若親分、起つ 目明かし常吉の神楽坂捕物帖 (潮文庫)

  • 潮出版社 (2024年10月4日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (248ページ) / ISBN・EAN: 9784267024382

作品紹介・あらすじ

親爺…あんたは何を見ちまったんだい――

神楽坂で名を馳せた目明かしの鐵が謎の死を遂げる。腹には横一文字に斬られた傷。
のんべんだらりとした毎日を送っていた鐵の息子の常吉が跡を継ぎ「神楽坂の若親分」となった。
鐵の右腕だった腕利きの子分や一癖も二癖もある親分衆、仲間たちの手助けで常吉は父の死の真相を追っていく。
父の情婦とおぼしき女の存在が浮かびあがったと思いきや、女の夫もやはり父と同じように斬られて死んでいた―。
事件はやがて大奥や公儀中枢にまで及び、国を傾けかねない一大事が見え隠れし始める。

改稿を重ね、驚くほど面白くなりました――
担当編集が太鼓判!気鋭の作家による期待大の時代小説!


目次

第一章 腹一文字 
第二章 鐵の情婦(おんな)
第三章 備中屋の変事 
第四章 木蓮寺 
第五章 岩井屋敷、動く

感想・レビュー・書評

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  • 途中までは、何のことやら、江戸時代の江戸っ子気質をただ演繹するだけで、話のテンポは遅いし、どんどん話を広げるだけ広げるし、親分のええところは出てこないし、巨悪を撃つわけでもないし。
    ええ加減駄作かなと思っていたが。

    第五章でしっかりとひっくり返してくれた。

    これは良いぞ。

    世知も荒事もなにも秀でたところのない男が若親分となり、凄え部下と、手下からのすごい信頼を得ていたことが明らかになり、これからの成長譚が見えてくる。
    果たして、常吉は、漢になれるのか。貫禄ある親分になれるのか。
    何者でもない者が、周囲の助けと自分の本質から出た功徳にがかえってきたことにより、何者かになっていく、そんな壮大な物語になるかも知れない。
    そして、ラストの締めも最高。
    今の世の中をしっかりと描いていて、闇バイトに堕ちる人も、ちゃんとしたきっかけと縁があれば、真っ当に生きられるのかも知れないという希望を持たせてくれるものだった。

    何もかもがダメに、何もかもが崩れていく様に感じられる今の世の中で、希望を持たせてくれる、そして、そう自分もありたいと思わせてくれた。
    昨晩の、布袋寅泰の武道館でもらったメッセージ『LONLY WILD』にも通ずる。

    絹曰く
    『まっとうにやってりゃ、お天道さまは見ていてくださるってことだねぇ』

    手前勝手に時代に、周りに絶望せず、
    周りに甘えずに、
    俺は俺として、真っ当に生きよう。
    そう思わせてくれた。

    この小説、シリーズ化して、大親分となる常吉を見せてほしい。そして願わくは、将来また、時代の変わりに直面して、次世代に繋げていく物語を見せてほしい。
    心から強く思う。

    そこまでいけば、この作品は星五つ。今後の展開に期待する。
    大化けしてほしい物語だ

    俺は弱い。周りは助けてくれない
    けど、見えてないところで助けてくれることもある
    そもそも、東京のど真ん中で、飯が食えてること自体、誰かのおかげ
    だからこそ、弱い自分でも生きつつ、勝手に周りに絶望せずに、自分は自分として、まっとうに生きれば良い。
    助けてくれないと視野狭窄になって拗ねてる場合じゃない。ほんと、ただの視野狭窄でしかない。
    だから、真っ当にいきよう。『しっかりしろよ、はい!』と高倉健が言っていたことを思い出す。
    お前はLONLY WILD!
    独行道をひたすらいこう

  • 202411/読みやすいけどなんだか説明チックな記述が続き、なんだかんだ周囲が都合よく助けてくれるので物足りない感じはあるけど、面白かった。

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