無(最高の状態)

著者 :
  • クロスメディア・パブリッシング
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感想 : 97
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784295405801

感想・レビュー・書評

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  • 人生における苦しみを最新研究のエビデンスにより、理解して対策しようというテーマの本。
    エビデンスが難解だったが、以下の3つの内容は参考になった。

    1.苦しみ=痛み×抵抗
    一の矢(痛み)は誰も避けられない。そこに現実への抵抗が加わることで、二の矢(苦しみ)が生まれる。

    2.アマゾン原住民のピダハン族の幸福度が高い理由
    ピダハン族は特定の宗教をもたず、ピダハン語の文法には過去や未来の概念がない。
    物事をありのままに受け取ることが大切。
    彼らは自分たちのことを"まっすぐな民"、外の人を"ひねくれ頭"と呼んでいる。

    3.現代の苦しみについて
    祖先が体験しなかった悩みや苦しみのある現代では、もはや進化が用意してくれた生存機能だけでは足りない。
    人生の痛みに立ち向かわず、受け入れることが大切。

    • shukawabestさん
      shukawabestです、こんばんは。
      「立ち向かわず、受け入れる」難しいけれど、そういう姿勢で臨まないと、人生後半、謳歌したり、感謝した...
      shukawabestです、こんばんは。
      「立ち向かわず、受け入れる」難しいけれど、そういう姿勢で臨まないと、人生後半、謳歌したり、感謝したりする感情は生まれてこないのでしょうね。これから、本番です。
      2022/06/27
    • なべさん
      shukawabestさん、おはようございます。
      なべです。

      この本を読んで、無駄な反応をせず人生楽しむことが大切だと思いました。

      いい...
      shukawabestさん、おはようございます。
      なべです。

      この本を読んで、無駄な反応をせず人生楽しむことが大切だと思いました。

      いいね!とコメントありがとうございます。
      2022/06/28
  •  どんなに前向きに生きようとしても、不安や怒りは尽きないものです。私はそんな不安や怒りを和らげるために様々な勉強をしてきました。

     本書で述べられている不安や怒りに対しての対象方は私のこれまでの考えを根本から覆すものでした。そもそもこれらに対し考えないことが正解だというのです。

     悲しみは受止め、怒りは分析し、不安は止めるこの3つの対処法が最適解だというのです。

     特に私が気に入ったのは不安を止める。つまり思考を止める訓練です。巷では瞑想が流行っているように感じますが、ようはそれです。本書では様々な瞑想法が挙げられています。呼吸に意識を向けるシンプルなものから、安心できる空間をイメージし、観察する「セープレイスワーク」。100から7を引き算するだけのすごく簡単な「暗算法」まで、なかなかわかりやすく述べられていました。

     文章自体は非常に読みやすいですが、論題が形のない感情や思想、禅のようなものばかりなので、全体の理解には非常に苦労しました。

     本書で紹介されている方法はどれも0円で始められるものばかりですので、さっそく実践していきたいと思います。

  • とても科学的に「最高の状態」になる方法が書かれており、参考になりました。
    特に、「脳は物語を作る!」という話は、とても興味深い話でした。
    ぜひぜひ読んでみて下さい。

  • 気にしいな人や心配性な人は読んでみるとよいと思います。
    心配事の97%は実際に起こらないというデータがあるらしいです。
    「いや、それなりに起こったと思うけど」と私は過去の記憶から思いましたが、それも膨大な心配事からすれば氷山の一角ということなのでしょうか。
    そもそも人間は「幸福」になるようにできておらず、苦しみがデフォルトだそうです。本書はその「苦しみ」の正体を紐解き、どのように対策をとればよいか書かれています。

    ざっくり「苦しみ」の正体を言うと、余計なことを考えるから(二の矢)苦しむのだ書いてあります。そしてその対策としては『降伏』が有効。「幸福には降伏」ってことですね。
    やりかたとしては脳のリソースを他のことに使って、余計なことを考えないこと『停止』、しょうもないことをいたずらに「自分ごと化」せず、受け入れつつ『観察』することだといいます。これが本書のタイトルである『無』という状態です。

    本書では『脳の物語製造機能』という生存本能からくるメカニズムについて書かれており、この機能の程度が「苦しみやすい人かどうか」につながるそうです。これを緩和するトレーニングも書かれていましたが、色々あってどれかに絞って実践するとしてもなかなか面倒そうです。そういったトレーニングをやっているコミュニティがあれば参加してもいいかと思いますが、いまのところ見つかりませんでした。

    いずれにせよ、自分の苦しみを論理的・客観的に捉えられるきっかけになる本ですので、生きづらい人は読んでみてください。

  • ➖本書のポイント➖
    ❶ 心配事は起こらない
    ❷ 間違った物語を脳内で作り出してしまう
    ❸ マインドフルネスが最強
    ➖メモとアクションプラン➖
    ❶心配事は起こらない
    →自分自身に「第二の矢」を打たない
    →起こっていないことを考えない
    ❷間違った物語を脳内で作り出してしまう
    →これは人間が持っている本能である
    →仕方がない仕様と理解し、受け止める
    ❸マインドフルネスが最強
    →「止想」や「観想」など単語が出てくるが結局のところ、マインドフルネスに着地する
    →「マインドフルネスな状態」になることで、自分に第二の矢を打たなくなる
    ★「我々が直面する重要な問題は、その問題を作り出したのと、同じ思考のレベルでは解決できない」
    →アインシュタインの言葉
    ★人以外の動物は明日のことをくよくよ考えない
    ★すべての苦しみは「自己」の問題に行き着く
    ★苦しみをこじらせる人は、すべてを「自分事」に捉えてしまう
    ★精神修養に欠かせない5つのポイント
    1.自分に適した方法を探し、試す
    2.マインドフルネスで過ごす
    3.深刻な問題からはすぐ逃げる
    4.幸福にも降伏する
    5.悟後の修行を続ける

  • ネガティブな心理を科学的な見地から分析するという主旨の本です。脳科学的か、宗教的なのかと言われると裏づけが弱い印象も受けましたが、いずれにしても人が感じる負の感情が、いかに感覚的かということを説明するには充分な内容でした。なにか悩み事が多い人にはぜひおすすめしたい一冊。

  • 2021.9.26読了
    ■きっかけ
    ・鈴木祐さんの本は何度か読んだことがあって共感できる部分が多く、新刊をネット上で見たため購入。

    ■感想
    ・毎日瞑想をする身にとっては、瞑想を行う上での考え方が非常に分かりやすく書かれていて、参考になった。
    ・人間は虚構の物語を作り、それを現実として認識しながら生きているという捉え方は、かなり共感できる。その物語を客観的に見れるようにするためにマインドフルネス瞑想が必要なのだと気付かされた。
    ・日常生活を行う上で、次から次へと湧いてくる考えや物語との向き合い方を考えさせられる1冊。定期的に読み直したいと思った。

  • ■感想
    タスクがあまりにも多く面食らってしまったが、そもそも、「これさえやれば大丈夫」と全員に当てはまるようなものは存在しないのだなと改めて実感。
    今の自分が出来そうなことから1個でも2個でも行動に移すことが大事。

    ■今後の行動
    ・キレそうになった時は、とりあえず6秒待つ
    ・幸福へ意識が向いたら、「また幸福を求める気持ちが出てきた」と自己観察する

  • コメントいただけると学びになるので嬉しいです。

    「最高の体調」を読んでから著者の本は全て読んでいます。
    少し実践するのに抵抗を感じる部分があるので「無」に関しては星3つにしました。

    1 本の概要
      生きづらさ等の「苦しみ」を緩和して幸福度など
    のポジティブな要素を向上させる方法は無我に至る
    事であり、そのメカニズムと無我に至る近づく方法
    を科学的な面と古典的な面を交えて教えてくれる本

    2 アウトライン
    (1) 苦
    苦しみの科学的な説明。苦しみとは?
    (2) 自己
    自己とは?「アーミーナイフの様なもの」
    (3) 虚構
       人の脳は「物語」を作る様に出来ている。
    (4) 結界
       自己を克服するには苦痛が伴うので「結界」が
     必要(セーフプレイス等)
    (5) 悪法
    歪んだ物語を作成する貴方に内在する18の悪法
    (6) 降伏
       諦めの様なネガティブななことでは無い。
      現実をありのままに認知する事。とてもアクティ
      ブな事
    (7) 無我
    無我に至るには?至ると幸福度が増し苦しみが
    減る。
    (8) 智慧
       智慧があると困難に直面しても冷静に行動でき
      て、自分や他人の感情を注意深く考察できて、人
      生経験から得た知識を正しく利用できる。

    3 著者の問題提起
      狩猟採集民族よりも明らかに楽な生活を送ってい
     る先進国の人間の方が、生き辛さを感じ、思い悩
     み、心を病み、自死を選ぶ。何故この様な事になる
     のか?
     どうすれば狩猟採集民族の様に思い悩まず生きてい
     けるのか?

    4 重要な語句
    (1) 自己とはアーミーナイフのようなもの。
      高次にあるものでは無く人類が生存に必要な機
    能の一つ。
    (2) 悪法
       成長の過程で身についてしまったクセ。物語の
      作り方。価値観。
    (3) グラウンディング
       自己を現在に戻す方法
    (4) 無我
       他との「境界」が薄れたり無くなる境地。あら
    ゆる欲望を捨て去ることでは無い。

    5 命題に至った理由
      「人類は皆生まれつきネガティブである。生存す
      るための機能である。これが苦の正体である。人類
      は苦から逃れることは出来ないのだろうか?」

    6 重要な語句
    (1) 私とは生命の維持機能がもたらす明滅である。
      人体の機能の中での高次な存在では無い。
    (2) 降伏
       アクティブに現実を認知する。
    (3) 無我
       無我とは他との境界を無くす境地

    7 著者の解
      仏教や最新の科学が苦から逃れられる事と、逃れ  
    方を教えてくれている。「二の矢」を放たない方法
    は存在する。

    8 感想
    歓想の難易度の高さが印象的取り組もうと思う。
    語想は毎日取り組んでいるので(TMの事)続けて行き
    たい。結界、悪法、降伏等の具体的な取り組みは面
    倒に感じた。今はやろうとは思わない。とは言うも
    のの無我に至りたい気持ちはあるので悩ましい。
       

  • 世界情勢の変化やその煽りを受けてか、どこか心の中が不安であり、幸せであってもそれがいつか消えてしまうのではないか...
    そんな背景から手に取った本。

    タイトルがなんとも仏教的であり、スピリチュアルな雰囲気だが、内容は論理的であり、文献やデータ等を用いて語られているので説得力がある。

    人間は生まれつきネガティブであり、ネガティブなのが当たり前であるということや、不安や不幸、苦しみは「自己」が作り出すということから本書は始まる。
    苦しみや痛みそのものではなく、そこから生み出される「物語」から人は苦しむのだという。

    このあたり、個人的にうなずけることばかりだった。

    辛い経験をしている最中は「こんなに苦しいのは過去にこんなことがあったせいだ」とおもっていても、今が幸せなら「あのときの経験があったおかげで今が幸せなんだ」と思うのも、自己が生み出した「物語」だ。

    辛いときやしんどいとき、何か別のことをしてみたり、忙しくしたりすることで辛さから免れるというのも、「自己」を忘れるからだろう。

    自己を忘れれば忘れるほど、人は幸せになるし、自己にとらわれれば囚われるほど、人は不幸になる。

    そして、幸せになろう、幸せでなければいけないと幸福を追求するとかえって不幸になるというのも経験上、おおいにうなずけた。

    自己から抜け出す技法や精神修養を実際に行うかは別にしても、私たちの行動を縛る「悪法」は読んでおいて損はない。
    誰しも当てはまる悪法があるはずなのだから。

    この本をお勧めするのは、「はじめに」でも語られているように、未来に明るい展望を感じられない、すべてから逃げたい人や、他人の何気ない発言に傷ついてしまう人、生きる意味を感じられない人におすすめの内容である。

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著者プロフィール

新進気鋭のサイエンスライター。1976年生まれ、慶應義塾大学SFC卒業後、出版社勤務を経て独立。10万本の科学論文の読破と600人を超える海外の学者や専門医へのインタビューを重ねながら、現在はヘルスケアや生産性向上をテーマとした書籍や雑誌の執筆を手がける。自身のブログ「パレオな男」で心理、健康、科学に関する最新の知見を紹介し続け、月間250万PVを達成。近年はヘルスケア企業などを中心に、科学的なエビデンスの見分け方などを伝える講演なども行っている。著書に『最高の体調』『科学的な適職』(クロスメディア・パブリッシング)、『ヤバい集中力』(SBクリエイティブ)他多数。

「2020年 『ヤバい集中力ノート』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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