「山田五郎 オトナの教養講座」 世界一やばい西洋絵画の見方入門3

  • 宝島社 (2025年2月14日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (176ページ) / ISBN・EAN: 9784299059413

作品紹介・あらすじ

登録者数65万人超のYouTubeチャンネル「山田五郎 オトナの教養講座」、大好評の書籍化第3弾!
「『真珠の耳飾りの少女』は誰がモデル?」「キュビスムの始まりはピカソじゃなかった!」など西洋絵画の真実を山田五郎氏が愉快に解説します。人物相関図&年表付き。「ルネサンス」「キュビスム」などの様式解説もあり、西洋絵画の流れや画家同士の関係がわかりやすく、西洋絵画初心者も楽しめます。

感想・レビュー・書評

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  • 山田五郎がyoutubeにアップした最近のものをまとめたもの。面白い観点からのものやちょっとマイナーな画家などを結構取り上げているのがなかなか興味深い。
    ・神や聖人にリアルな肉体を授けたルネサンス
    ・ボスの16世紀の偽医師の脳手術の絵
    ・さまざまなバベルの塔の絵
    ・やりすぎて逆に不自然なところがいいのがマニエリスム
    ・レンブラントの人生の明暗を映し出す自画像
    ・有名なザビエルの絵は日本人の作で、ザビエルをレイノーゾ、プッサン、ヴァン・ダイク、」ゴヤ、グエルチーノ、ルーベンスなどたくさんの画家が描いている。
    ・ダヴィッドのレカミエ夫人の薄着は古代ギリシャ風。寒かったろう。
    ・降霊させてその人物を描いたブレイク
    ・王が愛した魔性の女の肖像画ーヘレーネ・ゼードルマイヤー、シャルロッテ・フォン・ハーグン、ローラ・モンテス、レディ・ジェーン・ディグビー
    ・画商という仕事を近代化させた印象派の育ての親ポール・デュラン・リュエル
    ・19世紀末の退廃的画家ロップス
    ・自然界の法則と死を見つめ続けたホドラー
    ・帝国末期ウィーンの鬼才ゲルストル ーシェーベルクの奥さんと駆け落ちした。
    ・意外と恵まれていたエゴン・シーレ ー恋人への仕打ちが酷い。
    ・ビアズリーとオスカー・ワイルドの対立
    ・日本のお札の父キヨッソーネ
    ・江戸文化などの古き良き日本を愛しすぎたジョルジュ・ビゴー
    ・岸田劉生と娘の蜜月は9歳まで
    ・横山大観、芥川龍之介、江戸川乱歩たちを唸らせた岡崎出身の夭折の天才村山槐多
    ・謎の失踪を遂げ、その後に偽作が出回った版画家の藤牧義夫

  • You Tubeからの書籍化第3弾は、超有名な人から、名前しか聞いたことがない人までさまざまな画家が取り上げられていて、今回も山田さんの知識の深さから来る面白い話がぎっしり。

    時代によって変わる自画像を比較したレンブラントやゴッホ、作風の変遷をまとめたマチスなどが見応えがあった。

    闘病の副作用により、出版が遅くなったという今作。どうぞお元気で、まだまだ私たちに美術の面白さを教えてほしいと願う。

  • 1. 美術史の重要な画家とその作品

    - ルネサンスの巨匠たち
    - ダ・ヴィンチ: 万能の天才として知られ、リアルな肉体描写に注力した。
    - ラファエロ: 自然な人体のプロポーションを重視し、安定感のある構図を作成。
    - ミケランジェロ: ダイナミズムを追求し、人体の躍動感を強調した。

    - マニエリスムの特徴
    - 自然さが失われ、不自然な様式が流行した。
    - ラファエロの影響を受けた作品が多く、冷淡な表情や過度な身体の捻れが見られる。

    2. 各時代の美術運動

    - 印象派
    - 光と色に重点を置き、外光の下での描画を実践。
    - モネ: 自然の変化を捉えた作品を多く残し、「印象」という言葉が生まれた。
    - シスレー: 風景画における色彩の明るさと筆触分割技法を強調。

    - キュビスムとその影響
    - 物体を幾何学的な形で表現し、視点を多様化させた。
    - ピカソやブラックが代表的な画家。

    3. 近代美術の発展

    - 20世紀初頭の変革
    - 表現主義やシュルレアリスムが台頭し、個人の内面や夢の世界を探求。
    - ダダ運動とその反芸術的アプローチが重要な位置を占めた。

    - 日本における西洋美術の受容
    - 明治・大正・昭和の時代に、日本の画家たちが西洋美術の技法を取り入れた。

    4. 画家たちの個々の運命

    - 岸田劉生: 娘をモデルにした「麗子像」に多くの労力を注ぎ、父と娘の蜜月を表現。
    - 藤牧義夫: 突然失踪し、謎に包まれた画家。彼の作品は後に再評価された。

    5. 美術市場とその影響

    - 高額取引絵画の影響
    - アートマーケットでの高額取引が作品の評価や作家の名声に与える影響を考察。
    - 偽作や版画の問題: 市場に出回る作品の真贋問題が浮き彫りに。

    6. 現代美術の多様性

    - 様々なスタイルとアプローチ
    - 成熟したアートシーンにおける多様性と、文化的背景の影響を受けた作品の数々。
    - 新しい技法やメディアが、アートの表現を広げる役割を果たしている。

    結論

    本書では、西洋美術の流れとその中での画家たちの個性、スタイル、時代背景を詳細に掘り下げ、アートがどのように進化し、影響し合ってきたかを解説している。また、近代美術の運動や日本における受容、さらにはアートマーケットの現状についても触れ、全体として美術の複雑さと豊かさを伝えている。

  • 【 #最近読んだ本 】「山田五郎 オトナの教養講座」 世界一やばい西洋絵画の見方入門3

    山田五郎さんのYouTubeチャンネルまとめ本のシリーズ3冊目。本書も安定の面白さで、初心者から知識のある方まで楽しめる内容です。本では年代順に並べられているのもわかりやすくていいですね。美術好きは必読!

  • 目にした事ある絵画、逸話は大人向け、酒飲みながらボンヤリ眺めるのに丁度いい本

  • 選書番号:750

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著者プロフィール

山田五郎(やまだ・ごろう)
1958年、東京都生まれ。編集者・評論家。東京国立博物館評議員。AHS(英国古時計協会)会員。上智大学文学部在学中にオーストリア・ザルツブルク大学に1年間遊学し、西洋美術史を学ぶ。卒業後、講談社に入社。『Hot-Dog PRESS』編集長、総合編纂局担当部長等を経てフリーに。現在は時計、西洋美術、街づくりなど幅広い分野で講演、執筆活動を続けている。『ぶらぶら美術・博物館』(BS日テレ)、『出没! アド街ック天国』(テレビ東京)など、テレビ・ラジオの出演も多い。主な著書に『知識ゼロからの西洋絵画入門』『知識ゼロからの西洋絵画史入門』『知識ゼロからの西洋絵画 困った巨匠対決』『知識ゼロからの近代絵画入門』(以上、幻冬舎)、『ヘンタイ美術館』(共著・ダイヤモンド社)、『へんな西洋絵画』(講談社)など。

「2022年 『第2期:5巻セット 〈白の闇〉篇』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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