いかなる時代環境でも利益を出す仕組み (日経ビジネス人文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784296120154

作品紹介・あらすじ

危機のときに必ず業績が飛躍的に伸びるのはなぜか?
「15の選択」で会社は根本から変わる

■新製品の売り上げ比率は50%以上
■設備稼働率は70%以下にとどめる
■「選択と集中」「選択と分散」をバランス

感想・レビュー・書評

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  • 今後のビジネスの戦略を考えるに、とても参考になる一冊でした!

    アイリスオーヤマが、オイルショックの頃からあったなんて、びっくりです。これだけ時代の変化に対応しながら企業を成長させてきた大山さんはやっぱ凄い。

    その主張は、トヨタのカンバン方式に相対するように、「変化に対応できる余裕をもっておくことが大切」といったもの等。

    - 松下幸之助も言っていました。一割、二割を値下げするのは難しいけれど、半値にしろと言われたら知恵が出る。

    - 高い位置にターゲットが定まれば、別方向から新しいヒントが出てくるのです。イノベーションとは不可能なことを可能にすることであり、それを可能にするのが、「ユーザーのためにこの不可能を実現しなければ」というユーザーインの執念です。

    - 「ジャスト・イン・システム」によって、大きなチャンスを逃すこともあるのです。目の前で需要が急拡大しても対応できない。「在庫は悪である」と信じている会社は、設備も倉庫も人員もギリギリ、大きな需要変動には弱い組織となっています。

    - 目先の効率を追って外注生産ばかりしていると、自社に蓄積されるのはマーケティングや営業機能等、一部になりかねない。どこまで内製化するかよく考える必要がある。

  • 継続は経営者の思想次第
    未上場で親族系の典型的な経営戦略がここにある。だが現状多くの商習慣的、形式的経営にハマらない、時代・市場に見合うタイムリーな情報の共有、製品開発をスピード感を持った判断と決断は素晴らしく、強みだ。驚きなのは基本的な予算を組まず、年間1千種以上の新製品を出す仕組み(生産・物流・問屋機能を持つ)と社員管理(毎週・毎月の定期的な開発会議・ICジャーナル(日報)、会社・社員の評価・育成(実績・能力・360度評価)で切れ間なくフォローしている仕組みは素晴らしい。社風である「ピンチはチャンス」ではなく「ピンチがチャンス」、「ユーザーイン」と言われる「役にたつ・使い勝手がいい」を重視した企業。生き残る為に下請けでも自社ブランドを持つことの経営革新を提案している。

  • ところどころに刺さる文言がある良本です。

  • やはりオーナー経営者は違う、という感を改めて持った本。
    長期的視点、ユーザーインで経営を行っている。
    もとはプラスチック成型の下請け工場、それがブイやプランターなど自社ブランドを持つことで目覚め、
    現在の、押しも押されぬ「アイリス」ブランドを持つ企業になっている。
    前回読んだ豆腐屋社長の本に通じるものがある。

    利益を出す仕組みにこだわり、工場は7割稼働まで。
    それ以上の稼働率になったら新工場を建てる、というからすごい。
    「効率」だけ考えたら100%が当たり前、になりそう。

    経営トップがしっかりした理念を持てば、社員は余計な「政治」をせず、
    業務に専念できる。
    すばらしい。

    ただ、、オーナー会社の弱みはあるはず。
    今はマーケティング会議で最後は会長の目利きで商品化が決まるという。
    ここに忖度はないのか?
    いや、もちろん、彼が一番すごい目を持っているとは思う。
    しかし、
    兄弟や子供を幹部に登用しているところからすると、、、
    一族がみな優れているとは限るまい。
    何の根拠もないが、そこに一抹の不安?を覚える。

    なので、代替わりしても大丈夫、という会長の考え通りになるか、見てみたいものだ。

    それ以外はすべてうなづけるものばかり。
    会社はトップの考え次第だ、と改めて思う。


    序章 効率偏重経営の終わり

    CHOICE 1 「環境変化に対応する」か「環境を自ら変革する」か

    1章 製品開発力 売れる製品を最速で大量に生む仕組み

    CHOICE 2 フォーカスするのは「買う人」か「使う人」か
    CHOICE 3 KPIの目的は「業績向上」か「新陳代謝」か
    CHOICE 4 開発は「リレー型」か「伴走型」か

    2章 市場創造力 流通を主導し、顧客と結びつく仕組み

    CHOICE 5 「自社の強みに絞る」か「自社の強みを絞らない」か
    CHOICE 6 強みは「固有の技術」か「固有の仕組み」か

    3章 瞬発対応力 急な外的変化を成長に取り込む仕組み

    CHOICE 7 上げたいのは「稼働率」か「瞬発力」か
    CHOICE 8 瞬発力があるのは「身軽な外注」か「柔軟な内製」か
    CHOICE 9 「選択と集中」か「選択と分散」か
    CHOICE 10 「短期の効率」か「中期の効率」か

    4章 組織活性力 仕事の属人化を徹底的に排する仕組み

    CHOICE 11 社長にとって「いい会社」か社員にとって「いい会社」か
    CHOICE 12 経営情報を「独占する」か「共有する」か
    CHOICE 13 組織内に「ヌシがいる」か「ヌシがいない」か

    5章 利益管理力 高速のPDCAで赤字製品を潰す仕組み

    CHOICE 14 PDCAの要所は「PLAN」か「ACTION」か

    6章 仕組みの横展開

    7章 ニューノーマル時代の経営
    CHOICE15 業界は「守るべきもの」か「壊すべきもの」か

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著者プロフィール

アイリスグループ会長、アイリスオーヤマ株式会社 代表取締役社長
1945年大阪府生まれ。64年大山ブロー工業代表者に就任。91年アイリスオーヤマに社名変更。
仙台経済同友会 代表幹事、日本ニュービジネス協議会連合会 副会長、東北経済連合会 副会長、東北大学 総長顧問、復興庁復興推進委員会 委員を務める。
1990年第1回ニュービジネス大賞(主催:社団法人ニュービジネス協議会)、2004年中国大連市栄誉公民、09年藍綬褒章、同年仙台市特別市政功労者賞。
著作に『メーカーベンダーのマーケティング戦略』(共著)『ホームソリューション・マネジメント』『ピンチはビッグチャンス』(以上ダイヤモンド社)『ロングセラーが会社をダメにする』(日経BP社)がある。

「2016年 『アイリスオーヤマの経営理念 大山健太郎 私の履歴書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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