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本 ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784274502873
感想・レビュー・書評
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中国からのレアメタル供給減などから関心の高まっている代替資源の供給先…と言うことである程度の知識は必須かと思い購入した海洋資源の本ですが。
表紙のぬるさに反した非常に詳しい本です。
海洋鉱物資源は、日本は比較的進んでいると言ってもまだまだ開発途上、技術不足の状態。この本だけでも結構な知識がえられると思います。簡単に説明すると。
鉱物資源は非常に偏在性が高く、一つの国や地域に一つの物質が偏っている場合が多い。海底でも偏在性は見られるが、陸上を上回る量の鉱物が眠っているとされ、特に金、銀、白金、コバルト、レアメタルなどが眠っている。海洋資源は循環的な構造から生成されることが多く、堆積には時間がかかる。マンガン団塊やクラストでは~万年単位で数mmとなる。それに比べて熱水性硫化物は堆積が早く、分解もされ易い。
海底鉱物資源としては①マンガン団塊②マンガンクラスト③熱水性硫化物
が存在し、それぞれ陸上の鉱物を上回る濃度を持つ場合があるが、経済性を考慮するとある程度の濃集率kg/m^2が必要。団塊に比べてクラストは特異的な組成を持たないが、コバルトリッチと言われるような非常に有用なクラスト偏在地帯も存在する。
様々な海底調査方法が開発されるも、まだ海底の90%は未調査状態、また運搬費用や掘削費用も考えると、経済性は余り良くない。
しかし鉱物資源の枯渇が進めば経済性が高まり、非常に高いポテンシャルを有すると言える。
海水からのウラン、リチウム回収の話は余り載ってませんでした。
レアアースの現状と日本<http://hase62.blog111.fc2.com/blog-entry-50.html>詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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請求記号: 558.4||U
資料ID: 91113504
配架場所: 工大選書フェア -
高知新聞2011.02.09朝刊。
「第30回寺田寅彦記念賞」受賞。