余命10年 (文芸社文庫NEO)

著者 :
  • 文芸社
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本棚登録 : 10021
感想 : 760
  • Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784286184920

感想・レビュー・書評

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  • 諦めを知ることが唯一の救いと自分に言い聞かすしかない茉莉。同様の境遇であったであろう著者の小坂さんの思いのような気がして心が痛い。

    読み進めるのが辛い本だった。本の中にのめり込まないように、少し読んだら自分の現実に戻って足元を確認して、覚悟ができたらまた少し読む。その繰り返しだった。

    ありがとう
    ごめんね
    好きです

    を言いたい人は誰か。自分の身に置いても考えてしまった。

    幸せを感じれば感じるほど死の恐怖がが増してくる。こんな辛いことがあるだろうか。和人とのボード旅行なんか普通だったら幸せで埋め尽くされるはずなのに、それが辛いなんて。
    自分の何かが削られながら読み終えた気がする。

  • タイトルから見事に裏切られました。(いい意味で)この作品は不治の病を患った小坂さん自身の心の叫びであったからです。ヒロインの茉莉は小坂さんそのものなのかもしれないと思います。
    余命が10年、それもハタチにしてそれを知ることってどれほどのことなのか見当もつきません。
    ある人は就職、ある人は育児、またある人は結婚に大恋愛、様々なことに出会い日々を生きている。最もリア充な時期。
    それら全てを諦めざる得ない。人と違ってしまったことの悲しみ。なった人じゃないとわからない。そんなことがたくさん綴られていたように思います。
    夢破れ、違った道を進まなければならなかった遠い日、冷たい涙が止めどなく溢れては落ちた日々のことを私は思い出しました。本気で打ち込んだからこそ、悲しいのかどうかもわからず涙だけが後から後から流れ出てくる。こんな経験は一度きりです。忘れていたそんな痛みを思い出しました。
    周りはどんどん先に進んでいってしまう。
    自分は取り残されていく。
    ヒロインの茉莉はどれほどの悲しみを胸引き裂かれる思いを味わったことだろうと思いました。
    小坂さんのリアルな気持ちがあふれでているものだから、涙も度々溢れだしてしまいました。
    でもたくさんの人との関わりの中で毎日を輝かせようとする茉莉を応援していまい、涙し、よかったねと感情移入してしまいました。
    読書して泣けたのは何十年ぶりだろうか。
    (漫画は結構泣けるのですが)

  • 死がわかるとき、何を求めるだろう、誰と時を過ごしたいだろう、それも無いのかも。生きていることがあたりまえなら、死も必ず、でも、そのことと向き合ってはいない。相手がいるとき、死への抵抗は大きくなるのかな、それも、まだ想像の中で、及ばない。

  • ごめんなさい!
    侮っていました。
    どうせ、男女の恋愛ストーリで彼女が余命宣告されて死んでいっちゃうストーリでしょ!
    って思っていたら、全く違っていました。

    主人公、茉莉の覚悟と生き様を見せられた物語でした。
    心に刺さりました。
    さらに、本書は作者の小坂流加さんの実話をもとにした物語ということで、尚の事今生きてるこの瞬間を大切にしたいと思えました。

    生と死に向き合える物語。
    さらに
       ありがとう、ごめんね、好きです
    を確実に伝えて生きてきたい。

    映画も見てみたい!

    小坂流加さんのご冥福をお祈りします。

    • masatoさん
      マメムさん
      コメントありがとうございます。
      早速、図書館に予約入れました。
      借りて読めたらまたレビュー書きますね。
      マメムさん
      コメントありがとうございます。
      早速、図書館に予約入れました。
      借りて読めたらまたレビュー書きますね。
      2023/04/09
    • マメムさん
      masatoさん、お返事ありがとうございます♪

      行動が早いですね(笑)
      感想、楽しみにしています♪
      masatoさん、お返事ありがとうございます♪

      行動が早いですね(笑)
      感想、楽しみにしています♪
      2023/04/09
    • masatoさん
      マメムさん
      早速読むことが出来ました。
      ご紹介ありがとうございました!
      マメムさん
      早速読むことが出来ました。
      ご紹介ありがとうございました!
      2023/04/23
  • この本を読んで、感想は
    泣けた、感動した、面白い、つまらない
    って感想は無かったです

    小坂さんの生きざまと言うか…
    【生】の難しさ【死】との向き合い方を考えさせられた

    個人的には、この登場人物達と一緒に看取った
    そんな感覚でした

    小坂さんを調べたら自分と同じ78~79年生まれで亡くなったのが自分の誕生日の数日後だった

    距離感も勝手に縮まって感じ…色々考えさせられました。

  • 茉莉は、20歳の時、数万人に一人という不治の病で、余命10年と告知される。

    ありがとう
    ごめんね
    好きです

    後悔を残さぬ為に「ごめんね」を伝えに、小学校時代の同級生を訪ねて、そこで、和人と出会う。

    「死にたくない」それを求めないよう、ひたすら生きてきた茉莉だったが…。

    これ以上は、辛くて、あらすじも、感想も、
    書くことは、できない・・。

  • 余命10年…タイトルからして
    死ぬことがわかっていながら読み進めていくことすら辛い気分になった。

    愛してるのに死の準備を始めなくては…
    愛してるのに死の準備はできた…

    切なすぎます…

  • 作者さんが、主人公と同じ病だったことを思うと涙が。

    泣きながら読みました。
    余命10年の間に大好きは人ができて幸せであるけど辛いことの方が多くなるのは悲しすぎる。

    茉莉のことを好きだった、和人も辛い。

    • moboyokohamaさん
      著者が同じ病気だったのですか。
      知らなかった。
      隙間時間に電子書籍でチョコチョコと読んでまだ読み終えていないのですが、その事を知ってからは作...
      著者が同じ病気だったのですか。
      知らなかった。
      隙間時間に電子書籍でチョコチョコと読んでまだ読み終えていないのですが、その事を知ってからは作品に対する見方がきっとかわります。
      2022/04/20
    • pさん
      ハッキリとは書かれてないですが同じ病気らしいです。

      いやー、つらいですよね。
      私も作者さんのことを思って読んだら、読み進むのもきつかったで...
      ハッキリとは書かれてないですが同じ病気らしいです。

      いやー、つらいですよね。
      私も作者さんのことを思って読んだら、読み進むのもきつかったです。
      2022/04/21
  • 20歳で不治の病にたおれ、余命10年であることを告げられた主人公。恋はしないと誓ったけれどひょんなことから幼馴染と再開して…死に向かって残りの人生を精一杯生きた女性の物語

    筆者である小坂流加さんのほぼノンフィクションということを知ってさらに心に響くしリアルなものとして考え、毎日何気なく生きてる日々をもっと大切にせなあかんなぁ〜ってめちゃくちゃ思った

    映画版はまだ観てないけど完全に小松菜奈さんと坂口健太郎さんバージョンで頭の中で読んでた!「ハンオシ」も良かったし坂口健太郎さん大好きやから映画も観たいわぁ〜

  • 前半はライトノベルのように読みやすく、後半は涙なしでは読めない感慨深い作品でした。
    余命10年の主人公が残りの人生をかけて『ありがとう』、『ごめんね』、『好きです』を伝える物語から『生きる』ということについて考えさせられました。

    また、本作の編集後に著者が病気で逝去されたことを知り、著者の本作への思いを強く感じました。

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著者プロフィール

7月4日生まれ。静岡県出身。第3回講談社ティーンズ大賞で期待賞を受賞。著書はほかに『生きてさえいれば』(文芸社文庫NEO)がある。

「2022年 『余命10年 memorial edition』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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