新装版 なぜ選ぶたびに後悔するのか オプション過剰時代の賢い選択術
- 武田ランダムハウスジャパン (2012年10月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
- / ISBN・EAN: 9784270007082
作品紹介・あらすじ
選択肢がまったくない生活は耐えがたい。だが、選択肢はあればあるほど幸せとはかぎらない。どうすれば、おびただしい数のオプションを前に立ち往生することなく、じょうずに選択していけるだろうか?心理学、経済学、市場リサーチなど各分野の研究成果をもとに、商品や機会、情報があふれかえる世界で戸惑う人々に、常識を覆すわかりやすい指針を示した社会心理学の古典的名著。
感想・レビュー・書評
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元々の性格があるからある程度は仕方ないと思うけど、この本を読んだことで、自分が下した選択に、自分の境遇に満足するコツがわかった。
自由だからこその不自由。
選べるからこそ生じる後悔。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
生活の質を向上させたいなら、
1、選択の自由を束縛するものを忌み嫌うのではなく、みずからある程度の制約を取り入れる
2、最高を求めるのではなく、まずまずを求める
3、決断の結果について期待を低くする
4、決定は変更不能にする
5、周囲のひとがどうしているか気にしない
どれも、世間一般の考え方と正面からぶつかるものばかりだ。
アベイラビリティ・ヒューリスティック入手しやすさの発見法
わたくし達が、客観的なレポートより経験談をつい重く見るのは、それが鮮明な映像を伴い、本人から直接聞いた、個人的かつ具体的な話に基づいているからだ。
なにをみても、だれに訊いても、おなじ物語が語られていると、それが正しいと思うようになる。楽隊車効果バンドワゴン効果=間違ったコンセンサス
過剰な選択肢に押しつぶされそうなひとは、努めて満足するための方法を取り入れればいいことになる。最高が手に入るという期待を捨ててしまえばいいのだ。
学習性無力感
無力感を学習すると(逃げようとせずなすがままの体でうずくまって耐えている)、やってみようという気力が起こらなくなる。
オプションの数がある限界を越えると、選択肢が多すぎて、選ぶほうがうんざりしてしまう。治療法を自分で選びたいか否かを質問した意識調査を思い出してほしい。回答者の大半はイエスと答えた。だがおなじしつもんを、実際に癌にかかっている患者に問うと、圧倒的多数はノーと答える。想像のうえでよさそうにみえた選択肢が、現実のうえでもいいとはかぎらない。
わたくし達は直感的に、なにかをやらなくて失敗するより、やってみて失敗するほうが、後悔が大きいと考えている。
後悔を避けたいという願望が、選択に影響与える
順応と選択の問題
時間、労力、機会コスト、見越し後悔といった要因は、いわば固定費で、決断にあたって前金で支払われている。そしてこうしたコストは、決断の結果の寿命が続き期間中に減価償却される。
決断が長期的に大きな満足をもたらすなら、決断のコストはしだいしだいに償却されて、やがて無視できるほど小さくなる。これども、決断のもたらす満足が短い期間しか続かないなら、あとはずっしりとコストが残る。
選択肢が増えるほど、決断に労力を費やすようになる。そして、労力を費やすほど、見返りに対する期待が膨らむ。順応のポロセスが働くと、そうした見返りの持続期間は、あきれるほど短くなる。苦労した甲斐がなかったと思えてしかたがない。決定に費やす投資がかさむほど、投資のリターンに期待が膨らむ。そこで順応効果が働くと、決定に苦労するほど、リターンが投資に見合わなくなる。 -
バイアスからは逃れられない。バイアスがかかることを理解した上で行動するのだ。
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エビカツでのブクブク交換で入手した一冊。
一言であらわせば「足るを知る」との心境へ、でしょうか。
私自身、物欲自体はそんなに高いとは思いません、、「本」を除けば。
な感じですので、衝動買いや惰性買いについて突っ込まれると、耳にも痛く。
ん、ここ数年、日本ではバブル以降、消費市場の限界が見えていて、
価値のある体験を共創していくような流れになっています。
それを踏まえて、個人的に「豊かさ」とは、なんて考えてみると、、
何が「満足」なのかを、主体的に決めれること、でしょうか。
そして「満足」に至る手法は、「今まで同じモノを消費すること」でもいいですし、
「楽しい(Wow!)と感じる体験」でもいいと思います、人それぞれ。
大事なのは、自分にとっての「満足」を知ること、見極めること。
そしてその「満足」を共有できる友人と出会うコト、じゃないかな、、
と、ここ最近不思議と強く感じることが増えています。
全ての面において最高のモノを求めても、「亢竜悔いあり」じゃないかなとも。
ある意味、一番きついとは思います、自身の軸をしっかりと定めていかないといけないので。
これもまた「情報リテラシー教育」の一環ですか、とも感じました、なんて。 -
これまで選択肢を増やすことこそが正しいという価値観で生きてきたが、実はそれは誤りで、選択肢が多いということが結果的に人を不幸にしている、という驚きの構造を明らかにした本。
スティーブ・ジョブズが選択の回数を減らすために、毎日同じ服を着ていたことは有名だが、ある程度の制約の中で選択をすること、また最高ではなく、自分にとっての最善を選ぶことで、選択に満足することが重要であるとされている。
キャリアなどで、今後の選択肢を増やせるという観点でのチョイスは誤りなのかとしれないと考えさせられた。
以下、ネタバレを含む個人的重要ポイント
-ピークエンドの法則(終わりよければすべてよし)
経験効用と記憶効用はしばしばずれる
-アベイラビリティヒューリスティック
身近な情報に重きを置いてしまう
-プロスペクト理論
人は金銭的なマイナスなど、ネガティヴな状態になることに対して、より心が動く(同じ金額もらえる幸せより、同じ額失う不幸せが圧倒的に勝る)
-マキシマイザーとサティスファイサー
-選択肢が増えると、取らなかった選択肢を失ったコスト機会コストが増える。そのため選択肢が多いほど、機械コストが増え、結果的に選択したものに満足できなくなる
-選択したものに理由をつけると、その選択が誤っているように感じられることがある
-短期的にはやった後悔が勝るが、長期的にはやらなかった後悔が勝る
-人は自分が結果に責任を負い、今よりも良い反事実思考になるとき、後悔を感じる。その後悔が見込まれるときは後悔を回避した選択を取ろうとする。ただし後悔は今後の選択の修正という意味において意味がある
-無力感とうつの原因 -
買い物するときにすごく悩む自分がマキシマイザーだと分かってよかった。「選択にどう向き合うか」に対する結論がきちんと書いてあって役立った。
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最近は人生の自由度が高くなった。多くの選択肢を持てるようになった。でもそれは幸せにつながっているような気がしない。それは僕には優柔不断なところがあるからなのかもしれないけれど,別に僕に限った話ではないようだ。選択しなくて済むならどれだけありがたいか。本当に。それでも,他人と比較せずに自分の幸せに注意を向けたりして,選択をしていきたい。
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選択肢があればあるほど幸せとはかぎらない。
いつも最高の結果を求める“マキシマイザー"、「ほどほど」でよしとする“サティスファイサー"。
「人間は順応する」「一つの決断は人生を一変させることは実際にはほとんどない」「現状について、感謝の心を持ち、恵まれていると感じるようにする」
最後に楽しい体験する