マルクス・エンゲルス全集 4

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  • Amazon.co.jp ・本 (749ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784272000401

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  • 7月に​映画「マルクス・エンゲルス」​を観た。私にマルクス主義を語る自信は無いが、映画を語る資格はあるだろうと思うので言うが、決して褒められた作品ではない。マルクスは一旦友だち付き合いをしてきた、ブルーノ・バウアー、カール・グリュ-ン、プルードン、ヴァイトリング等々の所謂世直し思想家たちを、手のひらを返すように批判・罵倒していくというのが、主なストーリーなのである。そのことが大きな意味を持っていると、今は知っている私にはまだ観る事が出来る作品だったが、万国のプロレタリアートには、とってもわかりにくい、或いは不快な作品だったのではないか?と思っている。ただ、私は刺激をもらった。もう何十年も本棚の肥やしになっている「マルエン全集」を紐解きたくなった。当時の建物、服装、二月革命前夜。私は、正義者同盟を共産主義者同盟に変革したマルエンの思想の雰囲気を少しだけ辿りたくなった。マルエン全集は、マルクス・エンゲルスの最初の共同著作(ブルーノ・バウアーを批判した)「聖家族(批判的批判)」を読んでそのまま挫折して以後読んでいない。よって、この4巻目は初めて箱を開けた。この数十年の歳月は決して無駄ではなかったのかもしれない。幾らかわかるようになったのである。

    「クリーゲに反対する回状」(マルクス・エンゲルス)
    マルクス・エンゲルスの「真正社会主義」批判の分かりやすい主張の一端。ニューヨークで出されている雑誌が「共産主義」の主張ではない、と証明している。この反対決議に、独りヴァイトリングだけが反対したのが、映画を観ていると、成る程と思うのである。第一節「共産主義を愛の夢心地(のたわ言)に変えている」では、革命を「人類愛」で達成しようとしている事を徹底批判した。その主張は現代でも時々出てくる(公明党とか)。そのあとに、共有財産の戦術が如何に空想的か等も描かれる。
    世の中の不平等を人類愛で解決しようとする企てに対する批判は、真に労働者の立場に立てば私たちでもわかる気がする。それを哲学的、経済的に証明しようとすると、突然むつかしくなる。マルクスは、その「証明」を生涯をかけて証明していくのであるが、この時はともかく批判から始める。

    「哲学の貧困」(マルクス)
    プルードンの「貧困の哲学」は、このパンフによって、永遠に鉄槌を下された。この書物を読むと、価値を使用価値と交換価値に分けたのは、プルードンだった事を知るのである。しかし、そのあとはマルクスの商品論に移る。私はずっと「哲学の貧困」は哲学論だと思っていた。しかしその大部分は経済学論だったのである。その分析の結果としてプルードンは「労働組合運動は政治運動をするべきではない。ストライキなんてもってのほかだ。」という。その言説に向かいマルクスは高らかに非難する。
    「社会運動は政治運動を拒否する、と言ってはならない。政治運動であって同時に社会運動でないものは、絶対に存在しない」(190p)150年以上経っても、今だに日本では同じ事を言われているのである。この時のマルクスの「徹底した批判」が如何に重要だったか、それだけでもわかる。

    この本には有名な「共産党宣言」もあるが、その先駆形エンゲルスの「共産主義の原理」もある。ざっと読んでみて、違和感を覚える所もあるが、ここでは展開出来ない(あまりにも長くなる)。「宣言」は、マルクスとエンゲルスの共同著作である。映画では、2人に加えて、2人の妻たちと夜を徹して作ったことになっている。マルクスの悪筆は深刻だったから、そうしないと間に合わなかったのだろう。名文は、こういう時に生まれるのだろう。「宣言」については、ここでは展開しない(あまりにも長くなるし、この本は20歳の頃不十分ながら勉強したという自負がある)。

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著者プロフィール

1818-83年。ドイツの哲学者・経済学者。主な著書に『ドイツ・イデオロギー』(1845年)、『共産党宣言』(1848年)(以上、エンゲルスとの共著)、『資本論』(1867-94年)ほか。

「2020年 『ルイ・ボナパルトのブリュメール18日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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