ハッカーと画家 コンピュータ時代の創造者たち

  • オーム社
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784274065972

感想・レビュー・書評

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  • 技術にテコを効かせるのが重要という観点は参考になった。
    リア充の社会的なエリートたちをこき下ろす表現が多いが、やたら視野が狭い。そこは感心しなかった。

  • 優秀なハッカー(プログラマ的な意味合い)である著者のブログ記事を本にまとめたもの。読みやすいし、内容が濃く面白かったです。
    特に、"デザイン"についての話には納得させられました。センスを磨く必要があるんだなぁと。ベンチャーを企業していく話も興味深かったです。
    後半は言語の話がメインで、普段C++を使っているものとしてはもっと他のものにも挑戦すべきだと感じました。Lispちょっと見てみようかなぁ。

  • ソフトウェアに関するエッセイ集。ハッカーと画家の因果関係を語っているわけではない(似ている部分はあると考察しているが)。

    読んでみてわかったことは、ベンチャーがソフトウェアビジネスを成功させるためには、ウェブベースのアプリケーションを選択することや、素早く実現できる言語やアーキテクチャを選ぶこと。その点は、非常に役立った。

    以下の章は、個人的に面白かった。
    「どうしてオタクはもてないか」
    「富の創りかた」
    「格差を考える」
    エッセイなので、開発現場やビジネスに即効性のある話題を扱っているわけではないので注意。

  • 2024-02-27
    さすがに20年前のエッセイだけあってそれはどうよという記述も目立つが、1/3くらいは共感。総じて、nardな部分には共感、キャビタルの部分には反感と言ったところか。言語の流行は、現場離れて10年経つのでもうよく分からないけど、あまり当たっていない気がする。ASPは作った人が言うのだから、当たって当たり前。
    と言うふうに予言書っぽく読むのはおそらく正しくない。読み取るべきは、その精神。
    だけど、格差上等死ぬ気で働け、というのには同意しかねる。

  • 長くて心折れそうだったが、読了。勉強になる系というかはモチベーションが高まる系だった。エッセーでした。Lisp触りたくなった

  • 15年ぶりの再読。前回読んだときはもっと刺さった気がするけれど、今回はそこまでではなく。内容の経年のせいか、自分の加齢のせいか。現在使われているプログラミング言語のうち、100年後でも使用されているものは2~3個ではないかという考察は興味深い。

  •  ベンチャー企業で一山あてた凄腕ハッカーのエッセイ集といったところ。この本が上梓された当時はハッカーという言葉も悪い意味で用いられることが多かったように思われるが、現在はそのような差別的意味合いは薄れているように感じられる。以下、面白かったトピックを挙げる。

    1.どうしておたくはもてないか。
     ここでいう「おたく」とは中森明夫が定義した意味のおたくではなく、異常に知的好奇心の強い者のことをいう。おたくがもてないのは、もてる奴が普段参加しているゲームに加わっていないから。おたくは別のゲームに参加している。この主張は半分くらいは正しいように思われるが、ゲームを選択することは難しいだろう。運動神経、見た目も重要な要素なのだ。それよりも深刻なのは、日本ではおたくは一生暗い人生を歩まなければならないのに対し、アメリカでは付き合う人を選ぶことで人生を好転させることができるということだ。付き合う者を選ぶことは重要なことだが、日本では誰とでも仲良くしなければならない。日本では生きづらい者が多いのはやはり本当なのだ。

    2.格差は必ずしも悪でない。
     富を創出することとお金を儲けることは違う。富を創出することで格差が生まれるのであればそれは好ましい格差だ。今では、アメリカも日本も富を創出して大儲けした者はそういない。結局金融業、大企業、公務員など、人の金を盗んで財を成した者が多いわけだから、やはり格差は悪である。日本は第三世界である。

    3.ハッカーと画家
     ハッカーは画家のような者である。ハッカーはコードを書きながらアプリケーションを設計する。仕様を完璧に作ってからコーディングなどしない。画家もスケッチから初めて修正を何度かしながら絵を完成させる。

    4.プログラミング言語について
     ハッカーにとってどの言語を使うかは非常に重要である。弘法は筆を選ぶのである。プログラミング言語にはハッカーにとって使いやすい言語とそうでない言語が存在する。著者はLispが最強であると主張する。すべての言語は常に改良されているが、最終的にはLispのような仕様に収斂するのだそうだ。それはLispが数学に最も近いからだ。

  • タイトルにもなっている「ハッカーと画家」、「富の創り方」、「ものつくりのセンス」の章がおすすめ!

  • この本はたくさん読まれているのにLispを始める人はほとんどいないって言うのが不思議

  • ハッカーが問題解決や生活の中で心がけていることを知り、自分の日常に取り入れられる部分を探すために手に取る。

    ベンチャー企業を立ち上げたハッカーのエッセイ集。
    ハッカーの価値感や、ビジネスを行う上で彼らがどのような環境を望み、彼らをどう引き付ける問題設定を行うかから、
    web黎明期においてソフトウェアの技術的な差によって、特にlispがどれだけ自分達のビジネスの優位性を保つ上で重要だったかが述べられている。


    以前Tedで「クリエイティブな問題解決を行う作業に報酬を与えると成果が下がる」という研究成果を見たことがあるが、まさにハッカーは、自分達の報酬とは関係なく、難しい問題や直面したことのない再定義された問題に取り組むことで楽しさを感じる(ティナ・シーリグは著書「クリエイティブ資本論」で同様のことを述べていた)。


    ハッカーと従来のホワイトカラーの間での問題に取り組む姿勢の違いについても取り上げている。

    とりあえずやってみて、その過程で得られたフィードバックを分析し再度検証するというハッカーの姿勢が少し前のホワイトカラーの労働者(効率主義、合理化)にはあまりなじみがないよう。
    だが近年、モノづくりでイノベーションを起こす組織や個人が増え,前例がないものを作る上ではそういったプロセスが必要であることが、ようやく浸透しているように思われる。

    効率が悪いのではなく、そうすること以外では新しいアイディアを得たり考えを深める方法がないからやっているのでハッカーはきわめて合理的に考え、きわめて合理的に実践と検証を繰り返している。

    そもそもプログラマはこのような問題に取り組むにあたっては、自分の好奇心に純粋なだけでなく、上手くエレガントに問題解決を行ったり、オープンソースコミュニティに貢献しようとする姿勢を持つ。

    みな感じていることではあると思うが、エンジニアになる人は比較的承認欲求が高く、自分にコンプレックスを持っている人が多い。

    この本を読むことで、なぜそのような背景を持つ人材が、難しい問題を短時間で効率的に解決したり、オープンソースに貢献し、なぜ高収入の人材として評価されるかが改めてよく実感できた。

    コンピュータサイエンスの様々な視点で問題を解決するようなITエンジニアは、コーディングの速さだけでなく、知識を持つだけで問題解決のための組み合わせの数が増えるため、市場価値の高い人材になれる。
    つまり、知的好奇心の強さが結果的には人材の価値として評価されやすいこの業界は人間の本来の欲求に対して至極真っ当であり、ありがたいように改めて感じた。

    最近は比較的、自分が何をできるようになるためとかはあえて考えないように思うままに知りたいことを吸収してきた。

    あくまで自分の状況によるのだろうが、自分の好奇心に基づいて得た知識が、一体他の人にはできない何がができることにつながるのかを念頭においたうえで知識をインプットをするように以前よりも心がけるようになった。



    あらためて感じたこと
    ・仕事は誰もやりたがらないことや困難な問題を解決することができることに高い報酬が払われることである
    ・至極当然のことではあるのだが,価値を生み出せるレベルにならない表現行為(音楽、文学、プログラミング、ダンス、etc.)では100%の満足度で人生を謳歌するのは難しい。
    (もちろん娯楽のレベルで楽しむことを除く)


    印象に残ったこと
    ・レッテルを貼る言葉を投げかける意味を考える
    ・富の格差は生産性の大きさのばらつきのサイン

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