オントロジーの普及と応用

著者 :
制作 : 人工知能学会 
  • オーム社
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  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784274211997

感想・レビュー・書評

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  • 171103 中央図書館
    <blockquote>オントロジーは「計算機で知識レベルの処理を行うための基盤となる知識」が記述されたものである。(中略)オントロジーは本、表現物、タイトル、著者、名前、人間、記述するといった「概念」とそれらの間の関係を定義する。(中略)オントロジーの基本的目標は、計算機に知識を記述・格納。利用する際に共有される基盤を提供することで、計算機による知識に基づいた知的処理を実現することである。(pp1-2)</blockquote>
    <blockquote>形式的な観点だけから見ると、オントロジーは意味ネットワークによる知識表現やオブジェクト指向方法論におけるクラス階層図や関係図に類似している。(p8)
    </blockquote>

  • 【選書者コメント】法学とかにも応用できないかな。
    [請求記号]0070:2272

  • オントロジーとは、コンピュータが「知識」を処理するための基盤となるもののことです。

    たとえば、Wikipediaには、たくさんの情報が記述されています。人間がWikipediaを読めば、それは知識として入ってくるのですが、コンピュータにとっては、Wikipediaは単なる文字列の集まりにすぎません。

    それでは、コンピュータがWikipediaに書かれている文字列を知識として取り扱うためには何が必要かというと、まず、Wikipediaはどういう要素と構造でできているかをWikipediaに書かれている情報とは別に与えてあげる必要があります。


    つまり、Wikipediaの一つひとつの記事は、
    1 記事名
    1.1 別名
    2 導入部
    3 節・セクション
    3.1 見出し
    3.2 段落
    4 日本語表記
    4.1 数字・単位
    4.2 暦・年月日
    4.3 人物・人名
    4.4 著作物名
    4.5 作品リスト
    4.6 専門分野での表記
    4.7 その他
    5 画像
    6 このページに解説されていない点について
    7 関連項目

    といった要素と構造(順番)で成り立っていることをコンピュータに情報として与えてあげる、そうすることで、初めてコンピュータはWikipediaの文字列を知識として取り扱うことができるようになり、ユーザーからの問い合わせに対して「推論」して回答を出すことができるようになるわけです。

    ★★★

    現実世界のモノ・コトの知識概念体系は複雑です。たとえば、次の図を見てください。

    http://www.hayst.com/SiteImages/ontology-sample.jpg

    これは、本書の5ページにある「車」をオントロジーで表した「概念体系図」です。
    (完全なものではなく、部分的なものです)

    概念を体系的に表すには、その概念が持っている要素を抜き出して、また、要素間の関係を明らかにする必要があります。様々な関係があるそうなのですが、代表的なものとして、

     ・ 一般-特殊関係(is-aの関係)
     ・ 全体-部分関係(has-aの関係)
     ・ 属性関係(ある概念に密接に依存している概念との関係。車で言えば「重さ」)

    の3つがあるとのことです。

    ところで、この図って、にしさんのNGT(Notation for Generic Testing)に似ていますよね!

    以前、『オントロジーがわかる本』の感想でも書いたのですが、NGTも、テスト観点という知識を構造的に表したものなので似て当り前なのですね。

    したがって、オントロジーの成果をテスト分析やテストアーキテクチャ設計に応用できると思うのです。

    本書では、さまざまなオントロジーの応用例が書かれています。
    また、ツールの紹介もあり、オントロジーが身近に感じられるようになります。

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