カインの眼 (ランダムハウス講談社 ホ 1-1)

著者 : パトリック・ボーウェン 中原毅志

• 武田ランダムハウスジャパン (2008年8月8日発売)

感想・レビュー・書評

[ひろぴさんの感想 · 2019年10月17日]

2019.10.17 読了。

うーん。流行り物、だよね。
映画『SAW』が大ヒットしてパチモノ映画が何本も作られて、っていう物の小説版だねこれは。
映画化されてもふーん、って感じ。

TVショーでした！
っていうありがちなオチじゃないよね？ね？
と思いながら読み進めていて、流石に違うかー、と思っていたらああやっぱり作り物！

ま、結局人が死んでなかったのは救いがある、のか？
いや、一度は死んだと思わされていたんだから良くはないよね。
しかも気持ち悪い処刑ビデオまで見せられているんだから、精神的なショック大きいなんてレベルじゃない。
治療なんてもんじゃない。

で、爆発とかは演出でした！
って言っているけど本当か？
トーマス本気で死にかけてない？

んで、はじめのバスでピーター以外の全員が睡眠薬入りのコーヒー飲んだかどうかなんて分かるかね？
コーヒー嫌いだったり飲めない人はいないの？事前にそんなとこも調べ上げているのかい？

序盤は水分も取れない時点でガチで殺しに来てるよね？
演出とは？

極限状態にも関わらず、性欲だけはすごい数名（主人公含め）。
それがリアルかね？

あと、これは完全に蛇足だけども、訳者さん、ホーマー・シンプソンは知っとこうよ。アメリカの国民的アニメだよ？

[dannerさんの感想 · 2015年8月22日]

中盤以降、色々繋がってくるまでは少し退屈。ラストの種明かしとどんでん返しはそれなりなのだが、実現性の説得力に欠けるというが、驚くというよりもずっこけるという印象。5.5

[lemonandlimeさんの感想 · 2015年7月13日]

「『そして誰もいなくなった』オマージュ」と謳われているが、設定は「クリムゾンの迷宮」のほうを思わせる。作者も「そし誰」はさほど意識していなかったということで、このコピー詐欺はどうだろう。作品の評価をいたずらに下げることに繋がっていると思う。
犯人の肖像は早々に割れ、(「こいつの正体は何なのか？」という疑問はあれど)フーダニット、ハウダニット要素はほとんどない。ミステリというより、サスペンス。特に前半がまだるっこしいが、半ば過ぎて参加者たちが37564を意識し始めた頃からは面白くなってくる。そして衝撃のラストが…。
このラストは本当に衝撃的。びっくり仰天しない人はいないと保証する。ただ、それは必ずしも、いい意味での「びっくり」ではない。
「絶対的にダメ」ではなく、「必ずしも『良い』とは言えない」。このニュアンスを、どうか汲んでいただければと思う。本書に何を期待したかで、始球式から感動長編まで、読者の反応は分かれるのではないだろうか。個人的には、本来ならば始球式寄りだが、力技で悪口雑言の口を半分ふさがれてしまった感じ。
主人公トーマス・リンカーンの子供時代のエピソードが印象的だった。つまり、けっして駄作・失敗作のたぐいではないんだよなあ。
ただ、こんなコテコテの設定にもかかわらず本書が超マイナーなのには、しかるべき理由があったのだとわかった。

2015/7/11～7/13読了

[ろーれるさんの感想 · 2011年2月24日]

昔見た、映画『セブン』を思い出した。長編（５９２ページ）だが、すらすらと読めた。

[akatenkobanさんの感想 · 2008年8月31日]

『そして誰もいなくなった』 のようなミステリを、現代で、違和感なく構成するための仕掛け−−−多額の遺産を持つ統合失調症（最近こういうらしいですが御幣を恐れずわかりやすく言うと多重人格）の男性、その主治医で医学会を牛耳る大物精神科医、巨大テレビ局の手がける素人参加の番組、その番組出演者に選ばれた10人の過去に秘密を持つ素人たち−−−と、その仕掛けを機能させるための伏線のためにトリック重視に陥りそうになりながらも、主人公のトーマスを初めとする出演者たちの複雑な性格の丁寧な描写など、若干不完全燃焼ながら、けっこう楽しんで読みました。