本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
本 ・本 (252ページ) / ISBN・EAN: 9784275009074
感想・レビュー・書評
-
人類学者達が日本・各国フィールドワークの経験から未婚・離婚・死別などシングルで生きることについて考察したエッセイ編。
日本における「おひとりさま」の各国事情が知りたく手に取った一冊。
しかしそもそも各国のおひとりさまは日本のそれと悩みが違う。結婚すること・しないことは普遍的なことなのに、外国の事情は全く知らないことばかりだと知った。
結婚式やハレの日に寡婦を見ると運が逃げると言われ追い払われたりする(ネパール)、離婚が男性の決定的な威信失墜となり立ち直れないほどの精神的打撃を受け、逆に女性は庇護される者として実家に受け入れられる(クック諸島)、早婚は女性のケガレで早死にするので忌避される(ニューギニア)、離婚経験のない大人の男女を探す方が難しい(コモロ)などなど、自国と余りにも違う価値観に驚きの連続だった。
農村ほど偏見的な面が目立ち生きづらく感じるけど、反面家族のフォロー体制が盤石だったりする。そんないい面と悪い面両方から日本はどうかと顧みることができたのは収穫。
シングルのみならず伴侶や家庭を持つ人にもおすすめです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
15人の著者が自らのフィールドにおいて経験したことや研究したことから、日本における「シングル」に対する概念と諸外国におけるそれの違いを執筆しています。自分自身の生き方・ライフスタイルに新たな風を吹きこむ!?1冊としてオススメします。
琉球大学:simonne__ -
三葛館一般 367.4||SH
世界各国で「シングル」として生きる人たちを取材し、執筆者自身も自己にむきあい、自分の生き方を考えるという形式で書かれたエッセイ集。
それぞれ文化や価値観の違う国で、「シングル」はどのように生活し、どう扱われ、どんな悩みがあるのか。
国によって恋愛、結婚、離婚への認識や考え方の違いが浮き彫りになり、とても興味深い内容です。
和医大OPAC →http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=58475 -
人類学者がエッセイ形式で綴る、世界各地の「シングル」で生きる人たちの諸相。「シングル」の実態も意味合いも様々で、じぶんの生き方も考えつつ面白く読んだ。
調査者の属性や内面を曝け出さざるをえない人類学の研究において、論文という形式でない本著は一般読者に届きやすく、かつこの学問の醍醐味をよく伝えていて良いのではないかと思う。編者の本作りへの細かい心配りも効いていて、好きな本です。
著者プロフィール
椎野若菜の作品





