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本 ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784272612260
感想・レビュー・書評
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閉店したミニシアターBOX東中野館長だった著者が全国の小さくても頑張っている映画館をめぐる本です。
ミニシアターを立ち上げた人にはいろんなタイプがあるのだとわかりました。監督が支配人の映像作家発信型の沖縄桜坂劇場、自分が見たい映画を観たい一心で夫の赴任先で映画館を立ち上げた元映画供給会社の女性が運営する金沢シネモンド、自主上映活動の延長京都RCS、おばあちゃんが残した映画館を守ろうとする三重の進富座、等々。
そのなかに岡山のシネマ・クレールも一章設けられている。題して「映画を愛するサラリーマンがつくった、究極のミニシアター」とある。岡山は自主上映サークル発展型というよりか、一会社員が作った映画館なのです。
館主の浜田さんはほぼ独力で自分が見たい映画館を作った。48歳で大手会社の退職金をすべてつぎ込んだという。「どうせつくるなら、最高の環境を」その拘りには著者も舌を巻く。シートや音響施設が良いだけではない。前の席との高低差があり、座席の横列が湾曲しスタジアムのようにスクリーンを囲んでいるという。そういえば……。きちんとした設計士に新築で作らせた結果である。全国的にも珍しい。
「クレールの年間公開本数は約200本だという。T0H0シネマズ岡南よりも多い。シネマ・クレールがなくなると、岡山で年間200本の映画が未公開になる。町からひとつのミニシアターが消えることが、どれだけおおきな文化的損失になることにどれだけの人が気がついているだろうか」と著者は書く。私も全くの同感。去年の岡山の上映本数を調べてみた。クレール163本。クレール含めてシネコンや映画館の上映本数は合計251本である。クレールがもしなくなれば、岡山で四割の映画が見れなくなるのである。08年には石関館は閉館したが、丸の内館だけは死守してもらいたい。そのためには、先ず映画館で映画を見ようではないか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
80年代からミニシアターへ通って映画を観てきた。そこで出会ったたくさんの映画が今の自分を作っている気がする。昨今こうして通った映画館が次々と閉館していくことをなんとも寂しく思っていた。映画を、とりわけアート系の作品を取り巻く情況は厳しい。けれど全国のミニシアターを見守り育てていくのは、受け手の責任でもあるという当たり前のことをこの本を読んでしみじみと思う。暗闇の中にタイトルが光る、この装丁が素敵。
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沖縄 桜坂劇場
札幌 シアターキノ
名古屋 シネマテーク
新潟 市民映画館シネ・ウインド
伊勢 新富座
金沢 シネモンド
大阪 シネ・ヌーヴォ
京都 RCS -
過去にミニシアターを経営していた著者が全国にあるミニシアターを巡る本です。
映画も好きだし映画館の雰囲気も好きな私。
それでも「ミニシアター」には行きづらい。
でもきっと素敵な場所に違いない。
行きやすい場所があるのではないかと思い読んでみました。
地元大阪にもあり九条が聖地?というのは驚きました。
やっぱり緊張すると思うけれど行ってみたいです。 -
購入:2011/11/23、読了:-/-/-