絶望を希望に変える経済学 社会の重大問題をどう解決するか (日経ビジネス人文庫)
- 日経BP (2024年4月3日発売)


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本 ・本 (592ページ) / ISBN・EAN: 9784296119950
作品紹介・あらすじ
2019年ノーベル経済学賞受賞者による受賞第一作、待望の文庫化
いま、あらゆる国で、議論の膠着化が見られる。多くの政治指導者がひたすら怒りを煽り、不信感を蔓延させ、二極化を深刻化させている。対立する人々は、話し合いをすることもままならなくなっている。ますます建設的な行動を起こせなくなり、課題が放置されるという悪循環が起きている。
* * *
社会全体を覆う「危機」において、経済学と社会政策は重要な役回りを演じている。
●市場から見捨てられた人々を社会はどう救うか。
●成長を回復するために何ができるか。
●急拡大する不平等に打つ手はあるか。
●貿易は不平等にどのような影響をもたらすのか。
●貿易の未来はどうなるのか。
●移民問題にはどう取り組むのか。
●新技術にどう対応するのか。
* * *
だが、「経済学者」への世間の信用度は、「政治家」に次いで二番目に低い。どうしたら「まともで良い経済学」の最新の知見を、もっと一般の方々に活用してもらえるようになるのだろうか。
よりよい世界にするために、経済学にできることを真正面から問いかける、希望の書。
感想・レビュー・書評
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ノーベル経済学賞を取得した2人の経済学者が書いた本だけあって素晴らしい内容である。数式が一つも登場せずに、経済学者が今まで言っていたことが、人類の幸福実現に役に立っていないことを指摘している。
格差が拡大し続ける現在の資本主義経済下では、絶望するしかない現状にとって、大切なことはただ単にお金を補助するのではなく、人間の尊厳を大切にすることだと説く。ただ、その具体的方法については曖昧に触れているだけだった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
図書館本
良い経済学には何ができるのかを問うたもの。
ユニバーサルベーシックインカムの話が印象的。
あと、機械による人員削減で、機械にはできないプログラマーや犬の散歩があって、プログラマーが犬の散歩を頼むとして、
格差は大きくなる、みたいな話も。 -
背ラベル:331-バ
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配架場所・貸出状況はこちらからご確認ください。
https://www.cku.ac.jp/CARIN/CARINOPACLINK.HTM?AL=10284123 -
2019年に原著は発行されており、すでにトランプ政権による混乱が記述されている。移民を受け入れると社会がダメになる、という主張の無根拠さや、貿易の負の影響、関税がもたらす複雑な効果についても説明されていて、今読んでも役に立つ。
何より、「無知と直感とイデオロギーと無気力の組み合わせ」から生まれる残念な結果を避けたい人にとっては、データとエビデンスに基づいた経済学、社会科学の価値を再認識できる。 -
問題提起は良いのだが、代替となる理論や方法論があいまい。
米国人(正確には著者は米国人ではないが)の書いた本には冗長なものが少なくない。本書ももう少し簡潔に要点を書いて欲しい。
著者プロフィール
エステル・デュフロの作品





