七秒しか記憶がもたない男 脳損傷から奇跡の回復を遂げるまで
- 武田ランダムハウスジャパン (2009年9月17日発売)
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感想 : 10件
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- Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
- / ISBN・EAN: 9784270005330
感想・レビュー・書評
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ヘルペス性脳炎により脳に甚大な損傷を負い、つねに持続的な記憶を形成できなくなった英国の音楽家に関する妻の回想録。彼は数分間しか記憶を持続できないため(タイトルの七秒は本文を読む限り無根拠。どこにもそのような記述はない)、つねに自分がたったいま昏睡から覚醒したと思い込んでいる。妻である筆者は夫の回復を助けたい一心から、英国には当時乏しかった脳損傷患者のためのプログラムを整備するところまで精力的に活動する。
史上稀有な症例を描いたノンフィクションだが、いかんせん視点が筆者である妻自身の生き様に終始しており、肝心の患者の回復過程をつぶさに活写しえたとは言い難い。
原題を直訳すると「永遠の今日〜愛と記憶喪失の回想録〜」。もしこのタイトルであれば内容は推して知るべしだった。
ともあれ、なかなか読むことのできない劇的な人生の記録には違いない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
支える妻が素晴らしい
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脳障害により新たに記憶が出来なくなった男と妻の話。軽い感じで読み進めてたら、存外きつい話でした。
小説というよりは、記録ですね。最後の祈り~はあまりキリストの世界観に慣れない私としてはいまいちでしたが。