太陽光発電システムのパワーコンディショナ入門

  • オーム社 (2014年3月25日発売)
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本 ・本 / ISBN・EAN: 9784274504266

作品紹介・あらすじ

 本書は、太陽光発電システムのための“パワーコンディショナ技術”解説書です。太陽光発電システムでは、高い発電効率が求められています。そのため、太陽電池パネルの出力が重要視されていますが、実は、パワーコンディショナの能力も大きな要素となっています。そこで本書では、不安定な太陽光発電の出力を安定化し、高効率に電力変換する機能“最大電力点追従(MPPT:Maximum Power Point Tracking)制御”を中心に、パワーコンディショナのアルゴリズムと最新手法を、実験データを混じえながら詳細に解説します。

感想・レビュー・書評

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  • 必要なことが書いてあるので、一通り目を通した後疑問があるたびに必要な箇所を再読しています。

  • 【配置場所】工大選書フェア【請求記号】543.8||I【資料ID】11401291

  •  太陽光発電システムの大きな課題に電力の取り出しがある。この電力の取り出し――パワーコンディショナ――について、独立型システムと系統連系型システムそれぞれについて、また、手法の一つとして最大電力点追従制御(MPPT制御)を取り上げ検証している。
     最大電力点追従制御というのは、日射強度やパネルの表面温度といった環境の変化によって最大電力点が変化する性質を持つ太陽光パネルに対して、常に最大電力点で動作するようそれを探索する制御のことである。いくつかの手法が紹介されているが、どれが正解かということは明示されていない。おそらく発電システムの構成、コスト面、効率面、あるいは技術力によって選択するということなのだろう。
     独立系システムのパワーコンディショナはいかにして電力を取り出すかに重点がおかれているが、系統連系型システムについては逆潮流対策や系統単独運転防止機能が必要であり、単に電力を取り出せばよいわけではなく制御としての難易度も高いことが分かる。さらに本書にはもうひとつの観点でシステムを検証している。それは「影」である。電柱、街路樹の影、そして鳥のフンのような小さな影であっても全体の発電効率が下がってしまうため、その影響を小さくするための回路とその測定結果を考察している。
     太陽光発電は設置すれば勝手に発電を続けるためランニングコストのかからない効率のよい発電であると思われがちであるが、鳥のフンのような小さな影で大幅に効率が下がったり、また非常に複雑な制御が必要で少なくない量の電力がそれによって消費されていることを考えると、本当に効率がよいのか疑問に思えてくる。

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