- Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
- / ISBN・EAN: 9784305705297
作品紹介・あらすじ
もし紫式部の父親が、出世していたら、
『源氏物語』は存在しなかったかもしれない----。
王朝時代の中級貴族たちの暮らしぶりを、
当時の手紙から復元し、生き生きと蘇らせる。
紫式部であれ、清少納言であれ、
和泉式部であれ、みんな、
中級貴族の娘だった!
感想・レビュー・書評
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紫式部はなぜ30歳まで結婚しなかったのか、という話から始まり、藤原明衡の『雲州消息』から中流貴族の実態を明らかにするという内容。
受領の話や上級貴族にたかられる中流貴族の話、息子の心配をする父の消息など、実に生き生きとした中流貴族の姿が見えてきました。
文章もとても読みやすく、面白い一冊でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2024年1-2月期展示本です。
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藤原為時の事跡が楽しい(´・ω・`)
宋人と漢詩のやり取りしたのは楽しかっただろうな -
平安時代は女性文学の時代として有名ですが、男性たちは?紫式部の父・藤原為時、大江雅到(和泉式部の父)、菅原孝標(更科日記著者の父)、清原元輔(清少納言の父)たちは、娘たちが文学者として有名ですが、彼らもなかなかの文化人であったことが、彼らの書簡や漢詩から伺えるようです。彼らの生活を書簡から見るのですが、式部大輔、参議などに就任して露骨に喜びを表している当時の文章は微笑ましいというか、今と同じだと苦笑します。紫式部が30歳まで結婚しなかったのは為時が10年間失脚していたなどウダツが上がらず、それが彼女の中級貴族への冷たい視線にあるということが夕霧大将の命名の儀での揶揄にあるというのもさもありなむと思うことです。
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『雲州消息』分析中級貴族編
(上級貴族の若者編は『御曹司たちの王朝時代』(角川選書)に)