これからの男の子たちへ :「男らしさ」から自由になるためのレッスン

著者 :
  • 大月書店
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本棚登録 : 1860
感想 : 120
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784272350476

作品紹介・あらすじ

「男らしさ」の呪縛は何歳から始まる?わが子をセクハラ加害者にしないためには?性差別に怒りを燃やしつつ男子2人を育てる弁護士ママが悩みながら考えた、ジェンダー平等時代の子育て論。対談=小島慶子(タレント・エッセイスト)、清田隆之(桃山商事代表)、星野俊樹(小学校教員)

感想・レビュー・書評

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  • 妻子持ちの男性として読ませてもらった感想を書きます。

    薬局薬剤師という職業柄、普段から女性に囲まれて仕事をしています。上司も女性ですし、同僚も女性ばかり。基本、自分だけが男性って状況が多いような職場です。
    そんな環境で15年以上働いていて実感としてあるのは、「めっちゃ女子って優秀やん」って事です。

    この感想自体がステレオタイプ的だとは思うんですが、本当にそう感じる事が多くって「男性の方が仕事に関しては優秀」なんてイメージは、とうの昔になくなりました。女性ばかりの中で働くと男性としては勉強になることも多く、自分が履いてたジェンダーバイアスの下駄も、少しは低くなった気がします。

    職場には子持ちの主婦の方も少なくないです。その方たちの話を聞いてて思うのは、「今って実はここ数年のうちで、1番女性が割りを食ってんじゃね?」ってことです。
    国としては労働人口減少の問題もあるせいで、女性の社会進出を図るように促してますよね。
    そのくせ、女性の家事負担を減らすような政策はしてません。
    仕事もして、家事もやって、じゃねーと国が回んなくなりそうだから、by.日本政府って。

    「ナニコレ、おかしくね?」って思いませんか。

    ボクとしては、企業での女性の地位向上を!なんてワードで誤魔化して、女性になんでもかんでも押し付けてるようにしか思えないんですよね。
    これ、めちゃめちゃカッコ悪いっす。
    もちろん男として、じゃなく同じ人間としてですよ。

    ちなみにボクは、別にフェミニストってわけじゃありません。世によく居るような共感性に乏しい一般的ないち男子に過ぎません。そんなボクですらそう思うわけですから、いかに現状がおかしいか、多くの男性方にも気づいてもらいたいと思うんです。

    3人の息子の子育てに奮闘し、時には涙しながらも、決して弱音を吐かず仕事まで頑張っちゃう。そんな最高の奥さんを持つ一人の父親として、今回は書かせてもらいました。

    なんだかこの本の感想というよりは、単なる自身の主張になっちゃいましたけど、笑って許してくれる人しかこんなの読まないと僕は信じてます。

    本書の内容のようなデリケートかつ、どこで話し合えばいいかわからない話題は、読書から学ぶのがオススメです。
    誰にも気を遣わずに自分の思うままに考えを巡らせることができるので、それはそれは貴重な時間になると思います。

    • たんたんさん
      とても素敵な感想で、思わずコメントしたくなってしまいました!
      この本私もとても勉強になり、男性にもぜひ読んで欲しいなと思うものの内容的に男性...
      とても素敵な感想で、思わずコメントしたくなってしまいました!
      この本私もとても勉強になり、男性にもぜひ読んで欲しいなと思うものの内容的に男性には毛嫌いされそうだな…と思っていたので…
      夫とジェンダー格差の話をしたくてもなかなか分かってもらえず、私だけが自意識過剰なのかな…と自問自答するばかりでした…w
      同じ考えの、特に男性の方がいらっしゃるということに少し勇気がでました!
      2020/11/17
    • ゆる薬剤師カシオペイアさん
      たんたんさん、コメントありがとうございます!
      日本はどうもジェンダーバイアスに関してとても理解がない国らしいので、ボクらの世代で変えていきた...
      たんたんさん、コメントありがとうございます!
      日本はどうもジェンダーバイアスに関してとても理解がない国らしいので、ボクらの世代で変えていきたいですよね。コメントで、こっちこそ勇気もらいましたよー。
      2020/11/20
  • 何気なく読書ブログで紹介されていて、何の気なしに手に取ってみたのだが、これは自分も含めて男性へのジェンダーに対する啓もうが盛りだくさんなのではないだろうか。

    有体な子育て奮闘記やらメソッド紹介といったテイストではなく、論理的に学術的な証拠や事例を交えながら、「有害な男性性」への警句と現代社会人男性軍へのいらだちと諦観、未来の子供たちへの責任といったところを示唆してくれています。恥ずかしい話、自分はジェンダーに平均以上に関心や理解を持っているなどどうぬぼれていましたが、この本から強いカウンターパンチを受け、目が開けた思いです。
    特に、男性は生まれながらに特権を否応なしに持っていることへの無自覚、女性への性的被害に対する無理解、無関心は加担していることと同義なのだという憤り。これは、無意識に傷つけている可能性、女性の尊厳を軽視している可能性を日々意識づけしていないと陥っているのではと思わざるを得ない。

    P85:
    「男性は自分の感情に対する解像度が低い」
    自分の身体的反応と感情が上手く整理・言語化できず、不快感や恐れを弱い立場の女性への抑圧的な態度で一蹴してしまう。これは、感覚的にあるあるかもしれない。
    女性の率直な感情の発露に対して、対等な言語表現ができてないこと多い。ボキャブラリーが単純に少ない感はある。

    P141
    感情ンボキャブラリーが乏しい子どもに対しては、親から「痛くない!」、「~だよね」など決めつけずに寄り添うことが肝要。SST的な方法で、「感情のポスター」で絵文字で自分の感情に近いものを示してもらうなども良い。

    P186:
    エロいは帰属する文化からの「記号化」。どういったものにセクシャルな刺激を感じるかは、人間の本能や先天的な感情ではなくて、環境・文化によって影響受けている。これは、コテンラジオ「性の歴史」シリーズでも再三強調されていたので、ここで思わぬリンクです。
    レイプものや痴漢もののAVに性的興奮を感受してしまうのは、AVなどの外的刺激が役割の一端を担っている。あくまで、ファンタジーという観点を忘れてはいけないし、子どもにも理解してもらうよう働きかけは大切だろう。自分の年少時代はモロに影響受けてたし、だいぶバイアスかかった状態で過ごしていたので社会として是正できれば良いですね。

    小島慶子さんとの対談。これが本書の中で特に痛烈なインパクトを与えてくれました。現代の大人たちにはもう期待してもコスパが悪いと。もう見捨てられている私たちってどうなの、と忸怩たる思いでございます。でも、パパの発言例って自分もあるあるかも。
    ここまで神経張りつめて日々の子育てに挑んでくれているであろう、妻に本当に感謝、だけでなく自分もできる限りバージョンアップした価値観で寄り添っていければと切に感じたところでござい。

    P247:
    男性の特権はジェンダー的差別は声を上げるための責務があるのだ、これも価値観をぶち壊してくれた概念ですね。そうか、当事者で加害者でなくても(もしかしたら無意識でそうなってしまってるかもだし)、声を上げる責任はあるし、そうすべきなのだな。
    後は、女性のマジョリティーの身近な例として、キャリアアップと育児家庭の両立による葛藤、性的搾取に対するストレス(夜道を一人で歩く際の恐怖)、仕事上での扱いの差等々。何か大きな目立つものとしてあるのでなく、日々の中断続的に感じているというところ。

    まだまだ知らないことが沢山あるという予感。その無知は、責任放棄だと言われているように感じます。日々アップデートして、日常の行動や思考を正しく修正していきたいと、強く自分へ叱咤していきます。

  • 半世紀生きてきて幼い頃から「有害な男らしさ」による性差の押し付けや性別による差別に悩まされてきた。ここ数年のジェンダー認識の変化は好ましい流れだが、自分の若い頃にどうしてこうならなかったのか、と思うことはある。とはいえ、自分の周囲にも「有害な男らしさ」に囚われた男子たちはたくさんいるし、それを理解せずに思考が停止したかつての男の子たちもたくさんいる。未来を決めるのはお偉方ではない。偉くもなれず、多くのことに悩まされてきた世代として、この本で「男らしさ」を見直し、これからへの提言としてまとめてもらえたのは本当にありがたく思っている。この本が男子たちにも定番として長く読んでもらえるように。

  • しばらく前に日経で紹介されていて、面白そうと思って読んでみた。

    離婚や性被害を扱う弁護士の筆者(太田さん)は、もともと性暴力に関わる仕事をしたいと思われていたそう。そんな筆者が男の子二人を育てることになり、では性暴力のない社会にするためには、また自分の子供たちが加害者にならないためにはどうしたらいいのかと、実際の子育ての経験を通して感じられたことが書かれており、男の子はもちろん次世代を育てる者として非常に勉強になった。

    ジェンダーバイアスのかかった言動をしないで子供を育てられるかというのは私も課題だが、さらに外部(周囲の人の言動、学校教育、メディア)からバイアスのかかった情報がもたらされるときに、どう適切に対応できるか。

    また男子については、そこで押しつけられる「有害な男性性」を排除し、感情を言語化できるかが課題だという。性差別のある社会では、子供一人一人の個性ということで片付けず(腕白だから仕方ないといったような)、そこにすでにジェンダーバイアスがかかっていることを意識して「学び落とす」ことも必要だとの記述に大きくうなづいた。

    また特権マジョリティである異性愛者の男性が性差別のある社会の現状に気付き、声を上げることこそが重要になるとも。田嶋陽子さんも、「せめて女性に下駄を履かせてくれ」(同じスタート地点に立たせてくれ)と言ってもなかなか男性に理解されないというようなことを書かれていたが、いや男だって苦労してるよという男性には、夜道や満員電車で女性が味わう気持ちや家事育児だ仕事だと悩む気持ちはわからないのだろうなあ。

    一番共感しながら読んだのは、小島慶子さんとの対談。旧世代を教育し直そうとするのは正直疲れるしもう諦めが入っているというお二人。図らずも、某森元総理の女性蔑視発言があり、悪気なく女性差別を繰り返す(学べない)旧世代の典型を見たばかり。子供を育てる世代として、せめて次の世代への負の連鎖を断ち切るよう責任もって立ち向かおうという姿勢に、私も一緒に頑張りますと誓いました。

  • フェミニスト・フェミニズムをバカにする人がいるけど(実際に会ったことはない。ネットではよく見る)、そういう人は本当は、ホモソーシャルにとらわれた不自由な人なんだ。
    そういう人たちが国の実権を握っているのが日本という国の大きな欠陥。
    「男のつきあい」「男どうしの友情」を大切にすることは悪くないかもしれないが、そういう集団は往々にしてホモフォビアやミソジニーになりやすい。(会食してる政治家のおじさん、おじいさんも、そんな感じ。)
    そして何より、実はその人たちを追い詰めているのもホモソーシャルだ、というところが、心に刺さる。
    男だから女より強くなければ、勉強できなければ、立身出世しなければ、妻子を養わねば、弱いところは隠さねば、と頑張ったあげく鬱になったりアルコール依存症になったり、過労死したりしたのではなんのために生まれたのか分からない。
    男も女も、どちらか分からない人も、お互い、弱いところダメな所を助け合って、生きやすい世の中にするためには、相手を尊重して、語り合わなければ。しかし、(日本にいるなら)日本国籍でシスジェンダー(生まれた時に割り当てられた性別と性自認に違和感がない人)でヘテロセクシャルで健康で‥‥という男性は、自分の属性を言語化する必要がないため、感情の言語化が苦手だというあたり(P82~)は、本当にそうだなと思う。
    男は黙ってて、察してやるのが女、上手くおだててその気にさせるのが気の利いた女、みたいなのは、もう終わりにしてほしい。
    読む前は、息子のいるお母さんが読むための本だと思っていたが、「男ってそういうものでしょ」と思い込んでいる大人の女性や、これから男性と仕事をし、男性をパートナーにする女の子にも是非読んでほしい。どんな男性が女性の人生をダメにするか分かる。もちろん大人の男性にも読んでほしいけど、これを手に取る人はかなりさばけているから心配ないわけで、こんなフェミ臭いもの読めるか!という男性に本当は読んでほしい。そういう人は、こういう本を読んでも、頭固いからダメかもしれないけど。

  • 性差別をなくすため、性差別や性暴力の加害者とならないために、どのように考えるべきか、筆者の「男の子の子育て」の経験を踏まえて書かれています。
    男子校出身、男子校勤務、男子の父と、意図せずにジェンダーバイアスを強めてしまっている(生徒や息子に悪影響を与えている)のでは、と自戒の念を込めて読みました。

    性表現を全て批判、規制せよというのではなく、TPOを弁えることが何よりも大切だと感じます。
    個々人の性的嗜好や性行為の在り方などを一律に規制・制限すべきだとは決して思いませんが、それらの行為・表現を目にして傷ついたり不快に思ったりする人もいる以上、その発露の方法には配慮する必要があると思います。

    特にこの本で描かれた「有害な男らしさ」については、自分にも(相手に強制したり、逆に居心地の悪さを感じさせられたり)思い当たる節がありますし、読んでいてしんどくなることもありました。
    この「しんどさ=弱さ」を自覚することが、まずは第一歩なのかと思います。

  • 「らしさ」について新しい着画点をもらえた
    知らず知らずのうちに、刷り込まれ自分もそのように生きてた
    相手にもそのように無意識に接していたり、仕向けていた思う。
    本の中に、刷り込まれが特にひどい年齢を重ねた人より、これからの若い子達、子供たちに向けて発信していかないといけないとあり、確かになと感じた。
    一度自分の中に染み込んだらなかなか価値観、固定観念を変えることができない。
    だからこそ、色々これから学ぶ小さい人には、きちんとした教育が必要だと思った。
    年齢が上の人でも、自分の間違いを素直に受け入れ
    改めることができる社会が望ましいが、そこに労力をかけるよりという点は納得せざるを得なかった。
    男性、女性関係なく日本人が特に読んで、脳のアップデートをしてほしいと読んで感じた。
    子どもができて、知らずに下手なことを教えたく無いと
    思えさせてくれる良本でした。

  • お盆と正月に祖父母の家に行くたびに、従兄弟はファミコン、私を含む従姉妹は食事の準備ということの不満を口に出したことを思い出した。親戚一同、私を奇異な目で見ていた。そのことを昭和の古き良き思い出…なんて絶対に思えない!
    昭和の男尊女卑がまかり通っていた時代に生きた私は、自分自身、特に言動に気をつけなければ…と襟を正す思いだ。

  • 無意識に、男だから、女だからという凝り固まった観念の中で日々生きていることを認識した。また、それを考えずして日常を過ごすことは、差別に加担していると言える。男女それぞれの特権を利用して、差別を解消する言動をとり、新たな社会を構築していくことを勇気としたい。
    2021.3/6-3/9

  • 僕自身「男らしさ」に悩む事が多く、生きづらいと感じる事がよくあります。同世代の友人のほとんどはジェンダーに対して理解がありますが、一部の友人はマイノリティの人に対して関心が少なく、無意識のセクシズム的発言を耳にします。その発言を聞く度に、行き場のなさを感じます。
    この本に関しては、一部腑に落ちない点もありましたが、勉強になったかなと思いました。
    僕自身の行動も見直すべき行動や言動があり、沢山の気付きもあり、実りの多い一冊だと思います。

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著者プロフィール

太田啓子 弁護士

「2022年 『KOKKO第47号』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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