鉄道ダイヤのつくりかた

  • オーム社 (2012年3月25日発売)
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本 ・本 / ISBN・EAN: 9784274211751

感想・レビュー・書評

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  • 最初のダイヤグラムの見方から結構ハードルが高くて、プロが書いているのか中々に難しい本だった。
    でも、ダイヤを作るにあたって、遅延がどう影響しているか、遅延を抑えるために乗客も何ができるか、というあたりは、実際に電車に乗るときに頭の中に入れておきたい知識だなぁ、と思った。
    あと、基本的には都市部の過密スケジュールのためにどうやってダイヤを組むか、ということで試行錯誤しているわけだけど、ちゃんと働き方改革が進めば無理して出勤する人も減るだろうし、5Gのインターネット会議とかも実用化されれば電車に乗る必要もないし、そういった意味では今後はダイヤを組むのは簡単になっていくのかもしれない。

    まぁ、せっかくいいダイヤができたとしても、鉄道会社がせっせせっせと新規のお客さんを増やすように努力するだろうから(都市開発しちゃったりするし)、いいダイヤを維持するための最大の難関は鉄道会社の成長そのものだよね、とも思ったりする。

  • その名の通り、鉄道のダイヤをどのように作るのか詳細に記した本。都市部の鉄道ダイヤでは、乗客にとってできるだけ便利であるよう追求する(運行本数を増やす、優等列車を増やす)ことと、様々な物理的制約(折り返し線や追い越し線、待機線などの有無)やソフト的制約(乗務員の確保など)がトレードオフになっており、とても複雑な制約充足を行うことにより最適解を探りながら成り立っている様子が伝わってくる良書だと思う。私の仕事に役立てることはできなかったけど。

  • オフィス樋口Booksの記事と重複しています。記事のアドレスは次の通りです。
    http://books-officehiguchi.com/archives/4164124.html

    例年、ほとんどの鉄道会社で春と秋にダイヤ改正が行われている。ダイヤ改正がどのように行われているか興味のある人に薦めたい本である。電車を利用している人にはわからない裏側を知ることができるので面白いと感じる人がいると思う。

    因みに雑学として、この本のp83にスジ屋(ダイヤを作成する人)と裁判員制度について取り上げられていた。スジ屋は裁判員裁判の辞退が認められているそうです。トリビアの泉が放送されていたら、何へえになるのだろうか。

    p83の「スジ屋と裁判員制度」より引用。
    「裁判員制度はご存じだろう。平成21年5月21日に始まった制度で、『国民のみなさんに裁判員として刑事裁判に参加してもらい、被告人が有罪かどうか、有罪の場合はどのような刑にするかを裁判官といっしょに決めてもらう制度』(最高裁判所ホームページ)だ。裁判員は、国民の中からくじで選ばれる。しかし、正当な理由がある時には、裁判員を辞退できるのはご存じだろうか。平成20年4月、最高裁は、裁判員への就任辞退を考慮する事例をまとめた事例集を作って各地方裁判所に送っている。その事例の中に、『ダイヤ改正時の鉄道会社の担当者』が含まれている。ダイヤ改正の社会的重要性が認識されてのことだと思いたい。」

  • 一枚の列車ダイヤ図さえあれば、無人島は過ごせる?
    そうは問屋がおろさない
    ラッシュの不満もおさまるかも

  • 21

  • 1枚の鉄道ダイヤ図(いわゆる「ダイヤグラフ」)。
    よくわからない人にはただの線がいっぱいの紙にしか見えないかもしれない。
    しかし、そこに込められた膨大な情報を作るためには、膨大な時間と作業が必要であり、その作業に携わった人の思いが込められています。

    旅客サービスを確保しつつ、どのように、便利で、「乱れにくい(頑強な)」鉄道ダイヤを作るか。
    鉄道ダイヤ(時刻表)を作るには、さまざまな制約をクリアする必要があります。
    設備(駅・線路・車両)、乗務員(人員確保・労働法規の遵守)などなど。
    何年も前から計画し、設備などを準備する必要があるものもあります。
    それを乗りきって作った大作が、鉄道ダイヤであり、
    実際に利用者が何気なく使っている列車の時刻表です。

    コンピュータ技術が進み、それをダイヤ作成に最大限に活用する方法も記載されていますが、
    最終的には人間が判断して作らなくてはいけない鉄道ダイヤ。

    総論と、各社(JR、民鉄、貨物、海外)の事例を交えて、
    専門家や現場の人の視線で、しっかりと記載されています。

    最後に余話として、
    東日本大震災時と、その後の(無)計画停電に振り回された、
    鉄道会社の苦労が記載されています。

  • 鉄道ダイヤ作成の裏側,苦悩について.

    普段利用している電車運用の裏側を
    垣間見れたのが良かった.

    著者の方々のプロ意識に心打たれた.
    素敵です.格好良いです.

    富井さんの文体が,気取らない感じで好き.
    文章として読みやすい.

    個人的には,スジの引き方とかそういうのを
    期待して買ったので,ちょっと期待外れ感あり.
    ただ,働くおじさんの格好良さを堪能できたので満足.

  • 【新刊情報】鉄道ダイヤのつくりかた 686.7/ト http://tinyurl.com/bpc5yg8 鉄道ダイヤはどのようにつくられているのか。制約、手順、実際など、鉄道ダイヤのつくりかたとその運用を解説。東日本大震災後の計画停電時の鉄道関係者の苦労にも触れる。 #安城

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