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本 ・本 (192ページ) / ISBN・EAN: 9784272360970
作品紹介・あらすじ
言語学習の体系的メソッドによって聴者には手話を教え、ろう者には手話で日本語文法を指導する、その教授法を公開。ろう者への差別や偏見、手話の世界の問題点にも言及。ろう者と聴者が互いを尊重しあえる社会をつくるために。
【目次】
プロローグ 手話でおこなう日本語講座――聴覚障がい者のサリバン先生として
第1章 ろう者にとって日本語とは――大学入学までの長い道
第2章 日本語が苦手な聴覚障がい者が多いわけ
第3章 知っておきたい「日本語対応手話」と「日本手話」の違い
コラム 日本手話独特の「オーバー」
第4章 「聞こえない」ことの違い――「ろう者」「中途失聴者」「難聴者」「人工内耳装用者」それぞれに異なる大変さ
コラム ドラマや歌の手話
第5章 手話講習会が受講生を苦しめるなんて――「手話の世界」で涙した多くの人たち
第6章 「日本語教師」と「手話通訳士」、二つの資格をもっている理由
コラム 字幕と手話通訳――政見放送の経験から
第7章 手話と日本語の指導に不可欠な言語知識――テンダーメソッドへ
エピローグ 正しい言語知識を広めるために
感想・レビュー・書評
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日本手話と日本語対応手話について、「どちらも『それが自分にとって必要な言語』という人がいて、どちらが優れているというものではない」という筆者の考えに共感した。
また、手話は言語と言いながら、手話講習会で文法の説明などが足りないというのも分かる。
手話を学んでいる人におすすめの本だと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
手話にも2種類あり日本語対応手話と日本手話の違いその人のバックグランドでどちらを使いこなすのか分かれる事。日本語と日本手話は文法的に全く違うから聾者が日本語で筆談する事は外国語を話すようなものだと言う事。聾者と聴覚者の世界の複雑さ。知らない事ばかりだった。著者の鈴木さんの熱い思いと閉ざされた世界のリアルを伝えたいと言う思いと聾者と聴者どちらの世界も良くなる様に尽力されている勇気と行動力は本当にすごいと思いました。図書館で何気なく手に取った1冊でしたが読んで本当に良かったです。これからの社会が表面的な綺麗事じゃなくて色んな意味でバリアフリーな世の中になれますように。心の底から祈ります。
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ろう者の方とは筆記で話せばいいと思ってたけど間違いだとよくわかった。日本手話と日本語対応手話の違いはわかってたけど他の本ではここまで深く互いの違いはわからなかった。テキスト出版お待ちしてます
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日本手話と日本語対応手話の違い、口話という存在、日本語と日本手話は別物であるということ、手話の世界は閉塞的であること、手話教育には人に何かを教えると言う力がとても大切なのにそれが弱いと言うことがわかった。
聴者でありsilentを見て手話について興味が湧いた私にとって、この本はとても興味深かった。 -
まずは、鈴木さんご本人も書いているように「そんなことまで書いて大丈夫!?」と言うのが最初から最後まで持っていた感想。
よくぞ言ってくれた!もあれば、そうだろうか?もある。
ナチュラルアプローチに関する「文法の勉強や間違いの訂正は重視しない」という点は、そうなの!?と驚いた。
確かに入門レベルではそうかもしれないが、慣れた頃には繰り返し教えられたので、ナチュラルアプローチの特徴はそうなの!?と、とても驚いた。 -
手話通訳士であり、日本語教師でもある鈴木さんが、ろう者に手話で日本語を教えるに至った経緯や、現在の手話通訳者養成の不備な点について、忌憚ない考えを綴っています。手話を学ぶものとして、私も思っていることが書いてあり、共感しました。なぜ、手話に英語のような構文の指導がないのか?とか。先輩からこういう言い回しの時は、この手話構文を使ったらいいよ!と現場などで教えてもらい、どうして講座中に教えてもらえなかったのか?と思うこともあります。今後、手話指導の方法も変わっていくと良いと思いました。
著者プロフィール
鈴木隆子の作品





