MMTが日本を救う (宝島社新書)

著者 :
  • 宝島社
3.45
  • (0)
  • (9)
  • (11)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 103
感想 : 13
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784299005885

作品紹介・あらすじ

安倍総理の経済ブレーンであった藤井聡氏などが提唱している財政政策のひとつ「MMT(現代貨幣理論)」。令和に入りつるべ落としに日本経済が傾く中で、この理論についての関心が高まっています。本書は気鋭の経済アナリストがMMTの概論と、日本経済にどう用いると景気浮揚のカンフル剤になるのか、わかりやすく説明。「モズラーの名刺」の逸話など、わかりやすい事例を用いて、MMTが前提とする話などを丁寧に記します。消費増税の影響やコロナ不況など、一般層が経済政策を知る必要が出てきている今、専門用語や数式をほぼ使わずに、視覚的に理解できるグラフを多用してやさしく解説します。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 【進化経済】
    中野剛志さんの『目からウロコが落ちる奇跡の経済教室』の方がわかりやすかったように思います。

    ただ、ウォーレン・モズラーの名刺の話はなるほどです。

  • MMTの肯定的な面だけでなくハーベイロードの前提など否定的な面も解説されていて勉強になった
    ただ、MMTについて中立の立場から解説されているため、タイトルに違和感があった

  • 332-M
    閲覧新書

  • 「Modern Monetary Theory」の略称で「MMT」ともいい、「現代金融理論」と呼ぶ場合もある。

    現代貨幣理論の代表的な主張をまとめると、
    ・自国通貨を発行できる政府は財政赤字を拡大しても債務不履行になることはない
    ・財政赤字でも国はインフレが起きない範囲で支出を行うべき
    ・税は財源ではなく通貨を流通させる仕組みである
    という考え方で、やや楽観的な見方なのか?
    注目されつつも、否定することも多い理論。今後に注目。

  • MMTについて分かりやすく、できるだけ中立の立場で書かれている本です。

    MMTについての説明箇所は、過去に出版されている「目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室(中野剛志著)」とほぼ同じ内容です。
    本書では、それに追加して、MMTの反対派の意見を多く取り上げることで中立的な立場からMMTを説明していたり、コロナウイルスの影響による影響などの内容が書かれております。

    現在、コロナ対策としてアメリカが行っている政策は、ほぼMMTですね。
    財政出動により完全雇用を目指しており、インフレ率が上がりすぎない範囲で政府がお金を使うという。
    自国通貨はほぼ無声ゲインに発行することも可能なので、こういった状況においては財政赤字になっても雇用とインフレ率を優先しているのですね。

    MMT理論で実際の政策を行っている国がまだないのがリスクですね。
    財政赤字が拡大するので、何か理論に見落としがあった場合に取り返しがつかなくなるような危険性があり、どの国もその実験体になりたくないのでしょう。
    ただ、日本の行っている金融政策でインフレ率も大して改善していないので、金融でなく政府主導の政策で対策しないとと考えるのは自然な流れかと思います。

    個人的に意外だったのが、本書に書かれていたが、MMT理論はベーシックインカムには否定的という点。
    自国通貨を発行できる国は破綻しないという理論なのだから、ベーシックインカムには肯定的なのかと勝手に思っていたけれど違うのですね。
    MMTでは税の支払い能力があることで通貨には価値があるという理論なので、ベーシックインカムはそこが曖昧になってしまうからのようです。

    ジョブギャランティープログラム(JGP)というのも本書で知りました。
    政府主導で完全雇用のための仕事を労働者に提供するというような制度のようで、これによって働きたいけど仕事がないという人がいない状態になるとのこと。
    この制度の導入のためには民間企業と今日するような仕事は避けないといけないため、何の仕事を行うのかが難しいとのこと。

    個人的に思ったのは、宅配の仕事なんていいのではないかということ。
    例えば飲食店の宅配を、JGPの労働者が行い、飲食店からJGPへの支払いは格安にし配送費は国が負担する。飲食店に休業要請して何万円もばらまいているならこういったこともできるのではないですかね。

  • MMTはちゃんとした人が制御すればハイパーインフレを防げると。でも選挙でちゃんとした人を選ぶのが一番難しいよね。
    あと、MMTがいくら正しくても国民の大半が信じてくれないと意味ないよね。経済って壮大な茶番だから、大半が信じてくれないと意味が無い。

  • タイトルがミスリーディング。
    筆者は一応、できるだけ中立(MMT推進!という立場でも意見でもない)にMMTという理論について、それが熱望されたり、貶められたりする背景などを整理して書いていて、分かりやすい。
    筆者の意見としては、帯の裏側に書いてある通り、「金融政策」と「財政出動」が必要だ!ということ。

    ヨーロッパでも空前の財政出動が取られ、アメリカでは400兆円もの財政出動がなされる中、日本政府は日本に住む人々を守る気は無いのだろうか。

  • MMT(現代貨幣理論)に関する入門書。
    極端に見える部分だけ取り上げて、否定的に見なくてもいいんじゃない?という問いかけがなされていて、経済学素人でも分かりやすかたです。
    意図せず日本がMMTを結果的に実践してきた国になっている、というのはそうかと思った。

    なお、著者は森永卓郎の息子というのがへぇ〜って感じました。

  • MMTが日本を救うのかどうかはこの本を読んでも全然分からない。経済、金融の基礎の基礎。ベーシックインカムなども、ほんのちょっと触れてますが物足りない感じ。

  • タイトルだけを見ると、「MMTという理論が日本経済を救う」と読めますが、そうではなく、現在の日本政府の財政出動を渋る姿勢を憂慮して、その緊縮政策の対抗策としてMMTの考え方の一部は完全に否定するものではないという考え方を著した一冊です。全体的に、経済学初心者でもとっつきやすいように数式は殆どなく、第5章には経済の素人が頭に入れておいた方がよい経済学の用語も纏められています。第一によくMMTが間違われるのはMMTは、経済理論なのではないかということですが、そうではなく(Modern Maney Cheory)現代貨幣理論という貨幣の理論であると本書では説いています。
    一章から現在の日本の経済状況と、コロナによる経済の疲弊、MMTに関して市井で行われている誤解などの説明が続きます。
    いつも、リフレ派の先生方の本を中心に読んでいるので、それらの本とは若干違った視点からの経済論を読むことができました。

全13件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

経済アナリスト

証券会社や運用会社にてアナリスト、ストラテジストとして日本の中小型株式や新興国経済のリサーチ業務に従事。業務範囲は海外に広がり、インドネシア、台湾などアジア各国にて新規事業の立ち上げや法人設立を経験し、事業責任者やCEOを歴任。その後、2018年6月に金融教育ベンチャーの株式会社マネネを設立。現在は経済アナリストとして執筆や講演をしながら、AIベンチャーのCFOも兼任するなど、国内外複数のベンチャー企業の経営にも参画。『スタグフレーションの時代』(宝島社新書)や父・森永卓郎との共著『親子ゼニ問答』(角川新書)など著書多数。
日本証券アナリスト協会検定会員。YouTube番組「森永康平のビズアップチャンネル」を運営。

「2022年 『大値上がり時代のスゴイお金戦略』 で使われていた紹介文から引用しています。」

森永康平の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
リンダ グラット...
アンデシュ・ハン...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×