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本 ・本 (192ページ) / ISBN・EAN: 9784274503078
感想・レビュー・書評
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家庭内で発電してもそれを使うことが出来なければ意味が無い。ではどうしたら使うことができるのかに対する答えが系統連系技術である。完全に独立した運用をするのではなく、電力会社からの電気にプラスαしたり、電力会社へ売ったりするためには、電力会社の持つ電線へ接続しなければならない。そのために必要な技術について解説している。
まず、家庭内での発電として一般的な太陽光・風力発電の仕組みについて解説し、系統連系として接続するために必要な技術をかなり詳細に解説している。読み解くためには電気だけでなく電気回路などの専門知識が必要であるが、発電設備を所有しているという責任を果たすためにはある程度知っておいた方が良いだろう。
家庭内の発電設備という不安定要素を系に接続するという危うさにも触れている。電気を安定的に送電するためには電圧を一定に保つ必要があるが、家庭内の発電設備が電圧低下を招く危険性を孕んでおり、いかにして電圧を安定させるかが切実な問題となっている。
さらに、独立運転については知っておかなければならない。独立運転というのは、系を点検などのために停止しているのにもかかわらず、送電を続けてしまっている状態である。このような状態は、本来電気が流れていない事を前提として行う作業に対して重大な事故が発生する要因となっている。従って、系を止めるべき時には送電を止めたり、あるいは発電を止めなくてはならない。つまり単に発電すれば良いというわけではなく、系の一員としての義務を果たさなければならないのである。
多くの家庭内発電設備保持者は、その運用管理を業者に任せっきりで電力系に意識を払うようなことはしていないだろう。しかし、社会インフラの一端を担うものの責任として、系統連系技術について知っておくことはその責任を果たすためにも必要なことである。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2013/03/06 津市津図書館---県立図書館。