それでも僕らは、屋上で誰かを想っていた (宝島社文庫)

著者 :
  • 宝島社
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (343ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784299001061

感想・レビュー・書評

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  • 高校生の青春物語。
    こう書くと爽やかな響きだが、そうだよ青春って苦しいんだ。
    そう改めて感じた一冊。
    読んでいて、心の中を引っ掻き回される感じ。
    閉じ込めていた想いを引っ張り出される感覚。
    痛くて苦しい。

    学校の屋上で昼休みを共に過ごす5人の友情。そして亀裂。
    各章、5人それぞれの視点から描かれている。
    傷つき、傷つけ、涙し、苦しむ。
    それでも相手の事を思い遣る。
    そんな「生きること」にしっかり向き合う彼等には、きっと素敵な未来が訪れるはず。

  • 読んでいてどうしようもない、もどかしい気持ちになった。変わらないものなんてなくて、それぞれ考えていることも感じることも違って。
    傷つくのは怖いけど、傷つけるのも辛い。5人はバラバラに進んでいったけれど、屋上で誰かを想ったことはそれぞれの記憶に残っていくのかな。そんなこともあった、青春だったと笑い合う日が来たらいいな。

  • あぁ、櫻いいよの物語だな。
    ページをめくるたびにそう思う。
    そこかしらにわたしの知る彼女がいるし、彼女の描きたい「人」が溢れてる。


    彼女は決して人を否定しないんですよね。
    どんな人間も受け入れてくれる。
    どんなに歪んでいても、どんなに正しくなくても、否定しない。
    どんな悩みも、どんな想いも、どんな気持ちも。
    受け入れてくれる。

    若い世代にも読んで欲しいし、親の世代にも読んで欲しいかな。

    否定せずに、まずは認めること。
    ごまかさないこと。

    新しい一年のはじめに、初心に帰れたような気がします。


    五人の未来が幸せでありますように。

  • 高校生らしい、本当に苦い青春のお話。大人になって、それぞれが新たな経験をして、笑い話にできるようになってほしいね

  • 913-S
    文庫

  • 切なかったけど自分やまわりの友達の中にもこんな気持ちが隠れてるんだなと改めて感じた。

  • 携帯小説を想起させる一冊。
    ただなんとなく、展開が無理やりというか、、、

  • みんな自分を悲劇のヒロインだと思ってる。そうでもしなきゃ嫉妬や羨望で歪んだ自分の心を保つことができないんだろうなぁ。非現実的ないい子ちゃんキャラがいなくてみんな人間味があった。屋上に集まってだべる日々が戻るのかな、と思いきや、元には戻らない関係性。まじかー!と最初は思ったけど、現実的に考えると確かにこうなるよね。仲良しこよし、ちゃんちゃん。という結末よりこっちの方が全然リアルでいい。

  • 「僕等の空」
    何度も見てきた姿が隣に。
    幼馴染で家族みたいな存在というのは、近すぎるからこそ気付かない事もあるのではないのだろうか。
    皆に報告する際、彼の本心は一体何を叫んで居たのか気になるな。

    「赤い夕焼け」
    君と共に居れるのならば。
    言葉にしなければ何も始まらないし伝わらないが、どうにもならない事だってあるよな。
    爆発するとの忠告通りの結果になってしまったが、今後どうなってしまうのか不安しかないな。

    「黄色の雷」
    自分を偽り隠してたのは。
    彼女はどんな気持ちであの場にずっと居たのか、自分でも気付いていない事が沢山ありそうだな。
    拠り所は無くなるかも知れないが、彼女から別れを告げなければ最低な彼は傷を抉るだけだろうな。

    「黒い夜空」
    君となら茨の道でも進む。
    複雑すぎる関係に彼女と彼は何も言わず、ずっと気付いても見て見ぬふりをしていたのだろうか。
    あれだけ計算高い彼女なのだから、きっと何が起きても自分は可哀想な子を演じるのだろうな。

    「灰色の雲」
    どんどん歪になる関係と。
    最初から嘘で固められた場所だったのかもしれないが、楽しかった日々全てを否定は出来ないはず。
    ヘラヘラと笑って誤魔化す彼は一体何がしたいのか分からないが、全ての始まりは彼だろうな。

    「水色の雨」
    真実を知る権利は平等に。
    彼は現実から逃げていた弱虫でもあるが、常に笑顔を絶やさなかった強い者でもあるよな。
    同じ傷を増やしたく無い気持ちは分かるが、相手の想いまで絶やすのは自分勝手な言動だろうな。

    「白い朝」
    最後に皆が足を運ぶのは。
    何だかんだ思い出の一つであり、各々が自らと向き合った場所でもあるからな。
    誰一人とて言葉にしなかったが、当たり前と言ってしまえばそれまでの結果だろうな。

  • 結末としては……ハッピーではなかったので残念な気持ちになった。このような結末もありかと思った。最後はやはり付き合って欲しかった。

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著者プロフィール

2015年、スターツ出版文庫創刊を飾った『君が落とした青空』が22年に実写映画化。また17年からロングヒットの「交換ウソ日記」シリーズは累計40万部を突破し、10代女子を中心に人気を博している。他著に『わたしは告白ができない。』『世界は「」で沈んでいく』『世界は「」で満ちている』など人気作多数。

「2023年 『小戸森さんちはこの坂道の上』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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