- 本 ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784296118007
作品紹介・あらすじ
「丸山さんの下でプレイステーションの仕事をしたとき、
丸山さんのためだったら本当に頑張れるぞって心から思いました。
(中略)人間としてすごくリスペクトできるし、大好きだからなんです」
――ソニー元社長・平井一夫氏
「丸さんは僕にとって、もちろん最高のプロデューサー。
丸さんがプロデュースした人はたくさんいるじゃないですか。
それがみんなすごい」
――プレイステーション開発者 久夛良木健氏
小室哲哉、佐野元春、シャネルズ、ドリームズ・カム・トゥルー……
ロックを日本に根付かせたレーベル、EPIC・ソニーの立役者。
そして、プレイステーション実現のキーパーソン。
エンタメ業界でさまざまな「革命」を裏で支えた黒子が語る!
平井一夫氏、久夛良木健氏との対談を収録。
「私は大勢の個性あふれる人たちの隣で働く機会に恵まれた。
私自身に特別な才はなく、運以外の何物でもない。
彼らが浴びるスポットライトの光が少し私にも漏れてきて、
図らずも『ちょっと目立つ黒子』になったのだ」
(本文より)
【本書の主な内容】
・革命児の世話役
・マネジメントの原点はラグビー部の監督
・「おっかない人」に学ぶ
・給料と肩書でやる気を引き出す
・お見合いは「プレゼン」
・すいているからロックをやった
・シャネルズに学んだ「売り出し方」
・「ゆがんだ感じの人」を採用
・「Do it(ドゥー・イット)」会議
・6人の創業者
・小室哲哉を貸し出す
・若手社員の一言で退任を決意
・計算違いで沖縄から撤退
・不得意な役割を演じてはいけない
・面白い人生
感想・レビュー・書評
-
わたしのメンターのメンター。
メジャーな場でオルタナティブなことをやる。
その姿勢があの頃のEPICやプレステのありかたにそのままつながっていたことがよくわかった。
わたしのメンターもそう。すごい手本がすぐ側にいたんだな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
正直前段の「私の履歴書」の加筆改訂版部分はあまり面白くなく、ソニーにおけるミュージック関連事業で、時代の波に乗り小室哲哉などを発掘し、そのままプレステまでプロデュースした人、という印象であった。ここで終わると星2だったが、後段の平井氏と久夛良木氏との対談で評価は大いに変わった。
平井氏は傍流から這い上がった今や名経営者だが、彼をプレステのアメリカ展開という中で見出し、アメリカの社長に抜擢したことが、丸山氏の大いなる功績。この抜擢がなければ平井社長は生まれなかった。
また気難しい天才久夛良木氏を持ってして、名プロデューサー、そして同じ時期に退職した同志と言わしめた彼の功績は偉大である。
なお、久夛良木氏の会話には名言が多く、
「大賀さん、ソニーはこのまま引っ込んでしまうような会社なんですか?」
「戦うというのは同業者が相手じゃないんですよ。未来と戦うんだよ。」
「丸さんに「辞めるから」と言ったら、「じゃあ俺も辞める」と丸さんは言う。「いや、丸さんは残ってください」と言ったら、「いや、クタちゃんがいなきゃ面白くねえもん。俺も辞める」と。そう言ってくれた時には、この信頼感はすごいなと。…あのときはうれしかったねえ。」
なお、久夛良木氏を評価する丸山氏のこのコメントも良かった。
「そういう変人と一緒に仕事をしていたんだから、オレって人間の器がでかいよな」と、そう勘違いしていた。でも、そうじゃないんだなということだね。
プレステ誕生はソニーの輝かしい歴史でありながら、相当に鬱屈したプロセスがあり、だからこそ同志であったメンバーは深い絆で結ばれているのだと理解した。