ON BOOKS(20)これがクラシックだ

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  • 音楽之友社
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784276350205

感想・レビュー・書評

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  • ほぼ半世紀前のクラシック入門書。著者の諸井誠はマコトニオ・モンロイの筆名も持つ作曲家。「ぼくのB・B・B」「ロベルトの日曜日」は面白く読んだ。表紙の「音楽史のスーパースターだって、女、金、憂世の悩みは尽きない。赤裸なエピソードを読み進むうち、キミはクラシックの虜になる」とあるとおり、通俗的と言うか週刊誌的というか。「楽聖悪妻物語」のいちじるしく女性側に公平を欠いた書き方や、ウの目タカの目コラムの下世話さはいまとなっては目につくが、エピソード、エピソードを楽しむ心持ちで。ミサをあげられない赤毛の司祭ヴィヴァルディを協奏曲の祖父と。モーツァルトのスカトロ趣味満載の手紙の一節。プッチーニがシェーンベルク支持者になり、遠くまで急進的な「ピエロ・リュネール」を聴きにいったこと。訪米の折、ラヴェルがワイシャツ50着、パジャマ20着を携行。アメリカでのストラヴィンスキー、若き音楽家ロバート・クラフトの影響で十二音音楽に関心をもち「七重奏曲」「アゴン」を作曲。といったあたりのエピソードをたのしみ。著者自身の「現代音楽はわかりにくい」という印象が「わかりにくいものは現代音楽だ」という概念にすり代わってきているわけだ。いや、参った、参った…」(p.201)といった感慨にも触れつつ。

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著者プロフィール

東京音楽学校(現東京藝術大学)作曲科卒業。黛敏郎、入野義朗、柴田南雄らと20世紀音楽研究所を組織し、1953年エリザベート王妃国際音楽コンクール作曲部門に第7位、日本人として初の入賞。1957年から65年にかけて軽井沢、東京、大阪等で移動現代音楽祭を開催、十二音音楽、電子音楽等をいち早く取り入れ、60年代から尺八を中心に各種邦楽器の曲やオーケストラと邦楽器を組み合わせた独自のジャンルを開拓、国際的評価を得た。80年代には積極的に音楽評論活動を行い、日本アルバン・ベルク協会を設立、初代会長を務めた。90年代には埼玉県芸術文化振興財団理事長兼芸術監督としてホール企画を推進、2005年からは鎌倉に転じて長年のテーマであるベートーヴェン・ピアノ・ソナタ全曲の分析的研究を行い、音楽之友社からの《ベートーヴェン・ピアノ・ソナタ研究》(全3巻、2010年完成)に結実させた。その後はその手法で、かつてISCM国際現代音楽祭に入選し、レジデンツ・コンポーザーとしてバーデン・バーテンのブラームス・ハウスに滞在したゆかりのブラームスのオーケストラ作品の研究に集中、書き上げた後、逝去された。


「2013年 『ブラームスの協奏曲と交響曲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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