「人間園」の規則 ハイデッガーの『ヒューマニズム書簡』に対する返書

  • 御茶の水書房 (2000年9月1日発売)
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本 ・本 (128ページ) / ISBN・EAN: 9784275018182

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  • 友愛で結ばれた知の伝達の共同体としての人間の終わりをめぐる議論。ハイデガーをまずは借りつつ、その明るみへの滞在という結論は否定。ニーチェを持ち出して、非人間の人間への教育という啓蒙の一側面を強調。
    啓蒙や文化=文芸的ヒューマニズムというのは人間でないものになりうるかもしれない人間を人間が管理する、動物園のごとき人間園であり、管理の技法はもはや文芸ではなく科学技術に代わられるのではないか、ヒューマニズムの終焉、みたいな話かな。
    スローターダイクは炎上したらしいが、それに対してデミロヴィッチは、スローターダイクは科学技術による生命の管理は必ずしも賛成してないしむしろ批判的な視座を開いたくらいだ、むしろ批判理論の批判者という現代の風潮における「歴史の否定」をどうするか考えるべきじゃないか、みたいな応答。

  • スローターダイクによるハイデッガー批評。日本だととかくハイデッガー信仰が目につくので、このようなハイデッガーをフルボッコ(というほとでもないけど)にしている本は目新しい気がする。同時に、僕がハイデッガーおよびハイデッガー信仰者に対するある種の欺瞞性みたいなのをうまく表現してくれたような気がして、少し溜飲の下がる思いがした。

    現象学界隈をそのままストレートに信仰している人は基本的にめんどくさい人が多いので(偏見)、そういう人対策のためのスペルを学ぶためにもこの本は有用であると思う。現象学もハイデッガーも摘んだくらいの僕が言えることではないかもしれないが。

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