これからの男の子たちへ :「男らしさ」から自由になるためのレッスン

著者 :
  • 大月書店
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本棚登録 : 832
レビュー : 41
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784272350476

作品紹介・あらすじ

「男らしさ」の呪縛は何歳から始まる?わが子をセクハラ加害者にしないためには?性差別に怒りを燃やしつつ男子2人を育てる弁護士ママが悩みながら考えた、ジェンダー平等時代の子育て論。対談=小島慶子(タレント・エッセイスト)、清田隆之(桃山商事代表)、星野俊樹(小学校教員)

感想・レビュー・書評

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  • 妻子持ち(息子3人)の男性(39歳)として読ませてもらった感想を書きます。

    薬局薬剤師という職業柄、普段から女性に囲まれて仕事をしています。上司も女性ですし、同僚も女性ばかり。基本、自分だけが男性って状況が多いような職場です。
    そんな環境で15年以上働いていて、実感としてあるのは、「めっちゃ女子って優秀やん」って事です。

    この感想自体がステレオタイプ的だとは思うんですが、本当にそう感じる事が多くって「男性の方が仕事に関しては優秀」なんてイメージは、とうの昔になくなりました。女性ばかりの中で働くと、男性としては勉強になることも多く、自分が履いてたジェンダーバイアスの下駄も少しは低くなった気がします。

    職場には子持ちの主婦の方も少なくないです。その方たちの話を聞いてて思うのは、「今ってここ数年で1番、女性が割りを食ってんじゃね?」ってことです。
    国としては労働人口減少の問題もあるせいで、女性の社会進出を図るように促してますよね。
    そのくせ、女性の家事負担を減らすような政策はしてません。
    仕事もして、家事もやって、じゃねーと国が回んなくなりそうだから。by.日本政府って。

    「ナニコレ、おかしくね?」って思いませんか。

    ボクとしては企業での「女性の地位向上を!」なんてワードで誤魔化して、女性になんでもかんでも押し付けてるようにしか思えないんですよね。
    これ、めちゃめちゃカッコ悪いっす。
    もちろん男として、じゃなく同じ人間として。

    ちなみにボク、別にフェミニストじゃないですよ。そんなボクですらそう思うわけですから、いかに現状がおかしいか、多くの男性方にも気づいてもらいたい。

    3人の息子の子育てに奮闘し、時には涙しながらも、決して弱音を吐かず仕事も頑張っちゃうような、そんな最高の奥さんを持つ一人の父親として今回は書かせてもらいました。

    なんだか、この本の感想というより、自身の意見になっちゃいました(笑)

    本書の内容のようなデリケートでどこで話し合えばいいかわからない話題を、とりあえず知りたいと思う人は本(読書)から学ぶのはいいと思います。
    誰にも気を遣わずに自分の思うままに考えを巡らせることができるので、とってもとってもおすすめです。

    • たんたんさん
      とても素敵な感想で、思わずコメントしたくなってしまいました!
      この本私もとても勉強になり、男性にもぜひ読んで欲しいなと思うものの内容的に男性...
      とても素敵な感想で、思わずコメントしたくなってしまいました!
      この本私もとても勉強になり、男性にもぜひ読んで欲しいなと思うものの内容的に男性には毛嫌いされそうだな…と思っていたので…
      夫とジェンダー格差の話をしたくてもなかなか分かってもらえず、私だけが自意識過剰なのかな…と自問自答するばかりでした…w
      同じ考えの、特に男性の方がいらっしゃるということに少し勇気がでました!
      2020/11/17
    • ねこじたのヒロさん
      たんたんさん、コメントありがとうございます!
      日本はどうもジェンダーバイアスに関してとても理解がない国らしいので、ボクらの世代で変えていきた...
      たんたんさん、コメントありがとうございます!
      日本はどうもジェンダーバイアスに関してとても理解がない国らしいので、ボクらの世代で変えていきたいですよね。コメントで、こっちこそ勇気もらいましたよー。
      2020/11/20
  • 男の子向けというより、親や教育者、社会のメンバーみんなに向けて書かれた本。子供に「有害な男らしさ」をインストールさせないために、大人は何をするべきか。目新しい話ではないが、日本に住む誰もが考えておきたい重要な論点が盛り込まれている。

    僕自身ドラゴンボールやスラムダンクで育った世代なので、自分の「有害な男らしさ」にドキッとするところもあった。男の子への〈強くあれ・戦え〉、女の子への〈弱くあれ・癒せ〉という呪縛。暴力や我慢よりも対話や配慮ができるように、社会のあり方・接し方を変えていこうよ、という話。

    「中年や初老になってそのようなふるまいを改められない男性に、根本的な考え方を変えさせることはもはや難しいのではないか」
    「大人になってからの教育だけでは遅い」
    せやな…。
    何も「壊れていない」ように見える立場で、それでも世界観を学び直すというのは、とても勇気のいることだ。それができる人は尊敬するし、自分もそうありたいが、多数派が変わるためには子育て・教育・メディアを変えていく必要があるだろう。

    この日本という国で、有害なメッセージをなくすことは難しいかもしれない。せめて、対抗する言葉を子供たちに届けたい。

  • 子供ができたら読ませたい本。
    「これからの男の子たちへ」って言うタイトルだけれど、女の子にも読ませたい!

  • しばらく前に日経で紹介されていて、面白そうと思って読んでみた。

    離婚や性被害を扱う弁護士の筆者(太田さん)は、もともと性暴力に関わる仕事をしたいと思われていたそう。そんな筆者が男の子二人を育てることになり、では性暴力のない社会にするためには、また自分の子供たちが加害者にならないためにはどうしたらいいのかと、実際の子育ての経験を通して感じられたことが書かれており、男の子はもちろん次世代を育てる者として非常に勉強になった。

    ジェンダーバイアスのかかった言動をしないで子供を育てられるかというのは私も課題だが、さらに外部(周囲の人の言動、学校教育、メディア)からバイアスのかかった情報がもたらされるときに、どう適切に対応できるか。

    また男子については、そこで押しつけられる「有害な男性性」を排除し、感情を言語化できるかが課題だという。性差別のある社会では、子供一人一人の個性ということで片付けず(腕白だから仕方ないといったような)、そこにすでにジェンダーバイアスがかかっていることを意識して「学び落とす」ことも必要だとの記述に大きくうなづいた。

    また特権マジョリティである異性愛者の男性が性差別のある社会の現状に気付き、声を上げることこそが重要になるとも。田嶋陽子さんも、「せめて女性に下駄を履かせてくれ」(同じスタート地点に立たせてくれ)と言ってもなかなか男性に理解されないというようなことを書かれていたが、いや男だって苦労してるよという男性には、夜道や満員電車で女性が味わう気持ちや家事育児だ仕事だと悩む気持ちはわからないのだろうなあ。

    一番共感しながら読んだのは、小島慶子さんとの対談。旧世代を教育し直そうとするのは正直疲れるしもう諦めが入っているというお二人。図らずも、某森元総理の女性蔑視発言があり、悪気なく女性差別を繰り返す(学べない)旧世代の典型を見たばかり。子供を育てる世代として、せめて次の世代への負の連鎖を断ち切るよう責任もって立ち向かおうという姿勢に、私も一緒に頑張りますと誓いました。

  • フェミニスト・フェミニズムをバカにする人がいるけど(実際に会ったことはない。ネットではよく見る)、そういう人は本当は、ホモソーシャルにとらわれた不自由な人なんだ。
    そういう人たちが国の実権を握っているのが日本という国の大きな欠陥。
    「男のつきあい」「男どうしの友情」を大切にすることは悪くないかもしれないが、そういう集団は往々にしてホモフォビアやミソジニーになりやすい。(会食してる政治家のおじさん、おじいさんも、そんな感じ。)
    そして何より、実はその人たちを追い詰めているのもホモソーシャルだ、というところが、心に刺さる。
    男だから女より強くなければ、勉強できなければ、立身出世しなければ、妻子を養わねば、弱いところは隠さねば、と頑張ったあげく鬱になったりアルコール依存症になったり、過労死したりしたのではなんのために生まれたのか分からない。
    男も女も、どちらか分からない人も、お互い、弱いところダメな所を助け合って、生きやすい世の中にするためには、相手を尊重して、語り合わなければ。しかし、(日本にいるなら)日本国籍でシスジェンダー(生まれた時に割り当てられた性別と性自認に違和感がない人)でヘテロセクシャルで健康で‥‥という男性は、自分の属性を言語化する必要がないため、感情の言語化が苦手だというあたり(P82~)は、本当にそうだなと思う。
    男は黙ってて、察してやるのが女、上手くおだててその気にさせるのが気の利いた女、みたいなのは、もう終わりにしてほしい。
    読む前は、息子のいるお母さんが読むための本だと思っていたが、「男ってそういうものでしょ」と思い込んでいる大人の女性や、これから男性と仕事をし、男性をパートナーにする女の子にも是非読んでほしい。どんな男性が女性の人生をダメにするか分かる。もちろん大人の男性にも読んでほしいけど、これを手に取る人はかなりさばけているから心配ないわけで、こんなフェミ臭いもの読めるか!という男性に本当は読んでほしい。そういう人は、こういう本を読んでも、頭固いからダメかもしれないけど。

  • タイトルを見ると男の子向けの本かな、と思うけれど、男の子を育てる人たちへ、という内容だと思う。
    清田さんとの対談が一番対話っぽくて違う視点が見えた。

  • 男の子たちに男の子の親たちにぜひ読んで欲しい本。
    ずっと子育て、仕事をしている中で気になっていたことについてきちんとまとめてありました。男の子はバカだな、と思う私の心の中には諦めの気持ちが入っていたことに気付きました。諦めずに男の子たちと向き合っていこう。
    新しい視点で世界をみている、発信できる若い世代が沢山でてきていることに希望を持ちました。

  • う~ん、とても引っかかる。

    ・現在の日本の性教育は、子どもの身を守るという意味でも、将来的な意味でも遅れている。
    WHO等に乗っ取り、幼稚園から開始することが望ましい。

    ここは同意かつ納得。

    ・性は個人的なものである。お互いが尊重される、安全で真剣な場で討議されるべきであり、子どもが一番最初に触れるものはそういうメッセージを含むべきである。

    ここも同意。

    ・現代社会の生きづらさは、過度な男女の役割分担による。男性の生きづらさも変えていくのがフェミニズムのあり方である。

    ここも、まあ、同意。

    ただどうにも納得できないのが、TV、アニメ、コミック等を含む子ども向けの「男らしさ」「女らしさ」の表現と、萌え絵についての苦言。
    宮崎勤から秋葉原まで、オタク=社会的危険人物というレッテルがあった。そのレッテル張りを率先して行ったのは、PTAであり、女性団体だった。
    おそらく、アニメやコミックに親しむ一定世代以上の人間は、あの侮辱を忘れることはできない。
    (そもそも漫画が侮蔑表現だったのでコミックと呼んでいたし)

    そもそも、すべてのTV、アニメ、コミックはフィクションであり、エンターテイメントである。
    作り手の「相手が楽しむことができるか」の相手にマジョリティ以外の対象が入っていれば、当然そこは配慮される。
    作者が何を持ってR-18としているかは不明だが、そもそもR-18の細分化とゾーニングはかなりしっかりしていると思っている。

    AVの内容を真実と思い込む大人に対する性教育の責任がどこにあるか。
    確実にAVの制作陣ではない。これはコミックやアニメも同様だろう。

    実在の物をエンターティメントに落とし込む際、主要な題材以外はある程度の記号化が行われる。
    例えば年配者は白髪と和装、働いていればスーツ、若者は洋装、学生は制服。
    記号化も時代につれて変化するだろうが、まだ現在はその過渡期だ。

    強固にできあがった大人の異性愛者のファンタジーを突き崩すのは、確かに並大抵の事ではない。
    フィクションから変えていこうというのは確かに考えやすいしやりやすい。

    しかし、男性に痴漢に対する毅然とした抗議を求めるならば、女性も男性の性的なからかいに大して毅然として抗議していくべきだろう。
    とても難しいし、不理解もされるし、孤立もするだろうが、男性にそれを求めるならば、女性も行っていく心構えは必要だと思う。

  • 読了。いい本と思う。娯楽として読むのは、しんどい。読む人が広がれば、世の中、良い方へ向かうと感じた。


  • 子どもがいなくても、とても勉強になりました。
    周りの人間の『呪縛』が、有害となる大人を作るなら、わたしたちは次の世代のためにその呪いの言葉を断ち切らなくちゃ。

    お孫さんがいる世代にもぜひとも読んでほしいなぁ。
    あなたの何気ない一言が、今の時代には毒なんだと理解して欲しい。

    あと、ほんとに日本はもっと性教育に力を入れて欲しい。
    やめて、と言われたら一度でやめられるように。
    性暴力をエロとして消費しないように、暴力は暴力として認知される世の中になってほしい。




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著者プロフィール

弁護士。2002年弁護士登録、離婚・相続等の家事事件、セクシュアルハラスメント・性被害、各種損害賠償請求等の民事事件を主に手掛ける。明日の自由を守る若手弁護士の会(あすわか)メンバーとして「憲法カフェ」を各地で開催。2014年より「怒れる女子会」呼びかけ人。2019年には『DAYS JAPAN』広河隆一元編集長のセクハラ・パワハラ事件に関する検証委員会の委員を務めた。

「2020年 『これからの男の子たちへ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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