スイッチを押すとき

著者 :
  • 文芸社
3.39
  • (182)
  • (205)
  • (588)
  • (82)
  • (33)
本棚登録 : 2033
感想 : 295
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784286000008

作品紹介・あらすじ

増加する青少年の自殺に終止符を打つため、政府が立ち上げた恐るべきプロジェクトとは…。生きる意味を問う衝撃のストーリー。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 『リアル鬼ごっこ』でブチ切れたことをすっかり忘れ、うっかり読んでしまった山田悠介作品。

    突飛で矛盾のある設定に相反し、「そりゃそうするだろ。でもそうなるだろ。つーかそれしかねえもん」という、意外性のカケラもない展開が続き、終わる。
    まあそんな小説は掃いて捨てるほどあるが、この本にはそれ以外にも掃いて捨てられる理由がある。


      文 章 が と に か く 酷 い 。


    もう、シロウトか、と。

  • 大学1年の夏休み、暇で暇で、部活の帰りに図書館で大量の本を借りて帰った中の一冊。
    あの頃はハードカバーで読んだけど、4年たって文庫本が出て懐かしくなって購入した。

    実験対象になった5歳の子どもたちが心臓にある危惧をとりつける手術を受けて、渡された赤いボタンを押したらその瞬間生きた時間が終わる、「自殺スイッチ」

    あり得ん設定じゃけど、それでも命について、生きることについて考えさせてくれる話。

    スイッチはないけど、死ぬすべはいつも生きとる人みんなに隣り合わせにあって、
    死ぬのは簡単、生きることのほうがよっぽど難しくて、しんどくて、辛いんじゃって思った。

    でも自分の望む幸せのためなら、それがほんの一瞬の幸せでも、人間は強く生きれるんぢゃ!

    私にとって、山田悠介さんの作品の中で一際記憶に残る作品でした◎

  • 娘からの紹介で読むことになる。
    とてもとても考えさせられた一冊であった。
    生きることの大切さ、生きることの難しさ、そして不幸は何処までも不幸を呼ぶこと。
    重い、本当に重い一冊であった。
    ただ、設定した時代の割には背景が現代と一緒で少々違和感があった。

  • 山田さんの作品で、初めて泣きました。。。
    重くて、切なすぎます。
    生きるって?自分なら?って大分考えました。

  • 山田悠介作品で一番よかった

    最後がものすごく切なくて泣きそうになった

  • とにかく、すごくいい作品でした!

    自分の彼氏が、友達が、母親が、大切な人が…
    と置き換えてしまうと胸がいたくて苦しくて切なくて、
    悲しすぎます。。

    こんな酷いことが普通におきている世界に
    生きていなくて本当に良かったと思いました。

    最近感動がない、涙を流していないという方に
    是非読んで欲しいです…!

  • 昔流行った「バトルロワイヤル」系の話だと思う。
    子どもたちは隔離されて、テレビも本も何も無い世界でどれだけ精神を病み、どうやって自分を死に追い込むのかを研究する。
    大人が子どもの命をもてあそぶ感じが似ている。
    毎日毎日規則正しい生活。同じ生活。それをどれだけ続けられるか。
    親が死んだからとスイッチを押す子、精神的におかしくなる子。いろいろいる。
    一生、彼らは出られない。
    そんな彼らと、監視員の話なのだが、途中から急展開する。
    オチも一部予想外ではあったけれど、ほとんどわかってしまうのが物足りなかった。
    やるなら、最後、もっとどんでん返しにして欲しかった・・・。

  • これは今読んでも面白そう

  • ディストピアもの。
    自殺抑制プログラムとは言ったものの、これらの治験がどう役に立ってるのか分からないまま終わりを迎える。そもそもプログラムのために行われている非人道的な設定があまりにも現実的ではない。
    普通、心臓に埋める時にGPSも付けるんじゃないかな。
    警察に追われる描写もツッコミ所満載。YSCと警察が繋がっているならまだしも、そうではないし。
    文章は読みやすく、子どもたちや家族の境遇が可哀想で、心を揺さぶられるシーンもあるが、ふと冷静になってしまい没入はできなかった。
    人は絶望の中で、たった一つの幸せを見つけたとき、死んでもいいと思うのかもしれない。

  • ラスト、二人の関係が明らかになったけれどなんともスッキリしない終わり方だったな…
    最期まで悲しい。
    子どもを二人も奪われたのに、その場を自ら立ち去ることができる母の心境も全く理解できなかったし。

    堺が最期実はいい人で、この馬鹿げたプロジェクトを終わりに導くのか?!とちょっと期待しちゃったのに、全くそんなこと無く、ただのクソ野郎だったな。

    この後味の悪さも、山田悠介さんの作品らしいんだけどね。このモヤッとした感情を引きずるのも嫌いじゃないから結局読んじゃうんだけど(笑)

全295件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

大東文化大学文学部日本文学科講師。1984年大阪府生まれ。専門は環境文学。著書に『反復のレトリック―梨木香歩と石牟礼道子と』(水声社、2018)、論文に「「声音」を読む―石牟礼道子『水はみどろの宮』とその周辺」(『石牟礼道子を読む2―世界と文学を問う』東京大学東アジア藝文書院、2022)など。

「2023年 『石牟礼道子と〈古典〉の水脈』 で使われていた紹介文から引用しています。」

山田悠介の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×