さよなら、バンドアパート

著者 :
  • 文芸社
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本棚登録 : 41
感想 : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784286222219

作品紹介・あらすじ

ミュージシャンの夢を追って上京した男の波乱万丈の物語。2022年春、映画化決定!/「バンアパは理想が低い! サザンを目指せ!」マネージャーの怒声が赤坂の会議室を揺らした。傲慢、横柄、不遜を恫喝で和えた味のする言葉だった。体育教師さながらの体躯をしたマネージャーが、僕たち三人に鋭い眼光を向けている。ホワイトボードには『二〇一三年の目標』と書かれていた。(本文より)

感想・レビュー・書評

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  • 私はcinema staff のファンで、ベースの三島さんがこの本にコメントを発表していたことがきっかけで読みました。音楽業界の中ではそうなのか…など垣間見えるところは興味深かったです。2022年に映画化されるそうなので観に行きます。

  • 有名なフェス主催のコンテストで優勝した「ザ・バンドアパート」。事務所にも所属し、人気は上昇していた。しかし、ボーカルは、上昇とともに気持ちが変化していき、周囲とズレが発生していく。波瀾万丈の人生を送るボーカルは、どうなっていくのか。


    作者の平井さんは、現役のアーティストであり、経歴を見てみると、小説に出てくるボーカルと似た所もあって、よりリアリティーが増していました。本人にしかわからない悩み、周囲との調和といったものが、ボーカルという登場人物に作者が投影されている印象がありました。

    また、成長していきたい願望や文章から滲み出てくる雑草魂や男臭さが、昔の音楽バンドのような雰囲気を醸し出していました。
    最近の音楽バンドを見ていると、清楚といった綺麗なイメージが前面に出るのですが、ここで登場するバンドのボーカルはブルーハーツを彷彿させるようで、「昔ながら」という印象がありました。

    人気にいたるまでの人生と人気以降の人生を通して、ボーカルの心の描写が描かれているのですが、ボーカル自身の考えといったものはそんなに変化はありません。
    しかし、周囲との環境の変化によって、状況は変化していきます。

    夢を叶えるために様々な事を犠牲にする若者たちが、昔の自分と重なる所もあって、胸が痛かったです。
    私自身も夢を目指した時期があり、そのあたりの苦悩が丁寧に描かれていて、懐かしい部分もありました。

    懐かしいという意味では、この作品、年代ごとに様々な出来事が登場します。当時の状況も脳裏に蘇ってくるので、読み進めるごとに懐かしさが込み上げてきました。

    バンドをテーマにした物語ですが、ボーカルのもがいている日々を多く描写しているため、正直あまりスカッとした気持ちにはなりませんでした。その分、現実的だなという印象でもありました。

    てっきり再出発して成功!という展開を想像していたのですが、それとは違い、ボーカルの波乱万丈日記といったドキュメンタリー要素のある物語に仕上がっています。

    ボーカルの葛藤や苦悩といった心理描写が楽しめて、「音楽」を目指そうとする人の魂のこもった叫びが心に刺さりました。

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著者プロフィール

1987年兵庫県神戸市生まれ。ロックバンドQOOLANDを結成し、ロッキング・オン主催コンテストRO69JACKにてグランプリ受賞。UNIVERSAL MUSIC JAPANでのメジャーデビューを経て解散。その後、ロックバンドjuJoeを結成し、無料CDを1万枚配布。1000日以上連続のnote投稿が話題となり、2021年に『さよなら、バンドアパート』として書籍化。

「2021年 『さよなら、バンドアパート』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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