名曲に何を聴くか 音楽理解のための分析的アプローチ 新音楽鑑賞法

  • 音楽之友社 (2004年1月15日発売)
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本 ・本 (196ページ) / ISBN・EAN: 9784276101432

作品紹介・あらすじ

音楽を味わい,愉しむ生きた知識を伝授

感想・レビュー・書評

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  • アナリーゼ本である。楽曲全体をアナリーゼするのではなく、音楽的要素のひとつひとつを、運命交響曲や第九などの通俗名曲から拾い上げるというスタイル。

    個人的に良かったと思うのは下記の2点である。

    ・初めて見るような解析も多々あったので、楽曲に対する理解を深めることができる。
    ・譜例が豊富なので、理解しやすい。


    音楽的要素を挙げて、その例を通俗名曲から拾い上げるのだが、解説しているのは、例えば、冒頭やコーダの部分など楽曲全体の一部分についてでしかない。そのため、拾い上げられた楽曲に対する小ネタは増えたような感じはするが、それによってクラシック音楽の技法全体の理解が深まるような感じはしなかった。

  • 目、ならぬ耳からウロコがポロポロポロポロと落ちる本。

    どういう本かというと、アナリーゼ(楽曲分析)の手法を用いつつ、「名曲」に潜んでいる技法を明らかにしようというもの。

    sf(スフォルツァンド)がなぜそこに置かれているか(またはいないか)、ある速度表記がなぜそこに書かれているか(または書かれていないか)、なぜそこにハ音があるか、あるフレーズが2度目に出て来るとき、それはどう変わっているか・・・のような微細な話の積み重ねではあるんだけど、決して細部をつついて腑分けをするのが目的ではなく、作曲家がなぜそう記したか、その記譜がその楽曲にとって、ひいては音楽史においてどのような意味を持つか、について鋭く切り込んでいく内容になっている。

    ある作曲家(たとえばシューベルト)の天才性の根拠であったり、バッハからマーラーに至るまで誰がなんの影響を受けているかといった、音楽史の流れの一端までが見渡せる。

    名曲にはまだまだ秘密が隠されているんだなあ。もっとスコアを注意深く読まなきゃ、と思わされる本であった。

  • 2

  • これから読みます。

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著者プロフィール

1952年、石川県七尾市生まれ。国立音楽大学楽理科を卒業、同大学院修士課程を修了し、音楽学を専攻(修士論文はモーツァルト)。現在、尚美学園大学芸術情報学科教授。担当科目は西洋音楽史と音楽美学。

「2008年 『クラシック音楽 名曲名演論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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