シベリウス (作曲家 人と作品)

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  • 音楽之友社
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感想 : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784276221963

作品紹介・あらすじ

最新の研究成果を盛り込んだ画期的なシベリウス伝の誕生! 豊富な資料にもとづくことで、従来の誤ったデータを修正。作曲家シベリウスの真実の姿に迫る。「生涯篇」では数々の知られざるエピソードに光を当て、シベリウスの複雑な人物像や交友関係、苦難に満ちた創作活動を丁寧に描き出している。幻の交響曲第8番が破棄された理由、30年にわたる晩年の謎めいた沈黙についても、新しい解釈を加えた。続く「作品篇」では、これまでほとんど言及されてこなかった諸作品の真価、その隠れた魅力に注目。さらに「資料編」の作品一覧では、未出版の作品データを詳細に掲載するなど、シベリウス作品の全体像が克明に見て取れる。シベリウス没後60年、フィンランド独立100周年を記念した究極の1冊。

感想・レビュー・書評

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  •  
    ── 神部 智《作曲家・人と作品 ~ シベリウス 20171221 音楽之友社》
     第30回ミュージック・ペンクラブ音楽賞(研究・評論部門賞)
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/427622196X
     
    ── 神部 智《シベリウスの交響詩とその時代
    ~ 神話と音楽をめぐる作曲家の冒険 20151207 音楽之友社》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4276130557
     
     ヤルヴェンパーの沈黙
     
    …… まとまった作品として最後に世に送りだしたのは1926年、ニュー
    ヨーク交響楽団の委嘱にもとづく交響詩『タピオラ』だ。このときまだ
    60歳だったから、以後、実に30年以上にわたって新作が発表されること
    はなく、かれがアイノラと名づけた田舎家で隠棲していた土地にちなみ、
    世界じゅうのファンは「ヤルヴェンパーの沈黙」と呼んで惜しんだ。だ
    が、シベリウスは長大な晩年をただ手をこまねいて過ごしたのではなく、
    全身全霊を賭して新たな『交響曲第8番』の制作に立ち向かっていた。
    そして、生涯の伴侶だった夫人はこんな証言を残している。
     
    …… 一九四〇年代、アイノラでは大規模な『火刑』が行われました。
    夫が洗濯かごにたくさんの自筆譜をかき集めて、居間の暖炉に焼(く)
    べ始めたのです(略)私はその恐ろしい光景に目を向けることができず、
    部屋を立ち去りました。だから、夫が何の楽譜を焼いたのか、よく分か
    りません。でも、それから夫の表情は落ち着くようになり、気持ちも明
    るくなったのです。それはとても幸せな一時でした。
    https://t-gakuseikisha.themedia.jp/posts/20588873
     
    (20210826)
     

  • 著者は、ヘルシンキ大学大学院で音楽学を専攻した日本人。同時代・同国人の研究と、こういう読みやすい本にまとめてくれたことが本当にありがたい。

    シベリウスについては、少し古い伝記を2冊ほど読んだことがあるけど、より新しいシベリウス像を知ることができる。

    思っていたよりもはるかに借金まみれ(浪費癖があったらしい)、酒まみれ(友人や人付き合いを大事にする面もあったらしい)、苦悩まみれ(極端なあがり症だったり、創作への強いプレッシャーがあった)な人生だった。

    かわいいアイノ(妻:本当にかわいい)を泣かすんじゃないよ・・・って感じ。

    例の8番?を焼き捨てたことについても、「火刑」という表現を使うほど鬼気迫る決断だったようだ。

    歴史に名を残すような作曲家というのは、こういう激しい面を持っているものなんだよなあ。

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著者プロフィール

音楽学者。茨城大学教授。ヘルシンキ大学大学院博士課程修了。博士(音楽学)。シベリウスに関する論文やエッセイ、プログラムノート、楽曲解説を多数執筆。宇都宮大学、国立音楽大学講師を歴任。また早稲田大学、東京藝術大学等の公開講座、市民講座の講師をはじめ、NHKへの出演・監修など、多方面で幅広く活躍している。音楽之友社には2冊の著書があるほか、ミニチュア・スコアではシベリウス作品のすべてで解説を執筆している。

「2021年 『シベリウス 交響曲第4番 イ短調 作品63』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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