デジタル・シティズンシップ コンピュータ1人1台時代の善き使い手をめざす学び
- 大月書店 (2020年12月18日発売)
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感想 : 13件
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Amazon.co.jp ・本 (160ページ) / ISBN・EAN: 9784272412594
作品紹介・あらすじ
「情報モラル教育」から、「世界標準」のデジタル・シティズンシップ教育へ。ネットの危険性を叩き込むのではなく、参加型学習によって対話しながらデジタル技術・思考を身につけ、社会を主体的につくる学びへと誘う。
感想・レビュー・書評
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この本が出版されたことによって、ICT文具論やデジタルシティズンシップについてかなり語りやすくなった。必読の書だと思う。
坂本先生は論文で書かれていることをより伝わりやすい形で。
芳賀先生は旧来の日本型ICT教育との徹底した比較からローカライズのヒントを。
豊福先生はTwitterやブログで発信してくださっていることをより精緻に。
今度先生と林先生は日本の授業で扱う場合の具体例を。 -
主権者教育、市民教育というスコープにデジタル教育を位置付ける考え方に納得がいった。デジタル(教材)、というのがツールやらモラル教育やらという形で扱われ、教育の中核との関係が希薄なのが日本の教育の現状だが、交流や自己発信のために活用が有益となる、学びと対象(コンテンツ)そのものであると同時に、アナログをデジタル化して学ぶツールでもあり、それはデジタル機器が生活に不可欠な時代の新しいシティズンシップという観点から眺めると、アナログもデジタルも対立することはなく調和的な学習カリキュラムとして構成できると感じた。日本の遅れを再認識した。デジタルシティズンシップの最新の動向についてキャッチアップしたい。
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昨年度のICT関連の研修で講師の方がおすすめされていた本。
従来の情報モラル教育(メディア使用のルールを守る)ではなく、デジタル・シティズンシップ教育(メディアの使用について自分で行動するスキルを身につける)をすすめることの重要性について述べている。
[NDC]:375.199
[情報入手先]:自校図書館
[テーマ]:ICT関連の本 -
この本は、4章からなるのですが、第1章と第2章は、読む価値なし、といってよいと思います。
「現状の日本の情報モラル教育反対」「欧米のデジタル・シチズンシップ教育万歳」を、言葉を変えて繰り返しているだけなので。
とくに第1章については、肝心なところで、著者の勘違いを発見したこともあり(しかも第1章は誤植も目立ちますし…)、記述の正確性が怪しい、という印象を受けました。
第3章も、第1章と第2章に近い部分があるのですが、数字やグラフを用いた丁寧な説明があり、わかりやすいので、ここから読めば、この本については十分です。
第4章では、具体的なデジタル・シチズンシップ教育の進め方について述べられているので、どういったところを押さえるべきかが、具体的に理解しやすくなっています。
全体的な感想としては、「そもそも日本は、シチズンシップ教育が足りていない」こと、それゆえ、「日本にはシチズンシップ教育が必要である」ことを強く感じました。
また、今から日本でシチズンシップ教育を進めるならば、デジタル・シチズンシップ教育を含めた形で進めるのが筋がよいと思います。
ただ、この本は、「そもそも日本は、シチズンシップ教育が足りていない」ことには、あまり触れておらず、「日本は、教育のICT化が進んでいない。けしからん。日本も教育のICT化を進めるべきだ」という論調で、本来は手段であるはずの「教育のICT化」が、あたかも目的であるかのように書かれており、「デジタル教育推進派による、デジタル教育万歳!」という記述に終始している印象を受けました。
このあたりの「手段の目的化」は、教育のICT化推進派から感じることが多いのですが、それが、教育現場に「教育のICT化」が浸透しない原因の一つではないかと思っています。
「手段の目的化」は、いろんなところで見られますが、デジタル教育推進派の皆さんには、今一度、教育の現場における目的と手段について考えていただいて、現場の先生が理解できる・納得できる「教育のICT化」を検討・提案・推進していただきたい、と思っています。 -
女子栄養大学図書館OPAC▼ https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000055879
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情報モラル教育からデジタルシティズンシップ教育への転換の必要性・違い・価値・方法が分かる。
これからの時代、この本の知識を知った上で学校でのICT活用を推進したいところだ。皆の前提情報になった上で物事が進んでいくことを切に願う。 -
アメリカ発祥のデジタルシティズンシップ、文科省の情報モラル、どちらが良い悪いではなく、これからの未来ある日本の子ども達にどのようにデジタルを取り込んでいくか…深く考えるきっかけになりました。
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情報モラルについて教える時に、やってはダメなことを教える、気づかせることの方が多かった。しかし、デジタル端末を活用して、良さや可能性から考えるという方向性で気づかせ、生徒たちに働きかけていくほうがいいということが効果的だと分かった。
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デジタルを教える時に、やってはダメなことからではなく、良さや可能性から考える、という方向性で考えていくほうがいいということがわかる。
人権、民主主義、主権者、良き社会を創る市民、市民参加、という言葉が出てきて、単にデジタルを使う、消費する側にいるのではなくて、積極的にデジタルを使いこなし、世の中のために役立て、発信する姿、そのための教育が書かれている。
著作権を含めた知財との関わりも同じく、してはいけない、ではなく、正しく活用するにはどうしたらいいかを教えていく、という方向性。
デジタルデバイドを解消することでセーフティネットとなるはずの学校がそうなっていない、(むしろ学校のほうが低い)という指摘もある。
また、アメリカの情報教育基準の解説書は教師、テクノロジーコーディネーターだけでなくて、ライブラリー・メディア・スペシャリスト(司書教諭)に向けても書かれている。
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一人一台端末の実装にあたり、必読の本。
今まで多くの学校で行われてきた情報モラル教育からデジタル•シティズンシップ教育への転換。
端末の教員主導の教具から学習者中心の文具への転換等、これから基盤となる考え方満載。
大人もそうですが、端末って自分でどんどん使ってみないと使い方が身につかない。
これからどんなことが起こりうるか想像できないこともたくさんあるからこそ、子どもたちと共にルールを考え、よりよく端末を使っていきたいですね。
著者プロフィール
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