、そして、男女の差!
    それに違和感を感じる日本人はその当時、少なかったと思う。
    嘉子さんも、良家のお嬢様であったから、大学進学にも行けたと思う。
    当時の良家のお嬢様は、お茶・お花・裁縫を嗜むのが、当たり前であっただろう。

    そして、嘉子さんの家族に書生達が同居。

    母方の海軍中将だった宇垣纏氏の家にも、書生さん達が居て、母も良く遊んで貰ったと話していた。

    昔は、勉学に意欲のある者達に、手を差し伸べる事を個人でしていた。

    嘉子さんは、誠実な書生さんである芳夫氏と結婚。
    嘉子さんも思う存分、自分の道に進むが、苦労も多いが、女中さんや家族の協力が大であっただろう。

    戦争が無かったら、もっと恵まれていただろう。

    再婚相手も、仕事に理解があり、裁判官の穏やかな乾太郎氏。
    一歩も、自分の意志を引かない性格の嘉子さんと共に、幸せの生活を送れたのは、乾太郎の協力あってこそだと、思わざるを得ない。

    それに、家庭の事をしてくれる女中さん、否、今はお手伝いさんが居て、任せられたからだと思う。

    我が母は、主婦であったが、お手伝いさん2人がいた。
    考えると、贅沢だったんだと、今思う。(笑)
    私達子供が、大きくなってから、通いのお手伝いさん一人だけになり、自分たちで、何でもでいるようなってから、不要になった.

    嘉子さんのような、一歩先に進むような頭は持ち合わせて無かった。
    尊敬する。

    女性として、今の日本だけでなく、世界の男女差別を無くす道しるべを作ったと思いながら、読み終えた。


  • 朝ドラ『虎に翼』を見て、モデルとなった三淵嘉子さんのことを知りたくなり、図書館で借りました。
    巻末に「フィクション」とあるので、詳細な部分は色付けされていると思いますが、朝ドラとの違いを感じながら読み進めました。
    朝ドラでは描かれなかった病気がわかってからのことも少し描写がありました。

    戦前戦後の激動の時代に、このような強い信念をもって生きた女性がいたことに、あらためてすごいなと思います。生涯を通じてやり遂げたことがあるという人生、とても羨ましく憧れます。子どものことなど、自分の手が回らないところは上手く他人に頼れることが秘訣なのかもと感じましたが、私にはとてもできないなと思いました。

  • 2024.10月6日
    朝ドラはたまにしか観てないので、
    芳夫が武藤家の書生だったことがわかった。控えめで優しい、自分より他人と考える良い人。
    戦争で何もかも無くしてしまった。
    しかし前向きに生きていく。

  • 朝ドラ虎に翼の主人公のモデル三淵嘉子の話。改めて、女性の裁判官として、頑張っていたことを知った。

  • 虎に翼の虎ちゃんの実話。
    著者ご本人があくまでフィクションと述べられています。
    きっとそのおかげでサクサク読めました。

    今でもなかなか大変な時もあるのに三淵嘉子さんのご両親の考え方がとても新しく柔軟なことに感動しました。

  • 父親から勧められて読んだ。
    日本で女性初の弁護士、裁判所長になった三淵嘉子のお話。
    快活な嘉子の性格が好ましく一気に読んだ。女性は家庭に入って子育てするべきもの、学ぶ必要などないという時代に好きな法律の道に進むのは現代からは想像つかない程険しいものだったのだと思う。
    私達が今生きているのはこういう先陣を切ってくれた女性達のお陰なのだと実感する。
    「女」弁護士等という肩書きは要らないとか、犯罪を犯した少女のエピソードなどとても良かった。

  • 岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
    http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00658083

    三淵(旧姓:武藤)嘉子は明治大学法学部を卒業し、日本初の女性弁護士となるが、戦争ですべてを失うと、新たな思いを胸に差別のない司法を実践すべく裁判官になることを決意する。34歳で裁判官に就任後、アメリカで家庭裁判所を視察。帰国後は各地の家庭裁判所で社会的弱者に目を向け、精力的に活動した。――逞しくしなやかに生きた女性法曹の先駆者の生涯を描く。
    (出版社HPより)

  • 一気読みした。当時としては進んでいる考えの人だと思うけど、家事を仕事として軽視するようなところはあるのかなと読んでいて思った。男女平等でも段階があるので、最初から完全な平等の考えは難しいし、私たちの時代もまだまだだけれど、、、
    すごく裕福で良い家族だと思った

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著者プロフィール

2001年作家デビュー。絶妙な語り口と活き活きとしたキャラクター造形に定評がある。主な著書に『紫陽花寺』『恋桜』『ささやき舟』など。

「2019年 『リスタート!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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