社長の「まわり」の仕事術(しごとのわ)

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784295002611

作品紹介・あらすじ

スピートや無茶ぶりに臆さない!…すごいトップを支え、動かす、13人のスキルと思考。

感想・レビュー・書評

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  • 社長のまわりのひとから、社長ってこういうことを考えて行動しているんだをつたえたい本と思いました。
    さらっと流してしまいましたが、きっと社長も、そのまわりにいらっしゃるかたも、すごい方々におもえました。
    それは、仕事に、遊びが大きくて、幅も広くて、その中でのびのびと仕事をしているように感じたからです。

  • カルビー、DeNA、ストライプインターナショナル、隈研吾、中川政七商店、サニーサイドアップの社長のまわりで働く社員へのインタビュー。
    各社社長自体が名物社長で優秀なだけあってまわりで働く社員も極めて優秀。社長が社長業に集中できるように気を配っているし、オンオフをつくらずに常時コンタクト取れるようにしている。そして社長は得てしてロジカル。なぜを突き詰めてくる。なんとなくの話は通じない。そしてみな意思決定が早い。このあたりは社長になるには必須のスキルということなんだろう。
    経営者として印象的だったのは、カルビーの松本社長と、DeNAの南場社長、中川政七商店の中川社長。みな徹底してロジカル。そして大胆な権限委譲。だけど、最も印象に残ったのは隈研吾。社長というより世界的な建築家だけあって他の社長とは一線を画す。ほぼ事務所におらず、世界中を飛び回り、5分で打ち合わせ。執筆はペーパーナプキンの裏に手書き。あまりに異次元。

  • タイトルのとおり各社において社長を支える役職にある13人の仕事ぶりについて紹介している本です
    ただ社長の性格に依る部分も大きく、直感系や理論系などさまざまであり、仕事術的な体系化されたものを求めるものではなかった点が残念でした
    また、人によっては社長よいしょ的な内容だったり、その人なりの仕事の仕方だったり、統一されていないのも気になります
    結局のところ、著者が単なる聞き手でしかなく、話を導いたり文章をまとめたりという点で力不足だったのではないでしょうか

    個人的には、WELQ問題を起こしたあとのDeNAが取り上げられていたので期待した部分はありましたが、そういうのはなし

    また、個別に特に参考になった点としては、
    ・目的から入る、戦略から考える(P55)
    ・五分五分なら賭けてやってみる(P99)
    ・できないことを言うのは簡単だ、できることを言え(P102)
    ・「やる意義」と「商売として成り立つか」(P172)
    ・役割分担がしっかりできれば、社長自身の生産性を上げることになる(P195)
    ・ビジョンがはっきりしているからこそ、ビジョンに沿っていないものはやらない。それが明確であるがゆえに、仕事がとてもしやすくなる。(P199)
    あたりでしょうか

    なお、読後にカレーが食べたくなったりする

  • 著者もあとがきに書いているが、社長の周りにいる良質な人々に焦点を合わせたことが、結果的にその社長の能力の高さと魅力を浮かび上がらせている。読後、結局印象に残っているのはご本人よりも社長であり会社なのだが、それこそが彼らの、そしてブックライターという立場を生業とする著者の、望んでいるかたちなのだろう。
    いろいろいい言葉が拾ってあるが、母親でもあるサニーサイドアップ社長室谷村氏の”オフという時間を作らない”という考え方はとくに腹落ちした。

    P26 (カルビー松本氏は)お金の数字が好きなんです。認知率とか、ブランドイメージとか、そういう数字にはこだわりはない。でも市場規模とか、どこどこの売り上げがいくらとか、そういうことにはアンテナが立ちますね。「僕はどうでもいい事を記憶できないから、記憶してほしいことは全部お金で表してくれ」なんて冗談で言われたことがあるんですが」(藤原氏)

    P44 経営者本人の中に、今どこに興味が向いているか、という流れがなんとなくあるんですよ。あっ今中国に来た、というときもある。そういう時はコミュニケーション量が増えます。
    P49 言われていないのにやる、くらいがちょうどいいと思いますね。(笙氏)

    P63 ToDo管理などは一切やらないですね、メモもあまり取らない。忘れるようなことは優先順位が低いと思っています(笑)リストのメンテナンスに毎日30分1h使うくらいだったら、さっさとやっちゃったほうがいい。
    P76 現場にいるときと、経営者から見たときって、会社はぜんぜん違って見えてくる、ということを知りました。まだ感じられる、くらいかもしれませんけど。風速はこれくらい違うんだ、ということはようやく見えてきました。(中井氏)

    P91 一般にオーナー経営者は思いつきでどんどん発言したりもする。すべてを真に受けていれば、思い切り振り回されてしまう。結果としてメンタルをやられてしまう人もいる。「どんどんどんどんボールが落ちてくるので、どんどんさばいていく一方で、優先順位を見極めるようにしています」電話にしても緊急事態かどうかはちゃんとわかるものだという。(篠永氏)

    P118 一方で長く一緒に仕事をしているからこそ、気をつけなければいけないことがある。「石川は常に変化してますから1週間後には変わっていることがある」それなのに「社長はこうだ」と思い込んでしまうと、やっぱり本質からぶれていってしまうということだ。「これでいいよな、と思ったときほど、確認を入れるようにしています」(岡田氏)

    P152 「事務方はほとんどそうだと思います。私の業務でわざわざ時間を作り場所をとって打ち合わせすることはまずない。だいたいメールか電話です」(稲葉氏)

    P203 「既存のルールを上手に無視しそう、みたいな事は最初から社長にいわれていましたけど、やろうと思っていました」(緒方氏)

    P219 「私が決めたのは、オフという時間を作らない、ということだったんです。それは、会社のため、社長のためというより自分自身のためです」オンオフという発想で仕事を考えてしまうと、どうしても時間に追われることになる。オンの最中に子どもに何かあれば恩なのに、ということになる。オフの時間に仕事の連絡が来れば、オフなのに、と思ってしまう。オンオフという考え方をなくせば、そういうストレスはなくなる、ということだ。
    P224 「突然質問されたりすることがよくあるわけですが、私が答え始めたときにはもう違うことを考えているんですね(笑)答えを聞いていないんです」〔中略〕「こういうときは、気にしないことにしています」無事に進んでいるのであれば、答えはどうでもよくて、効いたことに意味があった、ということ。そして問題ないとわかる、という目的が果たされれば、思考はすぐに次に進んでいくのが超多忙な社長の姿なのである。
    P228 「結局、人生を楽しんで生きるんだ、という意志の強さだと思うんです。どんな道を選んでも実はつらいわけです。それでもとにかく人生を楽しむ、というベースをもてるかどうか、なんです」そこで最近気づいたキーワードが「鈍感」だったのだという。絶対にいいものだ、本気でやるべきだ、と判断したものに関しては「鈍感」になることにしている。「え?そうですか、ぜんぜん気づかなかった、見たいな(笑)次原はそれを「あきらめさせる力」といってますけど。」(谷村氏)

  • さすが、社長のまわりの人たち、素晴らしいドラマがたくさんあるのですね。「まわりの人」たちの何気ない日常がいきいきと描かれています。インタビューでそれを引き出した著者の力量も素晴らしいと思いましたし、一般のビジネス書とはまた違った学びがあります。
    この本を読んでいるとじゃあ当の社長本人はどのような人物なのかと興味がわいてきました。また仕事をしていれば人それぞれ様々なドラマがあるわけですから、もっと下位の職層の人たちでも同じような本を作ることができるのではないかと感じます。

  • 仕事へのこだわりがとても参考になった。
    一人ひとりが全く違う個性で興味深い。

  • 2018.12.25 朝活読書サロンで紹介を受ける。
    http://naokis.doorblog.jp/archives/reading_salon_123.html
    2019.02.25 読了

  •  著者が、冒頭で触れているように、経営者が著者となっている本や、経営者について書かれている本はたくさんありますが、世の中のほとんどは、「社長まわりの人」であり、そういう人から学ぶことは確かに必要だと感じました。これまでも、優秀な経営者のまわりには、しっかりと支える存在がいることが多いものです。
     ここに登場する人たちが支える社長は、業種や経歴、人柄などが全く異なるため、共通するものがないようにも感じますが、どこか根底のところで共通しているものがあると思います。ここから、いろいろなことを学び、自らの仕事に活かしていけることがあれば価値がある一冊だったと言えます。

    ▼カルビー
    ・「言われたことはとりあえずやろう、と」(フルグラ事業本部 本部長 藤原かおり)
    ・「資料は、経営者好みの仕様にしておく」(フルグラ事業本部 本部長 藤原かおり)
    ・「同じことを3回言われたら、“これは本気だ”と」(フルグラ事業本部 本部長 藤原かおり)
    ・「社内で少しずつ“世論”を作っていく」(海外事業本部 本部長 笙啓英)
    ・「経営者の“風向き”に敏感になっておかないと」(海外事業本部 本部長 笙啓英)
    ・「言われていないのにやる、くらいがちょうどいい」(海外事業本部 本部長 笙啓英)

    ▼DeNA
    ・「経営者の先回りをし続けられるかどうかがチャレンジ」(会長室 中井雄一郎)

    ▼ストライプインターナショナル
    ・「ミーティングは、メールではできないことをする」(「koe」事業部 部長 篠永奈緒美)
    ・「『それは本当に必要?』という意識は大事にする」(「koe」事業部 部長 篠永奈緒美)
    ・「現場にいながら自分の意見をしっかり持っておく」(宣伝部 部長 中村雅美)
    ・「社長の思いや本質から、いかにずれないようにするか」(文化企画部 部長 岡田泰治)
    ・「最初から、できそうなところで妥協しない」(文化企画部 部長 岡田泰治)

    ▼隈研吾建築都市設計事務所
    ・「物事をあんまり深刻に受け止めない」(代表取締役 横尾実)
    ・「自分の対応が、トップの対応のように思われかねない(コミュニケーション・ディレクター 稲葉麻里子)
    ・「何を考えているか、なるべく察する」(コミュニケーション・ディレクター 稲葉麻里子)

    ▼中川政七商店
    ・「どうしてこうなのか、という理詰めが問われる」(デザイナー 渡瀬聡志)
    ・「支えているのは会社でも社長でもなくビジョン」(デジタルコミュニケーション部 部長 緒方恵)
    ・「お客さまを主語にしないといけない」(デジタルコミュニケーション部 部長 緒方恵)

    ▼サニーサイドアップ
    ・「オン・オフという考え方をなくせば、ストレスはなくなる」(社長室 副室長 谷村江美)
    ・「報告時に、社長が上の空になるのは、仕方のないこと」(社長室 副室長 谷村江美)
    ・「自分を鈍く、鈍感に仕上げていく」(社長室 副室長 谷村江美)
    ・「真似できないからこそ、自分は違う役割をする」(バイスプレジデント 松本理永)
    ・「ブレーキを踏む役だとはと思いつつ、ブレーキにはなりたくない」(バイスプレジデント 松本理永)
    ・「経営者には絶対に寄り添えない部分がある、と知る」(バイスプレジデント 松本理永)

    <目次>
    はじめに
    第1章 カルビー松本晃(代表取締役会長兼CEO)のまわり
    第2章 DeNA南場智子(代表取締役会長)のまわり
    第3章 ストライプインターナショナル石川康晴(代表取締役社長)のまわり
    第4章 隈研吾建築都市設計事務所隈研吾(主宰)のまわり
    第5章 中川政七商店中川政七(代表取締役社長)のまわり
    第6章 サニーサイドアップ次原悦子(代表取締役社長)のまわり
    おわりに

  • カルビー、DeNAなど有名企業のトップの近くで働くビジネスパーソンにフォーカスした珍しいビジネス本。そうそう、と腹落ちしながら読了。どの企業も似ている印象なのはその仕事の要諦が業種問わず共通しているからなのでしょう。就職して仕事を始めるも迷いを感じている20代半ばの方々にオススメしたい。

  • パワーフレーズ
    「小さくしないことです。とりわけ松本の場合はそうですね。"それ、全然ゴールが違うから"と言われます。そんなんじゃないから、と。だから、このポテンシャルはどこまで行くのか、というのを明示しないといけない」

    もし、自分の会社が中小企業で、圧倒的な社長に日々振り回されているように感じる方がいれば、この本はそんな人に客観性を与えてくれるものと思います。

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著者プロフィール

1966年、兵庫県生まれ。早稲田大学商学部卒。リクルート・グループなどを経て、94年よりフリー。幅広く執筆やインタビューを手がける。著書に『マイクロソフト 再始動する最強企業』『10倍速く書ける 超スピード文章術』(共にダイヤモンド社)、『JALの心づかい』(河出書房新社)、『職業、ブックライター。』(講談社)等多数。ブックライターとしても、『プロ論。』シリーズなど100冊以上を執筆、累計売上は200万部を超える。2011年より宣伝会議「編集・ライター養成講座」講師。2013年、ブックライター塾開講。

「2019年 『これなら書ける! 大人の文章講座』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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