UNIXという考え方―その設計思想と哲学

  • オーム社
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本棚登録 : 1190
レビュー : 94
  • Amazon.co.jp ・本 (148ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784274064067

作品紹介・あらすじ

UNIXは『OS』ではない。それは『考え方』である。誕生から30年を経て今もなお第一線で使われる古くて新しいOS、UNIXの秘密を解き明かす。

感想・レビュー・書評

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  • UNIX におけるプログラムの開発と利用のあるべき姿を定理という形で述べている。プログラムは小さく、シンプルに、というメッセージが全体を通して伝わってくる。基本的コマンドである ls でさえ、シンプルさが損なわれているとして批判されているのは興味深い。原著が少し古いため、スペックの話などで古さを感じるかもしれないが、本質的なところではないので問題ないと思う。

  • 教員からの推薦図書。
    教員からのコメント:以前、「Life with UNIX」という本を紹介したことがあった。そのときにもいったことがあったかも知れないが、UNIXというのは、単なるオペレーティングシステムではない。思想なのである。
    この点をよくわかっていないと、「なぜUNIXにはパイプとかリダイレクションという仕組みがあるのか」とか、「なぜUNIXはすべてのものをファイルとして表すのか(従って、cat somefile > /dev/tty0 とやれば、画面にファイルの内容を出せる)」といったことが今ひとつぴんとこないかも知れない。
    UNIX(SolarisであれLinuxであれFreeBSDであれば、いわゆるUNIXをご先祖に持つ、あるいは精神的な先祖に持つシステム)は、ほぼ1つの思想を共有している。本書の表現を借りるなら、
    ・スモール・イズ・ビューティフル…プログラムは1つのことを忠実に行えるよう設計されるべし
    ・まず試作を…考えている暇があったら直ちに小さな仕組みから取りかかれ。
    ・効率性より移植性…将来、あるいは別のシステムで使われることを考慮せよ。
    ・データはテキストファイルに保存せよ…テキストファイルなら誰でも読める。
    ・システムを結びつけるならスクリプトを使え…シェルスクリプトは、UNIXシステム最強のツールである。ツールを結びつけるための、生産性向上に役立つ強力なツールだ。
    ・すべてのプログラムはフィルタである…自分のプログラムの入力(出力)は他のプログラムの出力(入力)かも知れない、ことを意識せよ。
    まァ、上のようなことをまとめてしまえば、この本を読む必要もなくなってしまうのであるが、本書は、それがなぜ重要なのか、基本的なところから解きほぐしているところが重要である。
    パイプやリダイレクションなどはあまりに特徴的で、ぴんとこない点も多いかも知れないが、その裏には、1970年代に小さなプログラムしか書くことを許されなかったコンピュータ事情が存在した。そして、その結果として、1つの仕事をまじめにこなすプログラムを組み合わせて仕事をする、というスタイルが生まれたのである。
    これは、いまのGUI全盛のコンピュータ環境とはまったく異なるアプローチかも知れない。Windowsのエクスプローラーであれ、GNOME環境のNautilusであれ、lsやrm、mvが行うことはすべてのこのプログラム1つでまかなえてしまう。しかし、例えば、10000個のファイルの拡張子をすべて大文字から小文字に変える、という仕事をしなければならないとしたらどうだろうか。愚直にエクスプローラーでやってもよいが、そんなことはコンピュータに任せればよい。シェルスクリプトであれ、Perlであれ、十数行のスクリプトさえ書けばあとは実行するだけで終了だ。そして、そのスクリプトは再利用がきく。
    UNIXというのは、このような仕組みを備えた思想を具現したシステムなのである。それを学ぶことは、将来コンピュータというものを使っていくときに、ただ漫然とブラウザとエクスプローラーだけをさわる人生になるのか、自分で使える道具を組み立ててコンピュータを使いこなせるようになるのか、その大きな違いを生むことになる。少なくとも「そういうことを知っている」だけでも大きな違いだろう。
    本書は、他のシステム(例えばMS-DOS)などとの比較を通して、UNIXの特徴、そしてその思想を浮き彫りにしていく。内容も平易で、UNIXシステムに触れた1年生でも十分に読みこなせるくらいである。ただ、若干内容が古いのが難点である。本書で比較されるOpenVMSやMS-DOSは80年代のシステムなので、その点がちょっといまの読者には難があるといえるところであろう。
    しかし、UNIXシステムですら巨大なウィンドウシステム(GNOMEやKDE)の皮をかぶり、インタフェースがみえにくくなってきているいまだからこそ、この思想を受け継いでいくことが大切なのである。それは、巨大なプログラムを書くときにも必ず移化されてくる。そして本書を読み終わったとき、実はUNIXは、この社会を忠実に反映したシステムである、ということに気づくであろう。薄い本である。ぜひ読破にチャレンジして欲しい。

  • 結構前の書籍だけど、UNIXの不変的な考え方の本なので、読み物として面白かった。

  • ソフトウェアは、小さく、少ない機能で、柔軟性、移植性を持って書き、人との対話よりも、ソフト同士の連結性を重視して、書くべし、、、というUNIXの思想を具体的事例を交えて説いてくれる。2001年の本だけれども、今でも生き残っているOSの根源的な考え方なので、通用するのがむしろとてもおもしろい。技術の背景にある思想が学べるというのがとても好きだと気付かされた。

    # ずーっとかばんに入れていて、他の本がスタックする原因になっていたのでだけれど、腰を据えて読み始めれば2時間ぐらいで読めた、、、。

  • 20190813読了
    UNIXの考え方について書かれた本。
    小さなプログラムや効率より移植性を重視するなど、UNIXの設計の考え方について書かれており、モノづくり全般に応用出来そうなものも多いと感じた。

    敢えて一言で纏めるなら、将来は分からないという前提に立って開発すると言ったところか。

    あとは人間による3つのシステムの話が印象的だった。
    プロダクトや組織が生まれて広まるまでの過程と共通するものがあると感じた。

    ・第1のシステムは追い詰められた人間が作る。無駄がなくて革新的なシステム

    ・第2のシステムは第1のシステムで証明されたアイデアを用いて作るシステム。正しいけど遅い。拡大するフェーズ

    ・第3のシステムは第2のシステムで火傷した人が作る。両者の最良の特徴を組み合わせる。目標はこの第3のシステムを作ることだが、第1、第2の過程を経ない限りここには到達できない。


  • UNIXの本質を理解するための解説書。理図書 007.634||G19 12038748

  • UNIXの考え方について、深い技術的な内容を避けながら世の多くの人々に向けて書かれた本書。
    内容も面白いし、勉強になるが、技術的な知識が全くない人が本書を読んでそこから学び納得できるかは疑問。
    少しでもLinuxに触ったことがある、触りはじめの人のほうが得るものが多いだろう。

    ・小さく作れ
    ・一つのものには一つのことをうまくやらせろ
    ・個々のものを組み合わせてビッグなことをやらせる
    ・独自技術症候群になるな
    ・効率性と移植性なら、移植性が大事

  • 読みやすい本。

  • アジャイルな開発が主流になった今だから本書に書かれた定理、哲学は普通の感覚だけど、この本が書かれた当時では異質だったと思う。それだけに、読みながら鳥肌が立ちました。ちいさくシンプルに美しく、先端技術だけではなく、基本スキルや考え方がいかに大切か学びました。本の題名はUNIXとなっていますが、開発者としていかに立ち居振る舞うか、技術者の持つべき哲学書のような本です。若いエンジニアには絶対読んで欲しい本です。

  • 小さいものは素晴らしい。シンプルでありつつ柔軟で、携帯性もあれば適合力もある。

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