「事業を創る人」の大研究

著者 :
  • クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
3.51
  • (13)
  • (28)
  • (26)
  • (13)
  • (0)
本棚登録 : 380
感想 : 39
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784295401568

作品紹介・あらすじ

新規事業の敵は「社内」にあり!どのように担当者を選び、仕事を任せ、サポートするべきか?-人と組織の観点から、実証データに基づき、新規事業の問題にアプローチすることが本書の特徴です。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 忘却と借用はトレードオフになりがちであり、それを状況に応じて使い分けることが重要という内容。ストラテジックイノベーションと基本的には同じことを言っていると感じた。

  • んー、期待以下。事業開発の文脈で読むと外れる

  • 新規事業の成功の秘訣は優れたアイデアではなく、創れる人を見出す事という
    今までの新規事業に関して分析した結果を考察した本
    組織やネガティブな人に巻きこまれて
    精神的、体力的に新規事業を辞める人も多く
    創る人と、その創る人をどうサポートするかの方が重要であることを唱えた本

  • 企業が本業とは別の事業、つまり「新規事業」を展開することで、傾きかけた会社が持ち直したというサクセスストーリーはよく聞かれる。が、その裏には99%の新規事業の失敗が存在する。

    経営者にすれば当然、そんなことはわかっちゃいる。しかし、経営者は新規事業にあこがれ、やりたがる。なぜなら、我の新規事業こそ成功間違いなしと思うからだ。そして、そんな新規事業に実際に携わるのは、社内で抜擢された担当者、「事業を創る人」だ。

    本書はそんな「事業を創る人」の苦労やプレッシャーをアンケート等で数値化し、企業が新規事業を成功させる最低限の不可欠要素を分析する。それは同時に、新規事業担当者哀歌だ。

    新規事業は短期間で成功すれば、皆ハッピー。が、多くの新規事業はそうじゃない。成功までの期間、担当者は本業の利益を食いつぶしているという罪の意識と周囲からの冷たい視線に打ちのめされる。ついには指示したはずの経営者からもバッシングを受ける。その結果、誰からの協力も得られず、担当者の心は病んでしまうのだ。

    経営者は絶対に新規事業を成功させるという決意を持ち、本業との相乗効果を考え、担当者への絶対的なバックアップを欠かさないことが必須。それは本業に専念することよりも、困難なことだったりする。新規事業は余力がある企業だけがやっとけってことだ。

  • 自分の意志で異動した人が事業立ち上げで成功しているとは限らない、とか、経営トップがコミットしないで丸投げはアンチパターンとか、事業づくりの勘所が、データとともに紹介されている。事業も人も、一緒に育成するスタンスが重要、と何度も強調。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/704429

  • 事業立ち上げの研究は確かによく聞くけど、そういう人たちの研究って聞かないと思い、何か得るものがあればと手に取りましたが、中盤以降はそれまでとほぼほぼ同じことを繰り返しているだけなので、特に得るものがありませんでした。
    1つの事業に成功した人が書いたハウツー本ではなく、研究として様々な広範囲のデータからの結果が提示されているので記載されている内容の信頼性は高いだけに、残念でした。

  • 新規事業系のセミナーで紹介があった本。
    紹介でもあった通り、人と組織に着目された本であり、どのような構造を作ることが大事であるかについて記載されている良著。

    メモ
    ・新規事業の敵は組織の構造
    ・新規事業は数の勝負。挑戦母数をいかに増やすか
    ・新規事業を任せるとは、権限を付与し、新規事業を創るプロセスを伴奏しながら支援し、結果に対する責任を共有するということ
    ・既存事業との関連を無視して新規事業を考えることはできない
     社内外の様々な利害関係主体を巻き込み、資源を動員する組織的なプロセス
     経済成果を生み出す活動
    ・新規事業には市場開発、新製品サービス開発、多角化に分類可能
    ・新規事業、アイデアの創出以上に社内の理解・巻き込みに苦労しているケースが多い。
    ・資源動員の仕組みが伴っていない新規事業・アイデアは報われることなく機能しない。プラン採用後に資金や人員を動かせることを保証するメカニズムが重要
    ・新規事業の4つのジレンマと11の問題
     既存事業部門ジレンマ
      既存事業部門とのミスコミュニケーション
      既存事業部門からの批判
     経営層上司ジレンマ
      経営陣の反対
      上司による場当たり的なマネジメント
      上司による必勝前提としたマネジメント
     部下ジレンマ
      戦力人材を確保できない状況下でのマネジメント
      後手に回る部下の育成
      モチベーションの低い部下のマネジメント
     自己ジレンマ
      新規事業プランを生み出せないジレンマ
      過去の成功体験に基づく施工体系の適用と失敗
      新規事業部門の解散、または解散の危機
    ・新規事業には分析アプローチとポジティブアプローチどちらも必要。
    ・キーマンは経営者、新規事業経験のある上司、社外の新規事業担当者。
     経営層が管掌している新規事業ほど業績が上がりやすい
    ・社外の創る人と関係を持つことの効果
      事業での成果に対する効果
       知の探索による外部資源獲得
       事業アイデアに対する客観的評価の獲得
       著名効果の(社内政治効果)の活用
      事業を創る人の成長学びに対する効果
       置かれた境遇の相対化
       自己の市場価値の認識(自己効力感の増大)
       自組織に対するエンゲージメントの促進
    ・新規事業に肯定的な組織風土は新規事業業績にポジティブな影響
    ・風土づくりのキーワード
      会社の本機をトップ自らが示す
      創る人が損をしない仕組みを創る
      全員が事業を創る人になる仕掛けを用意する
      新規事業を前者で育てる育成事業と捉える

  • 読みやすいレベル感。独自のサーベイをベースにしているため説得力がある

  • 企業の新規事業開発における課題として、人と組織に焦点を当てた本。
    特に大企業の新規事業開発は人と組織が大きな問題になっており、統計的データやインタビューを交えて、その解決法を示す。

    近い領域で働く者としては違和感なくその通りと感じる内容が多かった。
    新たな発見は、アイデアより、社内交渉力が成功要因を握っているということ。
    色んな意味で組織の力は偉大だと感じた。

    企業の歯車でなくなり、個人として仕事のプロになるためには、他者に頼らない、自分で何とかする姿勢が必要と感じた。
    幼い頃から「チャレンジ慣れ」できる環境があればよいのかもしれない。

全39件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

立命館大学教授

「2024年 『〈学知史〉から近現代を問い直す』 で使われていた紹介文から引用しています。」

田中聡の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×