買い物ゼロ秒時代の未来地図2025年、人は「買い物」をしなくなる<生活者編>
- インプレス (2021年1月29日発売)


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本 ・本 / ISBN・EAN: 9784295404866
感想・レビュー・書評
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既に買い物の概念が変容している社会について、その手法がどう移り変わるのかを的確に予想されています。
小売業や卸業の人たちは必読の本ですね。前著に続き楽しめました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
タイトルどおりの本ですが、手に取ってパラパラと読みやすいレイアウトと印象的なフレーズが秀逸です。
・いまの人と人とのつながりとは、知らない人同士のオンライン上のつながり
・近所のスーパーは倉庫
・リアル店舗に行ったときには、すでに買うものは決まっている。リサーチ済みだから。
・いまの一等地はショッピングサイト上の目に付く位置
・時短したい、失敗したくない、が正義
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昨年初めに読んだ「人は買い物をしなくなる」の購入者目線番と言える一冊。
冒頭で著者も述べているが、あの本で述べてたことがこの1年で急速に浸透したな…
この本は購入者目線だからか、前作よりイメージしやすいと感じた。また実店舗はこれからも無くならない(形態は変わるが)という主張は、結構納得感あった。
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初心者に分かりやすく読みやすい等身大の本。リアル店舗は体験型。ECはファンベースの重要性。今後の変化した必要なリアル店舗の出店も楽しみ。
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「2025年、人は買い物をしなくなる」の続編。コロナ禍中の2021年2月発行。
少し前に出版された本になるので、目新しい内容ではないけれど、現代のEコマースの流れがまとまっていて読みやすい。
2025年にこうなると予測していたことがコロナによって前倒しになっていると。私自身も、インスタで商品を知ることが増えたし、生鮮は近所の店で買うようになった。
日本のデジタル厳しくないという本も多い中、ポジティブな論調で買い物好きとしては嬉しい。 -
本書では現代のオンラインでの消費の流れが区分されていたり、消費行動の時代の変化が解説されています。
欲しい物を検索したり、レビューを参考に比較したり、インフルエンサーの発信を見て購入、注文してから配達されるまでの時間も短くなり続け、届いた商品はSNSにアップする、という一連の流れはいつの間にか私たちの日常になっています。キャッシュレス決済はもちろん、リピートしている消耗品は必要なタイミングで定期的に届く設定もでき、買い物をしているという意識すら薄まっていると言えます。
しかしながら私の地元のように、未だに店舗での買い物が主流の田舎が日本には多く存在します。オンラインでの購買をしない田舎の多くの中高齢層は、人に会うために買い物を利用しているのではないかと感じます。つまり本書にもある通り、店舗での買い物はモノを消費しているというよりも、買い物という体験をするほうが目的と言えます。
加速していくデジタル化についてはアンテナを張って対応しなければならない反面、高齢社会においては対面での買い物を求める消費者少なくないことも忘れずに頭に置かなれけばならないとも思いました。
ビジネスをする側としても消費者としても、本当に重要なのは人間が何を考えてどう行動するかという、生きた情報。
未来の話というより、まさに変革の潮流の中にある〝今〟のオンラインでの消費についての一冊。 -
コロナの影響で買い物の未来も、時計の針が早回しされてしまった。人々の買い物への意識は間違いなく変わる。
今すでに相当に変化している状況であるが、体感として分かっている人はどれだけいるのだろうか。
自分自身を考えても、本当に店舗で購入する機会は減った。
そもそも物を買うという行為すら、格段に減っている気がする。
歳を取ったせいもあるし、断捨離と同時に「モノを持たない生活」に慣れてきたのもある。
逆に「いつでもポチリで手に入る」という安心感からか、「今買う必要ない」と思ってしまう心境の変化もある。
以前は自宅に所有しておかないと落ち着かなかったのに、AMAZONの倉庫に在庫があるだけで自己所有していることと同じだと錯覚してしまっている。
当然にコロナ影響は大きい。
必要最低限のものに囲まれていれば生きていけると分かってしまった。
その「必要最低限なもの」は、ボタンポチだけで届いてしまう状況だが、さらに言えばその「ボタンポチ」すら必要無くなっている。
(今現在でもAlexaに話しかけるだけで注文は出来てしまう)
本書のレビューについては賛否両論であるが、否の人は「ここに書かれていることはとっくに知っている。つまらない」という感想の人たち。
私の感覚的には、世の中の一般の方々はここまでの社会変化の理解はないのではないだろうか。
自分もビジネス書は読んでいるし、未来技術に関する興味もある方だから、これらのことは理解しているつもりでいるが、本書は非常に楽しく読めた。
当社のマーケティング部門の人たちには是非読ませて、内容について議論したいと思う書籍である。
感覚的に年代の差によって読後の感想が異なりそうだ。
是非若い人の意見も聞いてみたい。
今後は何をどう考えても「マス広告」という価値が激減していくことは間違いない。
人は欲しいものをピンポイントで検索できる訳であるし、高額な買い物ほど絶対に事前に調べてから購入に踏み切る。
すでに人の購買行動は大きく変わっているのだ。
印象的なCMを見て、人は商品を買うだろうか。
着飾った宣伝文句を人々は信じるのだろうか。
それよりも購入者のレビューを見た方が「信用できる」と思うのが自然なのではないか?
(事実、今でもあなたはそういう購買行動をしているはずだ)
一人一人の嗜好の傾向も、過去データによって完璧に予測できる時代が来ている。
消費財については、自宅の残数が減ったら自動で補充してくれるようになってくる。
そういう世界は消費者の立場であればすごく便利であるが、サービス提供者側、商品の販売者側から見たら非常に怖い。
いくら良質な商品を作っても、結局ポチリされなければ購入してもらえない訳だ。
今までのようなマスを利用した宣伝広告費は、無駄になりかねない。
レビューにネガティブなことを書かれたら、挽回は非常に難しいだろう。
デジタルシェルフをどうやって面として押さえていくかは、本当に難しい仕事だ。
店舗の実際の棚を獲得することも困難であったが、無限に並列に並べられるデジタルシェルフもまた難しい。
今後は「店舗」の役割についても大きく変わっていくはずだ。
コロナ後の日本では未だにスーパーマーケットなど有人レジで対応している。
非接触や人同士が対面しないことを考えると、確実に無人レジの方が清潔で安全なはずなのだ。
もし店舗で購入するならば、絶対に無人化される。
もし無人化されない店舗が残るならば、それは商品を販売するのではなく、「体験」をしてもらう場所のはずだ。
この「体験」ということに価値を置くことについては、これも相当に発想を変えなくてはいけない。
「日本は『おもてなし』の国だから大丈夫」というのは、思い上がりも甚だしい。
正しく顧客の視点に立って、体験の価値を測っていけるだろうか。
コロナになってもデジタル化が進まない日本で、どうやって『おもてなし』していくつもりなのか。
意識を変えて真剣に変革に取り組まないと、本当に生き残れない。
改めてそう感じるのだ。
(2022/3/29) -
分かりやすくて、参考になりました。
発想を変えていかないとなあ。 -
加速するデジタル化によって買い物行動がどう変わった、そしてどう変わっていくかについ書かれた本。マーケティングの視点で書かれているので、消費財のマーケターや小売業の戦略に関わる人は読んで損はない。
本書では、デジタル時代の買い物を、買い物の仕方と商品の探し方という軸で考察している。
Googleが提唱しているZMOT=Zero Moment of Truthは、これまで店頭でなされていた消費者の購買決定=Moment of truthが、店に来る段階で消費者は何を買うかを決めているという概念である。いわゆるカスタマージャーニーにおいて、店頭の重要性は低下している。代わりに著者が提唱するデジタルシェルフ、つまりネット上での情報の重要性が増しているという事だ。
また、ライブコマースが中国では盛んだが、日本ではそこまでの盛り上がりを見せていない理由は共感の違いだという。日本の場合、ライブ配信の中心はオタク市場である。一方で、商品知識の豊富なライバーが少ないため、なかなか盛り上がらないという。正直、これについては、少し早計のような気がする。日本の場合は、すでに店舗を構えている小売の存在が身近であり、東京都心であれば5分も歩けばドラッグストアやコンビニ、スーパーなどに行き当たる。まだ、アマゾンで注文すれば翌日には商品が届く。中国にはそうした小売インフラが整っていないし効率的な物流がまだ存在していないため、ライブコマースで買い物をするメリットは日本より多いと思われる。加えて、日本ではあからさまな売り込みは嫌われる傾向にあると思われるので、時にエゲツない中国のような販売方法はなかなか根付かないのではないだろうか。ただ、ライブコマースが日本ではまだまだ未開拓市場であり、やり方次第で今後の可能性はあるだろう。
消費行動の変容についても合点のいく議論が提起されている。ものが溢れる現代社会では、すでに欲しい物がなくなってきている。そうしたなか、消費者は欲しいのを探すから、欲しくなる物を探すに変わってきているという。Amazonや楽天では、欲しい物を探す目的型であるが、ZOZOタウンやメルカリでは、何か面白いもの、欲しくなりそうなものがないかと探す探索型の買い物プラットフォームである。メルカリの最大の価値は、売れる事であるのは知られているが、売れたときの楽しさと買ったときの楽しさを循環させているという。
著者は、マーケティングコンサルタント。本書は、デジタル時代におけるマーケティングの論点がユーザーのインサイトをベースに数多く提起されている。マーケターにとっては必読書である。 -
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