「事業を創る人」の大研究

著者 :
  • クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
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レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784295401568

作品紹介・あらすじ

新規事業の敵は「社内」にあり!どのように担当者を選び、仕事を任せ、サポートするべきか?-人と組織の観点から、実証データに基づき、新規事業の問題にアプローチすることが本書の特徴です。

感想・レビュー・書評

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  • 自分の意志で異動した人が事業立ち上げで成功しているとは限らない、とか、経営トップがコミットしないで丸投げはアンチパターンとか、事業づくりの勘所が、データとともに紹介されている。事業も人も、一緒に育成するスタンスが重要、と何度も強調。

  • 「人と組織」という観点から「事業を創ること」を考察。

    これまで新規事業とイノベーションに関する一般書籍や研書は、
     ・新規事業経験者や経営者によって書かれた新規事業創出の実践書
     ・経営学者によって執筆された戦略論に基づく新規事業創出の学術書
    であった。

    前者については、物語論的なイノベーション論実践論を興味深く消費しつつも、
    それを相対化する知性を持たなければならない。
    後者については、戦略を策定・実行するに相手である「人」の視点は注目されてこなかった。

    アイデアや構想よりもむしろ「組織の中でうまく物事を進めるために他者を巻き込む力」が新規事業の成功を左右する。

    経営による率先垂範型プロジェクトのほうが未来につながる新規事業が生まれる。 p.60

    創る人が去っていく理由は新規事業そのものの失敗ではなく、新規事業をめぐる構造によるもの p.67

    創る人ほど大学時代から社会人との関わりが多い p.76

    アイデアが成功するには、そのアイデアが成功する見通し(アイデアの質)よりも、そのアイデアに政治的な支援を集められるかどうかに関する見通しのほうが重要である p.85

    事前の「バカな」を事後の「なるほど」に変換する事業創造プロセスを可能にするには、周りを巻き込んで資源を調達する「ネゴシエーター」と、限られた資源の中で”あり合わせ料理”をつくれる「エフェクチュエータ―の要素を兼ね備えておく必要がある。 p.90

    エフェクチュエーション:まずは実行してから決定用意の秩序を理解するという段階を踏む



    【目次】
    序 事業創造の実態を探る
    1.新規事業は「人」で決まる
    2.データで見る、創る人の実像
    3.創る人を発掘し、任せる
    4.創る人を支える
    5.創る人と事業を育てる組織
    6.事業を創る先進企業の最前線

  • 新規事業をやったことも既存事業の何かをやったこともありませんが、新規事業の渦中にいる人の視点、状況に加え、その周囲の動きも俯瞰して見えるような本。

    新規事業でなくとも、こんな場面はあるなあとか、思うことは多々。

    最近は、事業をやりたい人と、財務視点だけで事業をみる人とのコミュニケーションや両者の乖離が、どんな経営に落ち着くのか、そこが関心事。

    BSCって、そういう視点に経営が陥らないように、財務視点以外が置かれてるのかなあとも。事業をやりたい人がうまく行くようにするには、財務視点だけでは足らないわけで。

  • 新事業あるある。
    身につまされる。

  • 企業が本業とは別の事業、つまり「新規事業」を展開することで、傾きかけた会社が持ち直したというサクセスストーリーはよく聞かれる。が、その裏には99%の新規事業の失敗が存在する。

    経営者にすれば当然、そんなことはわかっちゃいる。しかし、経営者は新規事業にあこがれ、やりたがる。なぜなら、我の新規事業こそ成功間違いなしと思うからだ。そして、そんな新規事業に実際に携わるのは、社内で抜擢された担当者、「事業を創る人」だ。

    本書はそんな「事業を創る人」の苦労やプレッシャーをアンケート等で数値化し、企業が新規事業を成功させる最低限の不可欠要素を分析する。それは同時に、新規事業担当者哀歌だ。

    新規事業は短期間で成功すれば、皆ハッピー。が、多くの新規事業はそうじゃない。成功までの期間、担当者は本業の利益を食いつぶしているという罪の意識と周囲からの冷たい視線に打ちのめされる。ついには指示したはずの経営者からもバッシングを受ける。その結果、誰からの協力も得られず、担当者の心は病んでしまうのだ。

    経営者は絶対に新規事業を成功させるという決意を持ち、本業との相乗効果を考え、担当者への絶対的なバックアップを欠かさないことが必須。それは本業に専念することよりも、困難なことだったりする。新規事業は余力がある企業だけがやっとけってことだ。

  • 新規事業に対してのなんとなくネガティブなイメージを整理・分析し、取り組み方について提示されており、大変興味深い。

  • 新規事業の創り方を、人や組織の観点から研究し明らかにしていく本。
    普段、仕事でやっている、インターンを活用して企業が成長していくプロセスにとても似ているなと思った。新規事業の創出に白羽の矢を立てられた人が、既存事業部門から「何でそんな結果出ないことやってんだ」的なこと言われて会社での居場所がなくなっていくのとか、ただ「頑張れ!」と言われるだけで、何をどうしていいのか分からない「超無茶ぶり」とか…インターンの現場でも、似たようなことが起こっていたりする。

    未曽有の人材不足といわれる中で、もはや出来る人を採ることなんて普通の企業には恐らく不可能で、そもそも新卒であればそんなに能力も大して変わらないし、入社後にいかにチャレンジできる(&失敗できる)環境をつくり、人を育てていけるかどうか、に企業の生き残りがかかっている、のではないだろうか。

  • 外から見るとかっこいいが、当事者は悲哀に満ちた新規事業。これまでナラティブに語られていたこの特殊部隊を、組織論人事論の面から分析した学術的な書(底本となる学術論文は別にある)。この本を読んだからといって組織が変わるわけではないが少なくとも個人としての腹落ちはする。その腹落ちが持続的なモチベーションになる。イントレプレナーになる方の必読書となってほしい。

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著者プロフィール

1962年、富山県生れ。富山大学文学専攻科修了。ライター。著書に『健康法と癒しの社会史』『不安定だから強い 武術家・甲野善紀の世界』『技アリの身体になる』他。

「2018年 『北斎川柳 五七五で描いた北斎漫画の世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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