台湾がめざす民主主義 強権中国への対立軸

  • 大月書店 (2022年5月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784272211265

作品紹介・あらすじ

コロナ感染症への迅速な対策、「台湾有事」回避への柔軟な姿勢――。注目度が高まる台湾の透明な行政と市民参加、多様性はいかに形成されたのか。オードリー・タン氏の歩みと重ね台湾の民主主義の姿を中国・香港との緊張関係とともに描く。

[目次]

第1章 台湾が直面する中国の脅威
1 「アジアの孤児」――台湾の悲哀 
2 「台湾有事」の可能性 
3 中国版「ハイブリッド戦」と台湾の対抗戦略
topic 台湾のメディア事情

第2章 オードリー・タンの軌跡――民主主義の進展とともに歩む
1 「強制から解放されたアナーキズム」をめざして
2  コロナ対策で際立った透明な行政への信頼――オードリー・タン氏に聞く
3 子どもの特性を尊重する大切さを親として学ぶ――タン氏の父・唐光華さんに聞く
topic 台湾の教育に芽生える変化――実験学校の挑戦

第3章 台湾がめざす民主主義のかたち――透明性と市民参加
1 市民の信頼を培う「ガラス張りの行政」
2 社会を前進させていく若者の政治参加
3 ジェンダー平等の政治が社会を変える――「クオータ制」実施から女性議員4割へ
4 市民の声で変わる政治――民意を反映させるシステムの構築
5 アジア初の同性婚の法制化――ジェンダー平等への意識の変化
topic 原住民族の権利回復と差別の現在

第4章 台湾の民主主義のゆくえ――香港「国安法」の波紋のなかで
1 台湾「ひまわり学生運動」と香港「雨傘運動」――民主を求める二つの運動の明暗
2 香港政府への抗議デモが強めた二人の絆――ある若いカップルのたどった日々
3 国安法がもたらした心の傷と分断
4 国安法と仕事との狭間で苦しむ人々――脅かされる日常
5 加速する経済の「中国化」――国際金融センター香港の黄昏
6 押しつぶされる自由――報道・表現・宗教
7 国安法に立ち向かう、新たな民主化運動の模索

感想・レビュー・書評

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  •  中国の脅威、唐鳳の生い立ち、台湾政治の透明性や市民参加、国安法前後の香港と、本としてはまとまりがないが読みやすく、各側面が分かると言える。台湾に好意的な一方、台湾が抱える課題や安田峰俊が書くような香港デモの複雑さの記述はわずか。
     著者は台湾の課題には多くの紙幅を割いていない、と明言している。台湾で先行している事例を紹介することこそ日本社会の発展に役立つ、との著者の思いは分かるが、たとえば台湾で民意が政治に届きやすい理由を「台湾人の強い自負」のためとするのはやや単純化しすぎではないか。より掘り下げてほしかったが、研究書ではない限界か。
     中国の脅威につき、軍事面よりもフェイクニュースや経済的圧力、浸透工作を展開、という指摘は日本で十分に認識されていないように思う。

  • 桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/volume/1310144

  • 国立女性教育会館 女性教育情報センターOPACへ→https://winet2.nwec.go.jp/bunken/opac_link/bibid/BB11537469

  • 【電子ブックへのリンク先】
    https://kinoden.kinokuniya.co.jp/muroran-it/bookdetail/p/KP00065858/
    学外からのアクセス方法は
    https://www.lib.muroran-it.ac.jp/searches/searches_eb.html#kinoden
    を参照してください。

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著者プロフィール

朝日新聞記者。1972年生まれ、中国の瀋陽駐在をへて、2020年9月から台湾支局。


「2022年 『台湾がめざす民主主義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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