復讐は合法的に (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

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  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784299044815

作品紹介・あらすじ

第21回『このミステリーがすごい!』大賞・隠し玉。結婚を前提に七年間付き合っていた彼氏に手酷い裏切られ方をして人生に行き詰まったOL・麻友が出会ったのは、絶世の美貌を誇るオネエ・エリス。「合法復讐屋」を名乗るエリスは麻友の依頼のもと、鮮やかかつあくまでも合法的に麻友の元彼を追い詰め、さらに麻友が自分の人生を歩み直すための後押しまでこなす。その後も「法律の範囲内だけど、道徳の範囲外」という謳い文句でエリスはさまざまな復讐の依頼を受ける。『息子を殺人犯に仕立て上げた「何者か」の正体を突き止め、復讐してほしい』『性犯罪を繰り返しながらもその事件を揉み消している代議士の息子を糾弾したい』復讐の連鎖から生まれた悲劇に対し、エリスは――。

感想・レビュー・書評

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  •  法律探偵事務所 Legal Research E。
     弁護士資格を持つ衿須鉄児が所長を務める探偵調査事務所だ。実はこの事務所には2つの顔がある。
    クライアントからの依頼を法律に則り適正に処理する表の顔(Legal Research)と、法で裁けぬ悪に対する復讐をクライアントに代わって合法的に実行する裏の顔(Legit Revenge)だ。

     冴えわたるエリスの頭脳。連作短編痛快リーガルミステリー! 第21回『このミステリーがすごい!』隠し玉作品。
               ◇
     夜の霧雨の中、麻友はひとり傘もささずに新宿の裏通りを歩いていた。
     キャバクラのスカウトが寄ってきて声を掛けるものの、涙でぐちゃぐちゃになり、口元に血をにじませた麻友の顔を見てギョッとして離れていく。

     悔しい悔しい悔しい。あいつは絶対に許さない。
    「やり返してやる……絶対」
     燃えたぎる怒りを抑えきれずに麻友はそう呟いたあと、自分に降り注いでいた雨が不意に途切れたことに気づいた。

     顔を上げると目の前には女性がいて、麻友に傘を差し掛けてくれている。その女性はもう片方の手に持ったハンカチで麻友の口元の血をそっと拭いながらささやきかけてきた。
    「面白そうね。手伝ってあげましょうか」
    そう言って浮かべた彼女の微笑は、女神のようにも悪魔のようにも見えた。( 第1話「Case1『女神と負け犬』」) 全4話。

           * * * * *

     なぜこれが大賞を取れなかったのかと思うほどおもしろかった。個人的には大賞作の『名探偵のままでいて』より楽しめました。理由はいくつかあります。

     主要人物のキャラが立っていて、大変魅力的だったことがひとつ。

     主人公の衿須鉄児がすばらしい。
     スマートなイケメンのテツであり、魅惑的な美女のエリスでもある。 ( 普段の言葉遣いがオネエなので、エリスが実体に近いのかも……。)
     頭脳の切れ味。迅速な行動力と周到さ。
     ホワイトでもブラックでもない。グレー領域に潜む才色兼備のスーパーヒーロー ( ヒロイン? ) 。 まさに千両役者です。

     秘書兼助手のメープルこと楓がまたすばらしい。
     冷静沈着な天才美少女。ねびゆかむさまゆかしきだけでなく、有能で機転が利き超がつく秀才でもあるメープル。末恐ろしい小学4年生です。

    そして警視庁捜査一課警部補の富沢拳もなかなかの名脇役ぶりですし、イタリアンレストランのウエイター ( 第2話登場 ) 、ジャーナリストの灰島涼斗 ( 第3話登場 )、警視庁サイバー犯罪対策課第9係長の鴨志田 ( 最終話登場 ) と、これまた魅力的な準レギュラー候補も目白押しです。

     そして「合法的に」実行される復讐。これがバラエティに富んでいて、とてもおもしろかった。
     単純に法的に追い詰めるもの。反社組織に引き渡すもの。相棒の刑事に逮捕させるもの。
     相手とその罪に応じて、ふさわしい報いを受けさせる。その手際や勧善懲悪ぶりには胸がすく思いです。

     こんな読後感のよい作品をこの1作で終わらせるにはあまりに惜しい。だいいちキャラクターたちがかわいそう。
     そして、
    ・衿須とメープルこと佐藤楓の関係。
    ・衿須とケンこと富沢拳警部補の関係。
    ・衿須と悪辣な山村正義弁護士との対決。
    と、話にも事欠かないはずです。

     ぜひ続編が読みたい。宝島社さん、三日市先生に執筆をお願いしてください。再びエリスたちに会えることを信じて待っています。

  • 「実に面白い!!」って言ってる、福山雅治が思い浮かんだ。
    どのお話も読者を裏切らない。
    エリスが裏メニューを計画的に遂行する。
    エリス大丈夫なんかと、はらはらしたり結末にたどり着き、すっきりしたり、よかったと安堵したり。いや、安堵していいのかは疑問だけど。
    男でも男前、女性でも美人、そして聡明。羨ましい。
    続編が楽しみです。

  • 弁護士資格を持つエリスが秘書の楓、協力者の警察官富沢とともに”合法的に”依頼人の復讐を叶えていくという物語。
    全四話で全てサクッと読める作品ばかりなので、手軽に読むことが出来ました。”復讐”を遂行するという話の中でも、誰に復讐するのか、どう復讐するのかなど毎回切り口が新鮮で、かつどんな形で復讐するのか、そして復讐された人物がどんな末路を遂げるのかという所も含めてエンターテインメントしていてとても面白かったです。最後は全てスカッとする形で終わるので内容に注視することができるので、落ち込みがちな人は読んでみてください。

    この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
    衿須鉄児:村瀬歩
    佐藤楓:久野美咲
    富沢拳:黒田崇矢
    坂口俊介:梅原裕一郎
    中西麻友:青山吉能
    ある携帯ショップ定員:鳥海浩輔
    肥後雅弘:かぬか光明
    重田靖:中博史
    重田晴臣:興津和幸
    灰島涼斗(偽)/早乙女創真(本物):石川界人
    早乙女創真(偽)/灰島涼斗(本物):内山昂輝
    中瀬紬:吉田有里
    中瀬佳代:名塚佳織
    山村正義:飛田展男
    松尾:梅田修一郎
    鴨志田:日野聡
    天童修平:戸谷菊之助
    福部亜希子:豊田萌絵
    清野陽三:谷山紀章

  • 外出先の本屋さんで、発見!
    いつもの本屋さんでは見た事なかった表紙が目に止まり購入。

    法律の範囲内だけど、道徳の範囲外よ?
    美しき「合法復讐屋」が演出する異色の連作リーガルミステリー
    このミス大賞2023隠し玉
    という帯に、惹かれてしまいました、単純w

    4話の構成で、帯の通り合法範囲内で復讐をしていくのですが、
    case1 が、本の名前のとおり、面白かった!
    6年付き合った彼氏に裏切られて、エリスが代行で復讐していくお話。めっちゃスカッとした!

    エリスとは合法復讐屋の代表?なので、
    全部の話に登場です。
    このエリスの個性が特出しすぎていて、小説というより、漫画で映像化してほしいなー。

    ミステリーなど、重たいもの読んでる合間に読むのが良い感じですかね。case2からは流れが少し変わるので、もっとcase1の復讐劇を見たかったです〜



    レビューとは関係ないですが、また本屋さんに行ってしまい、、
    東野圭吾先生の最新作買ってしまったー!!
    ブグログ通信?みたいな宣伝にハマり雫井さんも、購入してしまったー!!

    • なんなんさん
      土瓶さん!!こんばんは。
      コメント嬉しかったです^^
      本屋さん、ほんと危険地帯ですよね。
      コレクションというか、なんか欲しくなって購入してし...
      土瓶さん!!こんばんは。
      コメント嬉しかったです^^
      本屋さん、ほんと危険地帯ですよね。
      コレクションというか、なんか欲しくなって購入してしまうんです。本棚に並べたく、、趣味と思えば安いかな(^ν^)
      私、本屋さんのキャッチコピーや、出版社の帯にすぐに惹かれる太客だと思いますw
      2023/11/15
    • 土瓶さん
      わかります。
      最近の強敵は手書きのポップです(笑)
      わかります。
      最近の強敵は手書きのポップです(笑)
      2023/11/15
    • なんなんさん
      手書きポップ!たしかに!!
      最強の敵ですねᕦ(ò_óˇ)ᕤ
      手書きポップ!たしかに!!
      最強の敵ですねᕦ(ò_óˇ)ᕤ
      2023/11/16
  • 変幻自在で負けず嫌いなエリスがかっこいい!
    メープルちゃんのキャラも良い。
    読むと清々しい気持ちになれる作品です。
    続編出てほしいです。

  • 復讐もの大好物な自分としては、このタイトルに惹かれる。復讐を請け負う復讐屋のエリス(ネタバレになるので何者かは言えません)。そして秘書のメープル。この復讐屋が鬼退治でスカッ!と解決ではなくホラー感満載です。第1話、アホな彼氏への復讐、社会的信用の失墜、そこまでやるか。第2話、個人情報売り飛ばしに対してヤクザが押しかけてくるに違ない。第3話、これは警察が検挙。第4話、まさかの犯人!エリスとメープルの関係は明かされず、でも何かありそう。自分の社会的信頼なんて3日で壊されるんだ。こういう人を敵にしてはいけない⑤

  • 「このミス」隠し玉。
    ブクログのレビューを見て、読んでみたくなった作品。
    レビューを見ていると、賛否両論あるようだが、個人的には面白かった。
    性別不明(本当は男)のエリスと小学4年生のメープルのタッグによる、合法的復讐。
    復讐と言うと、もっとグロいイメージがあるが、相手を叩き潰すのではなく、グレーな手段を使って、追い込んでいく様子が今まであったようで、なかった手法。
    物語も主人公二人のキャラのせいで重くなく、それでも、それなりの悪の裁きを行う。
    短編4作からなる作品だが、どの作品もサクッと読める。
    「このミス」と言うよりは、ラノベの印象も強いが、同時に文庫賞を受賞した「レモンと殺人鬼」よりは、個人的にはこちらの方が好み。

  • ★4に近い

    そこまで期待してなかったけど面白い!
    エリスさん素敵!
    これ続編でてほしいなぁ。
    というか、作者さんも続編ありきで描いてるのかな?とか思ったり。

    話としては、1話が好きかな。
    複雑ではなくわかりやすい、The復讐!
    ざまあみろ!だった笑
    2話目の副業もなかなか良かった。

  • まず設定が面白く、文体も読みやすいので、ラノベ感覚で一気読みできました。
    個性的なキャラクターも魅力的で、この世界に入り込めました。
    Case2とCase4が解くにミステリー色が強く、楽しめました。そう来たか、って感じでした。

  • 「合法復讐屋」エリスの、黒でも無く白でも無いグレーゾーンな方法を用いて、依頼者の願いを解決するリーガル・ミステリ短編集。
    まずエリスのキャラが立ってて読んでて面白くもっと活躍を見たい!って思わさせられるような感じで結構好きかも!
    4編からなる話も、復讐をどうやって遂行するかが描かれる1話目、一転してミステリ色が強くなる2〜4話目、しかもそれぞれハウダニットにホワイダニット、フーダニットとシチュエーションも違うので読んでて飽きませんでした。
    このままシリーズ化して欲しいなぁ(願望)

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