【2022年・第20回「このミステリーがすごい! 大賞」文庫グランプリ受賞作】密室黄金時代の殺人 雪の館と六つのトリック (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

著者 :
  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (411ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784299026460

作品紹介・あらすじ

第20回(2022年)『このミステリーがすごい!』大賞・文庫グランプリ受賞作。
3年間で約300件の密室殺人が起きる日本が舞台。密室探偵のランキングが公表され、法務省の作成した密室分類をもとに密室講義が行われる――漫画めいた世界を設定し、クローズドサークルの連続密室殺人を描いた、新人作家・鴨崎暖炉(かもさき・だんろ)による濃厚な本格ミステリーです。

感想・レビュー・書評

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  • 密室黄金時代、それは日本で初めて密室殺人が起きた事件を機に世界的なブームとなる。

    本作『密室黄金時代の殺人』は個人的に大好物の高校生探偵モノの密室殺人ミステリです。物語の主人公(葛白香澄)は高校2年の男子高生。幼馴染でもあり、お姉さん的な朝比奈夜月(大学生)に連れられて、とある雪山の館(ホテル)を訪れる。そして、そこには葛白たち以外の客もいるのだが、突如として館はクローズド・サークルへ変貌し、いくつもの密室殺人が巻き起こる。

    「いやぁ〜、たまらない設定です♪」(私)
    「気持ち悪い。ストーカーみたいね」(少女M)
    彼女は嫌悪感を露わにした。私はとても傷ついた。

    冒頭から、↑こんなノリで主人公の心情がちょいちょい出てきてクスクス笑いながら、密室トリックに驚嘆しながら、最後は次回作の匂いまで残して、もう読むしかないやん!!

    1つの作品で、これでもかと複数の密室殺人を描きながら、また登場人物の個性もハッキリ描きながら良い読後感に浸れる本作は、青崎有吾さんの裏染天馬シリーズと似ているなと感じたので、裏染天馬シリーズがお好きな方にオススメします♪

    さて、次回作も購入済みなので早速読むかな♪

  • いろんな密室のトリックと密室の15条プラス1条を考えれるこの作者の頭の構造は理解出来ませんでした。
    密室トリックの解決編を聞くと不可能と思っていた密室が解けていくのはなんとも言い難いスッキリ感がありすぐ読めました。次回作も期待です。

  • このミス大賞作品。
    ここまで密室に特化したミステリー小説は初めてかも知れない。
    正直言うと設定自体は相当特殊で、密室が破られ無ければ無罪放免、被害者達が集められた理由も曖昧という状態で密室殺人が起きていく。
    しかしその分密室の謎に多くの容量が絞られており、特に最後のトリックは盲点を突かれる物であった。
    続編が出ているのでそっちも読んでいきたいです。

    この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
    葛白香澄:堀江瞬
    蜜村漆璃:沢城みゆき
    朝比奈夜月:高橋李依
    探岡エイジ:宮野真守
    社晴樹:東地宏樹
    石川博信:緑川光
    長谷見梨々亜:日高里菜
    真似井敏郎:石川界人
    フェンリル・アリスハザード:東山奈央
    神崎覚:浪川大輔
    詩葉井玲子:井上麻里奈
    迷路坂知佳:花守ゆみり

  • 叙述トリックを邪道とし、本格ミステリーとして
    硬派な密室持論を展開
    ハウダニットに全振りで、歌野晶午「密室殺人ゲーム王手飛車取り」を彷彿
    こういう特化したお話は、登場人物に愛着が湧かなくなりちょっと残念
    「ミステリーは雰囲気」とはよく言ったものだ

    密室分類はトリック考察に使えそう 勉強になります
    次回作も買ってるので読みます

  • 第20回「このミステリーがすごい!」大賞の文庫グランプリ受賞作。

    国民的女優の中三美少女やメインで活躍する葛白香澄と蜜村漆璃。
    それぞれの名前がわかりやすくて面白い。
    10代ならではの軽快なテンポで進んでいく密室殺人。
    位置関係やトリックも丁寧である。

    だが整いすぎてる感が否めない。
    密室、トリック重視なのでこういうものかもしれないが、殺人に至るまでの複雑な心情や背景を描いたもののほうが好きかもしれない。

  • 作者の密室への溺愛ぶりがスゴイ! 次々繰り出される密室殺人活劇と推理ショー。至極のド本格ミステリー。

    密室が解明されないと、その殺人は裁かれない世界線。主人公が訪れた館で次々と密室殺人が発生し、幼馴染と解き明かすことになるが…

    なんといっても本作の魅力は「密室」です。
    いろんなバージョンの密室、というかもはや作品なんでしょうけど、こだわりぶりがスゴイですね。作者の密室への愛情が爆発しています。
    おそらくミステリーに愛着が無い人には理解できない、キモがられるレべル。ただ同じく本格ミステリーを愛するファンたちとは、一緒に美味しいお酒が呑めるでしょうね。

    自分も謎をぜんぶ解き明かしてやろうと挑みましたが、最初の密室からもう難題ですよ。全然わかんねー そして4つ目の密室なんて芸術ですよ、なんですかコレ。作者の変態ぶりがしっかり理解できました。

    ストーリーも設定を思い切り密室殺人に振り切ったことにより、シンプルな世界観になっています。そのおかげて解法ロジックも密室にしなければならない理由など、余計な根拠説明が不要になりシンプルになっているところもGOOD

    気になった点としては、序盤の引き込みが弱いのと、文章による描写、表現力あたり。また探偵役の才気ぶりにはぐいぐい引き込まれましたが、その他登場人物が若干惜しい。犯人役もいい線いっていているのですが、もっと人を惹きつけるキャラクターにできると思いました。

    とはいえデビュー作とは思えないほど物語として出来上がっており、純粋に面白い作品。おそらく作者はまだまだ密室ネタを持っていると思うので、続編に期待したいです。密室バンザイ!

  • とにかく密室、密室です。司法で密室を認めている時代という設定で、序盤は『この密室探偵がすごい』などという文言も出てきます。

    登場人物名は分かりにくくて読むのが大変かと思いましたが、キャラ説明や設定に遊び心がありすんなり読めました。
    一つの小説にどんどん密室が登場するテンポの良さで謎解き中心ですが、一つ一つの事件としての動機や関心の薄さがみられ、登場人物の心情も希薄な感じです。
    ラストも主人公的には良いのかもしれませんが、他の登場人物に触れることなく呆気ない幕引きです。

    密室謎解きを楽しむ内容ですね。

  • 「密室の不解証明は現場の不在証明と同等価値」密室殺人の多過ぎる変な世の中。
    主人公葛白より密村の謎解きが優秀。大勢人が殺されるのに悲壮感や緊迫感がない,肩のこらないミステリー。

  • 「密室の不解証明は、現場の不在証明と同等の価値がある」
    そんな判例により、現場が密室である限り無罪が担保された日本では、密室殺人が激増していた。
    そんな中、著名なミステリー作家が遺した館を改装したホテル「雪白館」で、密室殺人事件が起き……。


    2022年『このミステリーがすごい!』大賞の文庫グランプリ受賞作である、密室殺人特化ミステリです。

    とにかく次々に起こる工夫を凝らした密室殺人事件、登場人物達が多くても混乱しづらい個性付けと個性に応じた名付け、その登場人物たちの軽妙な会話、他の有名ミステリーをオマージュした小ネタなど、ロジカルであるとともに遊び心もあって、デビュー作とは思えないくらい作りこまれているなと感じました。

    密室をどうやって作り上げたか、というハウダニットに特化している分、動機付け(なぜ密室にしたのか、ではなくどうして殺したのか、の部分)が弱いのが少しだけ残念ですが、電話も通じず橋が落ちて孤立した雪の降る館のロケーションといい、ミステリ好きにはたまらないなと思います。

    「密室が解かれなければ無罪」という現実の日本とはほんの少しだけ違う世界設定も、異様なほどに密室殺人事件が多発する理由付けになっていて面白い。

    続きも出ているようなので、ぜひとも近々読みたいな。

  • 事件現場の密室が解き明かされない場合、犯人は明らかでも無罪判決が下されるようになった日本。当然の様に密室殺人事件が横行する中、著名なミステリ作家の邸宅を改装したホテル「雪白館」で以前に作家がパーティーのお遊びで同業者達に披露した「瓶詰めの密室」と同じ状態の密室殺人が起きる。幼馴染の朝比奈夜月と宿泊していた葛白香澄は中学時代の同級生蜜村漆璃等他の宿泊者達と密室の謎に挑戦するが…。お約束通り外界からは孤立状態となる中で次々起きる密室殺人がハウダニット特化だけどバラエティに富んでいて、力技もあったりで楽しい。無茶じゃないか、なものもあるのはご愛嬌。登場人物も個性あって(そして減っていくし)誰が誰だか混乱せずすいすい読み進める。しかし夜月の印象が段々薄くなったのが残念。イエティ探しどこ行った?

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著者プロフィール

1985年、山口県宇部市生まれ。東京理科大学理工学部卒業。現在はシステム開発会社に勤務。第20回『このミステリーがすごい!』大賞・文庫グランプリを受賞し、『密室黄金時代の殺人 雪の館と六つのトリック』(宝島社)でデビュー。

「2022年 『密室狂乱時代の殺人 絶海の孤島と七つのトリック』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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