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本 ・本 / ISBN・EAN: 9784270101230
感想・レビュー・書評
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2015年12月22日読了。阿刀田高が選んだ、「恐怖を感じる短編小説」13編のセレクト。戦後の匂いを感じるクラシックな印象の作品が多く、なかなかに味わい深い。直接的な恐怖を描く作品は少ない(あるいは、ない)が、ホラー小説ではなく恐怖小説、と考えると納得もするか。ベストは葉山嘉樹「セメント樽の中の手紙」、これがプロレタリア文学として書かれた作品と考えるとゾクッとするものがある。江戸川乱歩「芋虫」、野坂昭如「マッチ売りの少女」などもよかった。あとは、まあ雰囲気を愛でる作品かな・・・?半村良の「箪笥」のような、わけがわからないが直感的に背筋に響くような作品をもっと入れてほしかった気もする。
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最近読み漁ってる阿刀田高が選んだホラー短編集。
柴田鎌三郎、江戸川乱歩、岡本綺堂なんかの文学史でしか見ることのない人たちの短編が選ばれてます。
そのせいもあってか、旧仮名遣いで書かれているものが多くて読みづらかったです( ´-`)
少なくとも趣味の範囲で読みづらい文を読むのはちょっと苦痛でした。
フォローになるけど、話自体はすごくよくできてます。そりゃー名作だしね。
ホラー短編集っていうだけあって、選ばれてる短編はどれもグロテスク、サディスティックな表現が多いので苦手な方は避けたほうがベター。
アレな短編として有名な江戸川乱歩の「芋虫」も入ってます。
初めて読んだけど、、、ノーコメント。
まー強烈な表現で書かれた戦争へのアンチテーゼなのは明白なのに、これが戦時中に発禁になってないっていう事情が面白いっちゃ面白いです。
脱日常を求める方にはおすすめ。自分はそんなことはないので評価は低めで星2つ~。 -
国産のモダンホラーや怪談の傑作アンソロジーを期待したがやや違う趣。江戸川乱歩「芋虫」や半村良「箪笥」など、その手のアンソロジーの常連作品もあれば、武田泰淳「ひかりごけ」や葉山嘉樹「セメント樽の中の手紙」など、元来恐怖小説とはまったく異なるジャンルとして書かれたものもある。共通するのは帯にもあるように「人間ほど怖いものはない」ということ。
このアンソロジーに収録されていなければまず読むことはなかっただろう野坂昭如「マッチ売りの少女」は、内容にも文体にもかすかな嘔吐感を覚えた。
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