この経済政策が民主主義を救う: 安倍政権に勝てる対案

著者 :
  • 大月書店
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感想 : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784272140626

作品紹介・あらすじ

改憲に突き進む安倍政権のもとで、これから景気はどうなっていくのか? 対抗する左派・リベラル派は何をすべきか? 人気の経済学者による経済予測と「勝てる」提言。

感想・レビュー・書評

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  •  今の日本に必要は経済政策はこれだ。
     
     たくさん国債を発行しお金を刷り、そのお金を福祉や雇用にあてる。アベノミクスの一の矢と二の矢は正解だが足りず、三の矢は間違いというのがこの本の主張。これって森永卓郎さんが言ってることと同じかな。ヨーロッパの左派政権もだいたいこの方法を取っているらしい。そういえば日本は保守右派の安倍政権が左派リベラルの経済政策をしてる不思議な国だって誰かが言ってたなぁ。
     産業が普通に回ってれば、理論上はお金はガンガン刷れる。このへんが分かるようで今いちしっくりこない。もっと勉強したい。
     

  • 「経済学の世界では 「短期 」の成長と 「長期 」の成長は違うことを指すもの」という知識を得られたのが収穫。

    引用
    「新しい古典派の経済学は 、たいてい最初から 、完全雇用がなされていることを前提してお話ができています 。これをそのまま現実に当てはめると 、世の中に実際に見られる失業者はみんな 、 「こんな賃金じゃ働きたくないわい 」と言って好きこのんで失業している人たちであるか 、さもなくば 、人手不足の職業があっても技能のミスマッチでそこに移れない人たちであるか 、どちらかだということになります 。働く意思も能力もあるのに雇ってもらえない人がいるということは 、最初から想定されていないのです」

  • 非常に興味深く、量的緩和での予算を福祉、教育、研究開発に注ぐべきとは現在でもまだまだ推進するべき政策と思うが、4年のブランクでの言説はさすがにデータや検証も古くなってしまう。書籍よりもテレビ、ラジオ、ネットなど、即時性のメディアでこそ展開すべきだろう。

  •  リベラル左派は稚拙なアベノミクス批判じゃなくて、ちゃんと経済政策を考えて、アベノミクスを超える経済政策を打ち出そうと主張してる本。松尾匡のネットでの活動や言説を知ってる人にはそれほど目新しい事は書いてないが、初めて知る人には、松尾匡経済学入門として最適な本だと思う。

     本書が提唱する経済政策は日銀と政府は協力し合って、政府が発行する国債を日銀が直接引き受けを行い、引き受けた分の資金を使って、政府は医療・福祉・教育に財政支出を行う「財政ファイナンス」をして、日銀はインフレターゲットを過熱した分のインフレ対策に使えという内容である。『不況は人災です』の時のインフレターゲット中心の政策を松尾匡.ver.1.0とし、Modern Monetary Theory (MMT)に接近してる現在の立場を松尾匡 ver.2.0とすると、本書はその中間の松尾匡.ver.1.5.と言ったところか そのあたりの松尾の経済政策の変遷を見られておもしろかった。

     松尾匡の提言にはほぼ賛成であるが、気になるところがあった。医療・福祉・教育に財政支出をしろというには賛成だが、それらは長期的な戦略であり、短期の景気対策としてはあまり向いてないのでは? 現在のデフレ傾向を克服するには産業構造を考えて、公共事業といったインフラ整備の方が乗数が高く、速効性が高いのではという疑問がある。そのところの乗数の議論が行なわれておらずに不満。多分よく言われる公共事業供給制約仮説を考えて、公共事業があまり効かないと考えてると思うけど、そこのところを書いておくべきだと思う。個人的にはインフラ整備にも財政支出しろが正解だと考えてるがどうなんでしょう?

     あと政策パンフレットとしての本として仕方ないかもしれないが、赤旗みたいな"ですます"調が鬱陶しいし、出てくる人物にすべてに"さん"付けしてるのはなんか気持ち悪い。その点はマイナスして個人的には10点満点中で7点、政策パンフレットとしては9点といったところである。

    評点:7.5点/10点。

  • 安倍政権に批判的な人こそ、読むべき内容である。欧米のリベラル派は、金融緩和策や財政出動に好意的な人が多い。欧州共産党が、金融緩和を欧州中央銀行に求めていることには驚いた

  • 弟に「読んでみて」ともらった本。

    別に安部首相支持ではないが、第一章のアンチ安部首相の書き方が「思う、だろう」の主観的主張が多すぎて、読みづらいなと感じ、肝心の経済対策の所では、健全財政派の私は、金融緩和派の著者と合わないと感じる。失敗した例はいくつもあるが、うまく行った試しがない、そもそもグローバル社会でこんな事をやれば円なんかすぐに信用されなくなる。

    とは言え、勉強になった点もあり
    ・投資をしているものの、あまり政治の流れを考えてなかったな。選挙、消費税増税タイミングなどを考慮して売買せよ
    ・著者の主張がヨーロッパでは結構な支持をされているんだな

    通常他の多数の国は左派が金融緩和を主張し、現政権を倒す構図だが、日本は政府がこれをやっているので、本来景気刺激策で与党を倒そうとする野党は主張することが無くなり、日本の野党はパッドしない事になっている論。

  • 経済に詳しくないので、この本がどれだけ正しいかは言えないが、非常に面白く読めた。安倍さんは改憲をするために経済で成功することを目指している、その経済政策は「アベノミクス」と名付け、少なくともそれは一時的にはうまくいっているということ。安倍さんが行っている金融緩和は欧米の左派リベラル派が行っている反緊縮政策であれこと。だから左派リベラル派の論客であるクルーグマンやスティグリッツ、アマルティアセン等に支持されているということ。一方、金融緩和でできたお金を福祉や医療や教育や子育てに回さず、消費税増税に回すと、将来必ず景気は後退する。しかし今年の選挙で自民が大勝すると、今後何が起きても何も言えなくなる可能性がある。この選挙は民主主義を守る闘いであるが、経済面で闘わないと負けてしまうという主張である。今の政権は、これまでの政権と違い、ある意味、ものすごく賢い、そして本気度が違う。私達が、それを上まらないと勝てないということである。

  • 面白かった。
    私は経済には疎いが、それでもよくわかった。
    2016年の参院選で自民党を打ち負かすには戦争法反対だけではダメなのだ。
    リベラル陣営にこの本の主張が届くことを祈る。

  • データを元にしてる部分は、非常に納得する部分があるけど、結局、それじゃ勝てないんでは?と思ってしまう内容だった。

  • 著者 松尾 匡(まつお ただす)
    ジャンル 経済・経営
    出版年月日 2016/01/20
    ISBN  9784272140626
    判型・ページ数 4-6・256ページ
    定価 本体1,600円+税
    http://www.otsukishoten.co.jp/book/b214189.html

    【目次】
    はじめに [003-012]
    目次 [013-016]

    第1章 安倍政権の景気作戦――官邸の思惑は当たるか? 017
    1 安倍首相の野望実現に向けたスケジュール 018
    2 安倍政権下の景気の現状027
    3 賃上げから消費につながるか042 

    第2章 人々が政治に求めているもの 059
    1 不況でどれほど人々が苦しんできたか 060
    2 不況に苦しむ人々に見放された「市民派」の迷走 069
    3 不況を恐れる世論をつかむ安倍首相 076
    4 安倍首相の「次の一手」 080

    第3章 どんな経済政策を掲げるべきか 093
    1 緩和マネーを福祉・医療に使って雇用拡大! 094
    2 悪性のインフレにはならない 102
    3 長期金利高騰も国債暴落も起こらない 111
    4 「歯止め」としてのインフレ目標 116
    5 なぜプラスのインフレ目標を掲げるのか 120

    第4章 躍進する欧米左派の経済政策 129
    1 スウェーデン社会民主党政権の金融緩和政策 131
    2 ヨーロッパの左翼は量的緩和プラス財政支出を訴えて躍進 135
    3 中央銀行の財政ファイナンス論は左翼の標準 144
    4 欧米左翼の経済政策は経済学者にも支持されている 148

    第5章 復活ケインズ理論と新しい古典派との闘い 157
    1 ケインズ経済学の登場と衰退 158
    2 流動性選好説で復権したケインズ理論 164
    3 日本における緊縮とリフレ 175

    第6章 今の景気政策はどこで行きづまるか 191
    1 欧米左派の大物論客は何に賛成し何に反対しているのか 192
    2 安倍政権の経済政策の3つの矛盾 200
    3 その他の批判すべき点 220
    4 残されたチャンスはいつまでか 226

    むすびにかえて(2015年12月5日 松尾匡) [237-242]

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著者プロフィール

1964年生まれ。金沢大学経済学部卒業。神戸大学大学院経済学研究科博士課程修了。現在,立命館大学経済学部教授。専門は理論経済学,マルクス経済学。主な著書に『セイ法則体系――マルクス理論の性格とその現代経済学体系への位置づけ』(九州大学出版会,1996年),『標準マクロ経済学――ミクロ的基礎・伸縮価格・市場均衡論で学ぶ』(中央経済社, 1999年),『近代の復権――マルクスの近代観から見た現代資本主義とアソシエーション』(晃洋書房,2001年),『マルクスの使い道』(共著,太田出版,2006年),『経済政策形成の研究―既得観念と経済学の相克』(共著,ナカニシヤ出版,2007年)、『[図解雑学]マルクス経済学』(ナツメ社、2010年)、『これからのマルクス経済学入門』(橋本貴彦と共著、筑摩書房、2016年) 、ほか。

「2021年 『最強のマルクス経済学講義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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