ブランドなんか、いらない

制作 : Naomi Klein  松島 聖子 
  • 大月書店
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本棚登録 : 101
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (458ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784272330614

作品紹介・あらすじ

モノづくりから遊離した「ブランド」の魔力は、いかにして地域経済と文化を破壊し、公共空間を浸食したのか。地球上を自由に移動する多国籍資本は、なぜ途上国と先進国の双方において雇用破壊と貧困を広げるのか。私たちの労働、文化、そして民主主義を蝕むニューエコノミーの弊害と、それに対抗する国際的な抵抗運動のうねりを活写し「反グローバリズム運動のマニフェスト」と評された世界的ベストセラー、待望の復刊。2007年アメリカ社会学協会での講演「『もうひとつの世界』の実現をめざして」を新たに収録。

感想・レビュー・書評

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  • 物作りをやめてイメージを売るグローバル企業を鋭く批判します。ナイキやスタバといった国内でも人気のブランドが実は開発途上国の搾取工場、児童労働に支えられている現実を豊富なデータに基づいて論証、世界各地でわきあがる反グローバル運動も紹介しています。アベノミクスに踊らされる前に是非読んでおきたい労作だと思いました。

  • うーん、一回読んだだけでは3割くらいしか理解できない。
    キーワード:消費社会、イメージ、ブランド、記号論。

    <メモ>
    【1.No Space 奪われた公共空間】
    文化と教育がマーケティングに取り込まれた経緯

    ・24 企業にとって本当の仕事は製造ではなくマーケティング(ブランド・イメージ)をつくること。今日有名メーカーの多くは製品を作っておらず、よそから買ってそれを「ブランド化」している。

    ・28 広告の氾濫により、ますます多量に強力な広告を打たなければいけなくなる。消費者はゴキブリと同じ。殺虫剤をかけ続けると、そのうち免疫ができてしまう。

    ・40 企業は製造・製品といった物質的な世界から自由になろうとする。そんなつまらない仕事は、期限通り低予算で製品を作っていればいいだけの下請けに任せればいい。本国では一番大事なビジネス、ロゴをつけるだけでごく普通の商品に意味を吹き込めるほどの、強大な「ブランド神話」を作り出すことに専念する。

    ・103 学校進出するブランド
    強制的に見せられるブランドCM(ブランドが寄付したテレビだから)
    ショッピングモール化する大学。学生はお客様→日本と一緒だな!!


    【2.No Choice 奪われた選択肢】

    【3.No Jobs 奪われた仕事】
    マクドナルド式雇用システム・外部委託・パートを含む雇用形態の変化

    ・231 サービス業と小売労働者の増加。低賃金で不安定な職。労働者を子供扱いする企業。ブティックやデパートで服を売るアメリカ人の数は、それを作る人の4.5倍。

    ・247 マイクロソフトのハイテクフリーランサーを例に、「自分ブランド」の確立の必要性。ニューエコノミーで成功しようとするなら、雇われ人ではなく、個人事業主になり自分自身のブランドを持たねばならない。→つまり嫌でもみんなノマドになる時代が来る、ってことなのか。。

    ・テレビ局等人気の就職先での無給インターン。若者をただ働きさせる。インターンできるのは裕福な家庭だけ。就職するのもお金がいる。

    ・低賃金のサービス業ではパート労働者が商品を盗むことも珍しくない。

    ・不安定である一方、自由を感じている若者もいる。

    ・工場での搾取

    【4.No Logo そして反撃は始まった】
    企業支配に代わる新しい社会を求める人々の運動

    ・270 カルチャー・ジャムという、広告をパロディ化してメッセージを変え、広告を乗っ取る手法。マーケティングは金の力で公共空間を乗っ取る。自分たちは公共空間で強制的に見せられるものに抵抗する権利があると主張する。

    ・326 労働者と消費者の分離
    自由貿易地域の下請け工場はミッキーマウスのトレーナーを自国民には売らない。労働者にはその商品を買う人について一切知らせず、消費者には購入するブランド商品の作り手について絶対に教えないことが重要だ。大企業は、途上国の労働者と先進国の消費者が連携することはないと考えるが、活動家は、ブランドがいかに金を持っているかを製造者に伝え、製造者の苦難を先進国の消費者に伝える。

    ・341 マイケル・ムーアのドキュメンタリー「ザ・ビッグ・ワン」

    ・347 ブランドに洗脳された先進国の子供たち(親は下請けに仕事を奪われているのに・・・)
    この靴のイメージにあやかりたいという気持ち。
    彼らには、ロゴの力を借りずにどうしたら自分に自信が持てるのかわからなかった。

    ・400 企業と活動家の攻防
    「見せかけの環境重視(グリーンウォッシュ)」に対する反感

    ・408 搾取されている労働者自身が立ち上がる必要性
    支援とは、魚を与えるのではなく魚の釣り方を教えること

    ・422 開かれかけた第三の道の例
    1973年チリ 9.11事件についての前大統領リカルド・ラゴスの講演
    全体主義的な共産主義でも極端な資本主義でもない道
    アジェンデ政権

    1989年ポーランド 自主管理労組「連帯」の選挙での勝利
    真の社会主義を求めた。
    1981年に採択された経済政策
    「中央集権を排除し、労働者にそれぞれの職場を運営させるシステム」→莫大な負債によって実現しなかった。

    1989年中国 天安門事件 鄧小平政権による経済改革による経済格差に対する反抗、人民の意見を聞け

    1994年南アフリカ アフリカ民族会議(ANC)政権誕生
    鉱山・銀行・独占産業の国営化。南アフリカの遺産ともいえる鉱物資源などの国家的財産は、国民の手に返されねばならない。

    ★出てきた企業(ブランド)
    カルバン・クライン、トミー・フィルヒルガー、ギャップ、ベネトン、アディダス、ナイキ、イケア、ボディショップ、ペプシコーラ、スタバ、マクドナルド、ディズニー、アップル。

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784272330614

  • 思った以上の文章量でかなり時間かかってやっと読み終わりました。
    邦訳ですが言葉に違和感は感じませんでした。退屈はしませんが、それなりに気合は必要かと思います。読む価値はあります。

    主に多国籍企業をターゲットにブランドイメージばっかり作り上げて商品を作ることをまともに行ってない、あるいは途上国に工場おいてものすごい安い給料と劣悪な環境で現地の労働者使ってる企業への批判と、活動家たちの戦いの変遷が主な内容です。

    まず最初の問題は、ブランド広告に毒されていない公共のスペースの消失です。公共の空間にすら広告が入り込み企業のマーケティングを助けている現状、そしてそれが学校という聖域にまで及んだとき、人々の反発が爆発する、という歴史が世界各地で繰り返されてきています。
    そういった企業は市場の独占を目論んでおり、それにより消費者側の選択権はどんどん狭められているという問題、そしてそのような独占につながるマーケティングを可能にするべく資金を稼ぐのは、間接的に行われる工場労働者への非情な対応が元となっています。そこに潜むのは私たち自身の選択権の問題と、第三国での人権の問題、それらを取り締まる法を逃れるべく、多国籍企業は次から次へと製造国を変えている現実。

    市民の草の根の活動は確かに効果があり、多くの多国籍企業に行いを改めさせ、公共の空間を取り戻してきました。それについても多くの事例が示されており、それは非常にポジティブなものです。しかし未だにナイキもマックもリーボックも若者の中でクールなブランドであるのは確かです。」

    ブランドに対する攻撃は別のブランドを助けることにもなっている、という事実は一転して市民をがっかりさせるものです、しかしこの問題において大事なことは知り、考え、自分自身で選択をすることなのでしょう。値段もブランド化の一つのファクターでしかないのです。
    私が手にしている、この商品はどこでどのように作られ、これを買ったことで誰がいくら儲かったのか?いまやブラックボックスとなっているその問題の答えを、自分なりに考えなくてはならないと感じました。

  • 華々しく活躍する「ブランド」の裏に
    潜む問題に焦点を当てた本。

    ブランド・マーケティング、
    単一化される世界の問題点から
    反グローバル化、持続可能な社会を
    考えさせられる内容。

    1章 新しいブランド世界
    2章 ブランドの拡大戦略
    3章 クール・マーケティング
    4章 ブランドの学校進出
    5章 社会運動を取り込め
    6章 増殖するスーパーブランド
    7章 合併とシナジー
    8章 企業による検閲
    9章 見捨てられた工場
    10章 先進国の労働者いじめ
    11章 忠誠心がなくなるとき
    12章 カルチャー・ジャム
    13章 リクレイム・ザ・ストリート
    14章 悪いムードの高まり
    15章 反撃の嵐
    16章 三つのロゴの物語
    17章 地域のボイコット
    18章 ブランドを超えて
    終章 市民がつくる新世界

  • 高城さんが薦めていた本。スタバやナイキについて。

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著者プロフィール

1970年、カナダ生まれのジャーナリスト、作家、活動家。デビュー作『ブランドなんか、いらない』は、企業中心のグローバリゼーションへの抵抗運動のマニフェストとして世界的ベストセラーになった。アメリカのイラク戦争後の「復興」に群がる企業の行動に注目したことがきっかけとなった大著『ショック・ドクトリン――惨事便乗型資本主義の正体を暴く』は、日本でも多くの読者に受け入れられた。『これがすべてを変える――資本主義 vs。気候変動』は、「『沈黙の春』以来、地球環境に関してこれほど重要で議論を呼ぶ本は存在しなかった」と絶賛された。2016年、シドニー平和賞受賞。2017年に調査報道を手がける米ネット・メディア「インターセプト」に上級特派員として参加、他に『ガーディアン』『ネーション』などさまざまな媒体で記事を執筆している。

「2019年 『楽園をめぐる闘い』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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