名探偵のままでいて (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

  • 宝島社
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感想 : 201
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  • 本 ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784299052988

作品紹介・あらすじ

シリーズ累計20万部突破
第21回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作

「密室殺人」「人間消失」「幽霊騒動」…
孫娘の持ち込むさまざまな謎を「認知症の祖父」が鮮やかに解き明かす!

ミステリーの扉の先には、わくわくする謎と、
個性的な登場人物たちの愛が詰まっていました。
主人公の楓は私と同じ27歳。
物知りで優しくて大好きだったおじいちゃんに
会いたくなって胸がいっぱいになりました。
――井桁弘恵さん(モデル・女優)

(あらすじ)
かつて小学校の校長だった切れ者の祖父は現在、幻視や記憶障害といった症状が現れるレビー小体型認知症を患い、介護を受けながら暮らしていた。
しかし、孫娘の楓が身の回りで生じた謎について話して聞かせると、祖父の知性は生き生きと働きを取り戻す。
そんな祖父のもとへ相談を持ち込む楓だったが、やがて自らの人生に関わる重大な事件が……。古典作品が彩る安楽椅子探偵ミステリー!

感想・レビュー・書評

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  • 「翻訳もののクラシカルな本格ミステリ」をディスりまくる四季くんに激しく同意してしまった。
    私はただただ読みづらいので敬遠してしまうのだが、四季くんはしっかり読んだ上で話しているのでとても説得力があった。
    そういう本に詳しい方はより楽しめると思う。ハリーポッターの例えが出てきた時に、他の本も知っていたらこんな感じでイメージが広がるんだろうな、と思った。

    最後の章がすごく面白かった。
    それまではおじいちゃんが名探偵すぎてちょっと嘘くさかったので、終章がなかったら続編読む気しなかったと思う。
    幻視かどうか自分でわからないの、辛いなぁ。
    続編ではどうなるんだろう。
    3人の今後も気になるな。

  • レビー小体型認知症を患う祖父が孫の楓が持ち込む謎を解き明かしていくストーリー。古今東西、多くの名探偵が誕生したが、進行性の病気を持つ日本の探偵は彼だけではないだろうか。幻視と記憶障害を持ちながら、推理するときは明瞭にまるで見てきたかのように話す姿はまさに安楽椅子探偵の王道でとても良かったです。楓と祖父の会話はとても尊く、今しか出来ないような会話もあって、儚くもほっこりしました。
    一つ一つの短編もロジックがしっかりしており面白い上に、一つの長編小説としても伏線とミスリードが余すことなく回収されておりとても気持ちの良いものになっている。続編もあるようなのでそっちも読んでいきたいです。

    この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
    楓:東山奈央
    祖父:羽佐間道夫
    岩田:石川界人
    四季:濱野大輝
    アイスクリーム屋:武内駿輔
    親バカさん:大塚明夫

  • レビー小体型認知症を患いながらも事件を解決していくおじいちゃんが凄すぎます。
    病気の症状である幻視で事件の真相を見抜くという発想はあり得ないけど面白かったと思います。
    岩田と四季との三角関係も気になるところです。

  • 面白かった!最終章はもちろんの事、楓からの挑戦や、碑文谷さんの茶めっけたっぷりの事件。構成もよく、徐々にハマっていって最後は夢中で読んでいた。続編も早く読もうと。

  • 祖父はやはり名探偵だった。とても面白くて、すんなりストーリーが入ってきた。主人公の楓、四季、岩ちゃんの関係も良い関係で、読んでいてドキドキした。

  • 優しい文体、空気なのにしっかりミステリーで面白かった!
    最後の話はやっぱりダントツで面白かった!
    読みやすいしミステリー初心者さんにもオススメ☆

  • レビー小体型認知症(以下DLB)は珍しい。
    介護職員になって早15年、多分500人位の高齢者と関わって来たが、DLBの罹患者は二人だけだった。
    医療関係は詳しくないが、このDLB、確定診断は難しいのだと思う。脳にレビー小体という異物ができる病気だが、頭を開くわけにもいかないし、DLBで特異的に上下する数値も多分ない。
    ①認知機能の低下、②パーキンソン症状、そして③幻覚などから総合的に判断するようだ。

    作中にもある通り、DLBの症状は体調によって重くなったり軽くなったりする。またDLBの罹患が必ずしも知性の減退を意味しないし、幻覚に自覚的な患者もいるようだ。

    探偵役は主人公楓の祖父。DLBにかかっている。そしてDLBの特徴が深く物語に関わっている。謎解きの手並みが鮮やかなこと、作中の大きな謎、またそこはかとなくタイトルに漂う寂しさにも。

  • 連作短編調で優しさ溢れるミステリーといったところでしょうか。
    ストーカーの件は出来過ぎ感はありましたがそれまでの伏線が回収されパチっとハマりました。

    「女か、虎か」までの切迫感はありませんが最終的に楓先生はどちらを選んだのでしょうね。
    リドルストーリーはあまり好みませんが、この終わり方は良かった。

  • おじいちゃん探偵のカッコ良さ、これに尽きる。そして病気のせいで完璧じゃないところも魅力の一つ。
    本調子の時と幻肢に惑わされるときの落差も不謹慎ながら物語のアクセントとして活かされている。
    楓が相談に行く時ばかり調子がいいのは都合がいい様に感じたがそれは御愛嬌か。
    一話完結のドラマのように毎度の決め台詞がくどいなと思えてくるのだが、最後楓の気持ちまでもを事件として活用するのが粋だ。

    高齢の男性が一人称を僕というのはどうしてこんなに格好いいのだろう。自分も近い将来使っていたいものだ。

    今まで全く読んでない海外古典ミステリーにも関心が高まった。

  • 安楽椅子探偵は元校長先生。
    周りからの信頼も厚く、イケオジで人たらしだった素敵な70代おじいちゃん…半年前にレビー小体認知症を発症している。

    孫娘:楓が頻繁に実家に通いながら、聡明で知的好奇心旺盛の祖父の脳を刺激する『謎』を提示する。

    レビー小体認知症の最大の特徴は『幻視』だそうで、青い虎やベッドの下のカワウソ親子など、本人には本当に見えるらしい。

    祖父と孫娘の愛、家族の秘密、ミステリーとしての面白さと3拍子を味わえた♡

    「幻の女」本棚にあるかも?探してみよう。
    楓が岩田と四季のどちらを選ぶか⁈続編も楽しみ

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著者プロフィール

香川県高松市出身。東京都在住。明治大学在学中より放送作家として活躍。2022年現在、 ラジオ番組『ナインティナインのオールナイトニッポン』『徳光和夫 とくモリ! 歌謡サタデー』 『笑福亭鶴光のオールナイトニッポン.TV@J:COM』『明石家さんま オールニッポン お願い! リクエスト』や単独ライブ『南原清隆のつれづれ発表会』などのメイン構成を担当。

「2023年 『名探偵のままでいて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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