認知症になった私が伝えたいこと

  • 大月書店 (2014年11月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784272360826

感想・レビュー・書評

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  • 私は認知症について、大きな誤解をしていたのかもしれない
    認知症になるというのは、自分の夫や子供も分からず、これからの人生が閉ざされてしまったような絶望感
    自分勝手にそんな思い込みを抱いていた

    映画やドラマで描かれている認知症も大なり小なりそんな感じだったように思う
    認知症は怖い、認知症になりたくないといった恐怖心を煽ってきた節もあるのではないか

    大学教授や介護者側からの認知症についての発信は多いが、認知症の方本人の発信はなかなかない
    だから、この本を読んで本当によかったと思う

    51歳でアルツハイマー型認知症と診断された佐藤さんが
    10年にわたる日常の変化や思いをメモにされたことを元に再構成された本だ

    克明に記録された日記は、佐藤さん自身の容赦ない変化を正確に物語っている
    もちろんできなくなることや忘れてしまうことが増え、日常生活の混乱も伺えるが、それにも増してそれに対処する工夫に驚かされる
    タブレット端末やスマホ、PCを上手に活用することも
    一手だと教わった
    認知症であることを隠さず、各地の認知症の方々とも繋がっておられる

    常に前向きに、外向きに、自分らしくあり続けたいと努力されている姿に感動した

    私が抱いていた偏見は認知症と生きようとする当事者の力を奪い、生きる希望を覆い隠すものだとはっきり指摘された
    そのような誤解・偏見をなくすために、この本を出版され講演もされているそうだ

    「できる」「できない」だけで人間を語ることはできない
    自分が自分であることは、何によっても失われることはない
    認知症になると、確かに不便だが、決して不幸ではない

    認知症になっても人生を諦めない

    力強い言葉に勇気をもらうと同時に、自分にできることも模索したいと思った

  • 上野千鶴子さんの講演会で紹介されていた本 その⑤

    認知症患者自身が書いた貴重な内容の数々
    でも認知症患者の方がまとまった文章を書けるわけがない
    きっと編集者のかたが書き起こしているのだと思いながら読んでいた

    永田久美子さんが書いた最後の解説で知った
    記憶が途切れていくなかで 自ら書き置いたものや講演会資料 
    語られた言葉などを編集者の方と一緒に「ありのまま」表現されていると

    「消えていく記憶」と格闘しながら 克明に記録しつづけていたからこそ
    この本で多くの人が認知症患者の日常や心の葛藤を知ることができた

  • 認知症と診断されてからもマンションで一人暮らしを続けている佐藤さん。IT機器を活用し、当事者団体や講演なども精力的に行っています。
    発症から診断までの経緯や思い、生活上の工夫が平易な言葉で描かれているので、読みやすいです。
    「買ってはいけないリスト」は、無駄遣い防止にも良さそうなので私も取り入れたい。
    認知症本人の方の意向、性格、生活歴を踏まえた支援が大切だと実感。

  • すごい本だと思う。
    認知症と宣告された患者本人がその10年間(本人が忘れないようにメモを取ったりしたものなどをもとに)の記録から再構築して出版されたもの。
    読み進んで感じたことは、そのバイタリティーと行動力の素晴らしさ前向きさ...etc

    ただ、ぼんやりと日々を過ごしてしまっている私よりもずっとずっと精力的であるということ。
     自分が恥ずかしくなる...。
    佐藤さんの生活スタイルを見習わなくては...
    と思ってしまう。

    著者の佐藤さんは忘れない工夫、生活のしやすさ、など多くのアイデアを生み出しており、断捨離ブーム、ミニマムな生活などを取り上げた本などにも書かれている工夫をすでに行なっており、きっと彼自身がそういうことにも長けていたのだと感じる。

    うまく書けないけど
    きっとどんな人も一人では生きていけなくて、そういう意味ではこの本の中に書いてあることに〜じんわりと心を揺さぶられる〜そんな感じがした。

    日々の過ごし方、生き方、心のあり方...
    そんなことを見習いたいと思ってしまう。...そんな本...

    「佐藤雅彦」氏 
    初めはピタゴラスイッチの佐藤雅彦氏だと思って手に取ったが同姓同名の人だった。認知症のことは少し知りたいと思っていくつか読んでいたけれど、患者さん本人の症状の経過やその工夫などが、もちろん実体験を通して描かれているの読み応えもあるし、目からウロコの部分もある。

    この本に偶然であったけれど出会えてよかったとしみじみ思う。感謝だ!

  • 認知症について、医師や介護スタッフが著したものは多いが、本書は当人が著したもので、いかにも臨場感がすごい。
    認知症になったらとき、「なにができなくなるか」を考えがちだが、佐藤さんは「なにができるか」を考えたという。これは当人だからの感情で、これからの認知症ケアに非常に示唆に富む表現だ。

  • 認知症は病識がなくて自覚がないって言われるがそんな事ないって物語る内容だった。iPadを使うなど工夫すれば継続出来るのは驚いた。

  • 認知症の人の内面的な”感じ”がよくわかる。この人は、いろいろ自分で考えて工夫して一人暮らしの生活を維持している。いわゆる自分の”普通”と地続きでよくわかるところもあれば、あきらかに質的に違うように感じられるところもある。いろいろ興味深い。いずれにせよ、こうして工夫ができるということ、それどころかこの人のようにあきらかに新しい世界(教会やボランティア活動、講演、政治的な活動など)に踏み込むことができている、ということに勇気づけられる。

  • 認知症になったら人生が終わりという話は多いが、認知症になっても大丈夫という話は珍しい。認知症になってもできることもたくさんあるのです。

  • 一人暮らしを継続している若年性認知症になった当事者が、心の持ち方の工夫、生活の中での工夫について私生活をさらけ出して書いている。
    認知症を経験したことのない人が、当事者はどう感じ、どうやって前向きに生きているのか知ることができる数少ない本。
    筆をとってくれたことに感謝。

  •  タイトルの通り、若年性認知症になった当事者本人が書いた本。
     認知症になっても様々な能力が残されているということ、認知症に対する誤解や偏見をなくしていかなければいけないということを主題とする。

     筆者は元IT技術者で、団塊の世代より若いので、「IT機器を駆使して認知症による不便を補う」という発想は、現時点で既に後期高齢者になっているような世代の認知症患者には適用できないかも、とは思う。
     だが、これから高齢になっていく我々世代には、役に立つ知識だと思う。

     また、認知症当事者からの、「当事者はこう考えています」というアピールは、肝に銘じなければいけないと思った。

  •  若年性認知症と診断された著者のメモから、本人の生々しい声(日々の努力と生活の様子、周りへの要望等)がまとめられており、読みやすいです。認知症に限らず、加齢等での衰えに、自らの行動を控えめになる人のなんと多いことでしょう。著者の、積極性はとても良い手本です。

  • 一見するととても聡明な感じがする文章だけど、そうとう編集者(ライター?)の手が入っているからそう感じるだけで、たまに挿入される「ママ」の文章を見るに、けっこう厳しいんだろうなあと推測。
    認知症の特効薬、出ないもんかねえ。

  • 配置場所:摂枚普通図書
    請求記号:916||S
    資料ID:95150425

  • 認知症の人は、こんなことを考えながら生活しているのね!
    (個人差はあるだろうけど)
    将来、親が、自分が当事者になったときに参考にしたい。

  • 916(闘病記文庫・脳1)

  • 遅かれ早かれ 自分も

  • >>>
    人間の価値は「これができる」「あれができる」というゆうようせいで決定されるわけではありません。何もできなくても、尊い存在なのです。
    <<<
    いわゆる弱者と言われる方たちが住みやすい社会は、みんなにとって住みよい社会だと思う。
    あれもこれもできる人が、世の中のためにならにことに力を発揮していることもたくさんあると思う。

    それにしても、著者の佐藤さん、認知症と向き合いながら工夫を凝らして生活していらっしゃいます。行き当たりばったりの私などよりも余程、しっかりときちんと暮らしていらっしゃると思いました。反省しきり。

  • 当たり前ではありますが、思っていたよりも穏やかな生活を送っているようでした。考えてみたら、忘れっぽくなる、動きが鈍くなる、というのは、生きるうえで悪いことでは決してないわけで。老い=悪いもの、であると一般的に捉えられてしまっているような、そんなことを考えた。

  • 認知症への関心が高まる中で、誤解されている事も多い。
    認知症になっても、出来る事は多く、一人暮でくるし出かける事も可能であり、全てを失ってしまう事ではないと当事者である著者が語っているのは説得力がある。当事者が望む事は介護ではなく、本人が望む所を手助けをして行く事だ。

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著者プロフィール

1954年静岡県生まれ。東京大学教育学部卒業後、株式会社電通に入社。グラフィックデザインから表現を始め、CMプランナーとして「ポリンキー」や「バザールでござーる」など数多くのCMを手掛ける。電通退社後はTVゲーム「I.Q」や楽曲「だんご3兄弟」などを発表し大きな反響を呼ぶ。
1999年より慶應義塾大学環境情報学部教授。2006年より東京藝術大学大学院映像研究科教授。2021年より東京藝術大学名誉教授。
『ベンチの足 考えの整頓』(暮しの手帖社)、『解きたくなる数学』(岩波書店)など著書多数。NHK教育テレビ『ピタゴラスイッチ』、『考えるカラス』、『0655/2355』などの番組制作にも携わり、表現についての研究を続けながら多彩な活動を行っている。2013年紫綬褒章受章。

「2025年 『作り方を作る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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