若者はなぜ「就職」できなくなったのか?―生き抜くために知っておくべきこと (どう考える?ニッポンの教育問題)
- 日本図書センター (2011年2月18日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784284304443
作品紹介・あらすじ
「日本的雇用」、「新規学卒就職」モデルの崩壊!悪化する「就職内定率」、燃え尽きる「正社員」、使い捨てられる「非正規労働者」、付け焼刃の「学校教育」。ルールなき時代を漕ぎ渡るキャリアとは?無防備なままに若者を社会に放り出すな。
感想・レビュー・書評
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ゼミ生にキャリアセンターが就職活動に役に立ったか、と聞いてみたら、12人中0人だった(笑)一度も利用したことがない学生は自分も含めて5人。なぜ若者は就職できなくなったのか、という問題に対する筆者の答えは、やはり企業が採用を抑制しているから、というもの。法政大学の、しかもキャリアを専門に教えている教授がこんなことを堂々と言うのは正直驚き。
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巻末にブックガイドあり。
新卒で正社員という道は相当狭き門になっている。
今の大学のキャリア教育というのは、その狭き門に無理矢理ねじ込もうという何とも付け焼き刃的な方法。
どちらにしても正社員になれる人数は限られているわけだし、実はナンの解決にもなっていない。
大学をはじめとする教育機関は、学生を正社員にするにはということに固執するのではなく、もっと別の視点から若者の就業について考えていかなくてはならない。
例えば、正社員になれない(なれなかった)若者への支援方法。
また、将来、正規非正規を問わず働くに当たって知っておかないと泣き寝入りするはめになるようなこと(労働基準法など労働者を守ってくれるしくみなど)。 -
教育の専門家による大学の教育論。教育の見地から大学教育について、よく研究されており正しい分析がなされていると思われるが、国家としての視点が欠けているため、教育者による教育論にとどまっており、ひとりよがりの感じがする。「社会の他のサブシステムとの関係をとらえて教育を論ずる」と言いながらも、この考察は不十分である。現在の日本が置かれている危機的状況からいえば、多くの非正規労働者まで救済する余裕はない。本当は、老人に対する社会保障を切り詰め若者の教育に予算を回すべきであろうが、政治家にそれを求めるのは無理であろう。企業は優秀であれば外国人でも雇用するわけで、日本人だからといった特権はない。日本の若者も、世界に通用する資質を涵養するしかないのであって、それを手助けするのが大学であろう。世界大学ランキングでおそまつな結果しか残せていない日本の大学教育の関係者は危機感を全くもたない能天気な既得権益者としか思えない。政府を批判する前に大学自らが工夫し、世界に誇れる教育を行ってもらいたいものだ。
「最終的にに正社員になれなかった者のキャリア設計については、ほとんど目が生き届いていない」p164 -
著者の問題意識には同感だし、論旨も全体的に異論はないのだけど、世間の多くの意見とはすれ違うんじゃないかなあと心配。
まあそのへんはこういう本をたくさんだして、ちょっとずつ啓蒙していくしかないのかな。 -
【所在】3F開架
【請求記号】377.9||KO
【OPACへのリンク】
https://opac.lib.tut.ac.jp/opac/book/178259 -
これは文句なしに腑に落ちた.
後頭部をガツンと殴られて,目から鱗が落ちた感じ.
今まで何かしっくり来ないまま大学でキャリア教育というものに巻き込まれてしまっていたが,ずっと引っかかっていた違和感の固まりが取れた様な快感.
しかし,産業界も大学も簡単には方向を変えないだろうな.
でもこのままの少し歪んだキャリア教育は何とかしなければならない.
著者の児美川先生,法政のキャリアデザイン学部所属というのは何となく妙な気がするが,もしかしたら名前から受ける印象で,この学部のことを誤解していたのかも知れない.
2回目:やはり児美川先生、すっぱり言い切ってくれている -
☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB04946650
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<閲覧スタッフより>
かつて定説となっていた就職モデルが通用しなくなってきている。それは雇用形態の多様化、企業の求める人材の変化などに起因し、就活の方向性や意識・価値観も同様に様変わりしている。法政大学で実際に学生たちの生の就活相談を受ける著者が分析する新時代の就活モデルとその対策。
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所在番号:377.9||コミ
資料番号:10205393
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