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本 ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784267024375
作品紹介・あらすじ
50代の主婦・佐々木瞳は兵庫県のマンションで夫の一郎と二人で暮らしていたが、2018年に母の京子が階段を踏み外して入院したことをきっかけに、一緒に暮らすことを提案。京子は新しい環境にも慣れ、充実した暮らしを送っていたが、新型コロナウイルスの感染拡大が世界中を襲う。緊急事態宣言が発出され、友人たちと会えなくなった京子は精神的に不安定になり、失禁をすることも増えていた。そんなある日、瞳と一郎が母のことで言い合いになるのを母に聞かれてしまう。その翌日、京子が急死。母が残した自筆の遺言状の内容は、きょうだい3人の中で瞳に多く相続させるものだった。そのことをきっかけに、兄の真司と姉の陽子は瞳を責めるような態度をとる。瞳は空き家となった実家の整理や売却に向けての準備を進めつつ、中学の同級生で自称“空き家ウォッチャー”の和江とともに空き家が活用されている事例などに触れていく――。
感想・レビュー・書評
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50代の主婦・佐々木瞳は娘の結婚後、夫とマンションで2人で暮らしていたが、ひとり暮らしの母親の怪我以降、同居することになる。
その後母親が亡くなり、空き家になった実家や相続のことなどいろいろと問題が出てくる。
滅多に集まることのなかった兄や姉たちとの話し合いも進まず…さてどうなるのか。
まずは相続の問題もあるのだが、空き家をそのままにしておくのは、周りの迷惑にもなる。
もちろん売却できれば良いのだが、古い家でも解体費用は嵩むし、更地にしても必ず売れるのか…とか販売会社に買い取ってもらうのかとかいろいろ考えてしまう。
不用品引き取りや解体など、ひとつずつ信頼できる業者に依頼すれば事はすむのだが、誰がやるのか?など兄弟姉妹がいるとなかなか進まないだろう。
瞳の友だち・和江の空き家マルシェの提案も良いなぁと思った。
1人では無理なことも誰かの口添えで良い結果に結びつくこともある。
親の家のこともあるが、これからの我が家のことも考えておく必要があるだろうと思った。
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なにかと問題になっていますが、全国に空き家って900万戸もあるんですね。帯を見て驚きました。私の実家もその一つです。気持ちの整理をつけられるかもと思い、手に取りました。
遺言執行者として、兄姉たちの勝手な言い分に腹を立てながらも頑張る瞳を、応援する気持ちで読み進めました。
今年(2024年)、相続登記が義務化され、空き家の状況が少しは変わっていくのでは、と思います。親の家のことはもちろん、自分の家のこともきちんとしておかねばと思いました。 -
自分にもいつかやらなきゃいけないことなので 置き換えて読んでみた
家族、兄弟と喧嘩しないように進められたら良いなと思った
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身内の諍いは身につまされた。実家の相続と空き家の処理に関しての話しがとても為になった。実際に長年空き家になってる所と、すぐに更地になり新築に変わる所があり、どうしてなのかと思っていたので参考になった。
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実家をきっかけ家族との思い出せる小説。
そして、終活の本当の意味を知れる気がします。
兵庫県を舞台にしていたので、親近感があってよかったです。
また、実際にある団体やお店などあり訪れたくなる魅力がありました。
今の日本は空き家が増えている。
その状況での困難や活用方法など模索している感じがあります。
今の空き家の現状を知りたい人や家の処分に悩んでいる方にはいい小説だと思います。 -
実家って、一旦出てしまうと、戻って生活するって選択肢は自分にも無かった。と、言うことは、こういう状況になるわけだ。
役に立ちました。残された者たちが仲良く出来たら良いな。 -
実家の家を処分する過程で、亡き両親、残ったきょうだいと対話しながら、様々な感情と向き合い、遂に解体売却となった。
相続や空家問題に向き合えず先延ばし中の人の背中を優しく押してくれる。 -
初の作家さん
興味あるタイトルに惹かれて読んでみました。
大きな出来事があるわけでもなくでも普通に共感できる事もありすらすらと楽しめました。 -
最後は熱いものが込み上げてきた
空き家はどんどん増えるだろうな
国の相続税対策に問題があると思う
誰だって自分や家族の思い出が詰まった家を手放したり壊したりしたくは無いはず
でもそうしないとならない相続の問題があるのも現実
誰もが幸せになる解決法があればいいけど -
空き家問題は、これから誰もが直面するかもしれないことなので、自分に置き換えて考えてしまいましたが、お話は、読みやすい本でした